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開発したwebサービスが失敗した話【ノーコードBubble】

ご覧いただきありがとうございます。 株式会社ヒューマンモードの小倉と申します。

本記事では私が過去にノーコードツールのBubbleで開発したwebサービスのグロースに失敗し、会社を廃業した話を紹介します。


1. Bubbleとは?

Bubbleのeditor画面(弊社サンプルアプリ)

bubbleは、コードを書かずにドラッグ&ドロップでWebアプリケーションを開発できるサービスです。

2012年にニューヨークで誕生し、現在の利用ユーザー数は300万人を超え、世界的に最も人気のあるノーコード開発ツールの1つです。

2. Bubbleによるwebサービス開発の開始から撤退まで

弊社では現在Bubbleを活用した受託開発サービスを行っていますが、もともとは私が別の会社でwebサービスを開発する際、試験的にBubbleの利用を開始したのがきっかけです。

その会社は私を含め取締役3名で起業した会社で、リモートワーカー向けのコミュニケーションツールの開発・提供を行うことを想定していました。

2-1. MVPによるニーズ検証の必要性

創業当時はプロダクトの初期開発費を資本金+クラウドファンディングでまかなう計画でしたが、思ったように進まず、早速計画が頓挫しかけます。

まずはサービスのニーズがあるかどうかを検証するために、MVP※を自身で開発したうえで早期にリリースするのが最善と判断し、Bubbleを利用することにしました。

※Minimum Viable Product:顧客に価値を提供できる最小限のプロダクト

2-2. 数あるノーコードツールの中からBubbleを選んだ理由

数あるノーコードツールの中からBubbleを選んだ理由は、

  1. 私自身エンジニアとしてのバックグラウンドがなく、ノーコードで完結するツールが望ましかったため。

  2. ノーコードツールの中でも複雑なアプリケーションを開発できるため、MVPとしての役割を終えた後もBubble上でサービスをスケールさせることができると考えたため。

  3. 国内外でBubbleで開発されたサービスのグロース・資金調達実績が複数あったため。

などが挙げられます。

2-3. 開発開始から2ヶ月でリリース

開発を開始してから2ヶ月程度で、初期のプロダクトを完成させることができました。

Bubbleは国内の開発会社によるブログやリファレンスの他、公式フォーラム内のQA(英語)など参考文献が多いので、苦手意識の無い方であれば非エンジニアでも比較的簡単にプロダクトを開発できるように思います。

内容としてはユーザーログイン、プロフィール設定、チャットなどベーシックな機能の他、Dailyという海外製のサービスとAPI連携を行いオンライン会議機能を実装するなどしました。

リリース後はPRTIMESでプレスリリースを配信し、数日間でユーザーが100名ほど登録してくれました。
リリースを見たVCから問い合わせが数件来るなど、微かに手ごたえを感じていた記憶があります。

2-4. コールドスタートからの撤退

リリース配信時点では少なからず反応があり安心していたものの、数日たってもユーザーがサービスを利用してくれない(ユーザー同士のコミュニケーションが発生しない)状況が続きました。

マッチングやSNSのようなサービスでは、一定のアクティブユーザーが存在しないとユーザーに提供できる価値が0になってしまう、いわゆるコールドスタート問題が発生します。

開発者自身がサクラとして常駐する手法や、マッチングアプリの『Tinder』が行ったようにリアルイベント経由で泥臭くユーザーを集める手法など、数多くの対策事例があるものの、私のプロダクトはこの問題を回避することができませんでした。

その後もUI・UXの改善や広告配信などを行ったもののサービスがアクティブに利用されることはなく、資本金の残りが少なくなってきたタイミングでサービスをクローズ。
取締役メンバーで話し合い、会社を清算の上で廃業することにしました。

3. webサービス開発に失敗して

ここまで読んでいただきありがとうございます。 暗い話になってしまったように思いますが、実はポジティブな面がいくつもあり、私自身も多くのものを得られたと感じています。

3-1. 圧倒的な傷の浅さ

もともと私を含め取締役3名とも別に収入がある状態でスタートしたため、資本金が尽きるまでに一定の手ごたえ(マネタイズや資金調達など)ができない場合は撤退することを想定していました。

加えてプロダクト開発にBubbleを活用したことにより、

  1. リリースまでのリードタイムを短縮できた

  2. リリース後の機能改善についても時間を短縮できた

  3. 開発を外注する費用を節約できた

といったポジティブな面がありました。

結果として、企画・リリース・検証・撤退判断というPDCAをスピーディーかつ低リスクで行うことができたと考えています。

3-2. 次のプロダクトへの示唆

上記の失敗要因については様々で、私が把握できているもの、また把握できていないものが沢山あると思います。

そもそもの企画プロセス、コンセプト、UI/UX、集客の施策その他の要素にいたるまで、不十分な点を挙げればキリがありません。

ただし一つ自信を持って言えることは、次にプロダクトを開発する際にはある程度問題を予見できること、それを回避する方法について考え、実行することができるということです。

実際に弊社(株式会社ヒューマンモード)では、Gourmate(https://gourmate.me/)というグルメマッチングサービスを開発・運営しており、前回の反省が大いに活かされています。
2024年1月現在でユーザー数約2,000名と道半ばではありますが、サービスの成長に向けて確かな手ごたえを感じています。

また、これらの経験は弊社の受託開発事業にも活かされています。
webサービス開発における本来の目的である”ビジネスの成立”を達成するために、企画段階のコンサルティングから開発、リリース、改善施策までを総合的に支援しています。

4. これからwebサービスを作る方へ

4-1. 個人の方

※会社員やフリーランスとして働きながら副業的にサービス開発を行う方や、起業家として自社サービスの開発をされる方など。

まずは自らBubbleなどのノーコードツールを使って、自分にフィットするかどうかを試してみてください。
勉強として有名サービスのクローンを作成するのも良いですが、個人的には自分や周りの人が欲しいと思うサービスを最初から作ってしまう方が、モチベーションを高く保つことができると考えています。

その上で、継続的に自らBubbleでサービス開発を行うか、弊社のような開発会社に外注して他の業務にリソースを割くかを判断するのが良いのではないかと思います。

4-2. 企業の方

上記はスタートアップにおけるwebサービス開発の話がメインとなってしまいましたが、中~大規模の企業においてもBubbleを有効に活用することが可能です。

実際に、弊社の受託開発案件でも新規事業開発や、業務効率化ツールの開発の実績がございます。
費用や時間を大幅に節約でき、納品後の修正もスムーズなため、是非ご活用ください。

5. まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。 こちらの記事がこれから起業される方や、新しいプロジェクトを始めようとされている方の参考になれば嬉しいです。

ご依頼以外にも30分程度のご相談を無料でお受けしておりますので、HP問い合わせフォーム(https://www.human-mode.com/nocode) or Twitter(@shuhei_ogura)より、お気軽にご連絡ください!


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