ニーズを発見し、顧客にもっと喜んでもらえるように 【審査員・古橋氏インタビュー】
2024年6月に初開催されるStartup Weekend 熱海。週末を活用してアイデアをカタチにする「スタートアップ体験」を行う本イベントでは、起業家や投資家として活躍されている方をお招きして、コーチングや審査を行っていただきます。
今回は、審査員を務める、株式会社スズヒロ / 株式会社365LIFE 代表取締役の古橋啓稔さんにインタビューさせていただきました。Startup Weekendで大切な姿勢を学べる記事なので、ぜひ最後までお読みください。
グローバルな時代だから人とは逆のローカルへ
ーー簡単に自己紹介をお願いします。
新卒でユニクロを運営している株式会社ファーストリテイリングに入社し、店長や商品企画の仕事を経験しました。10年間勤務した後、2011年に地元浜松の不動産会社に転職しました。
2015年に独立し、不動産のポータルサイト「365 LIFE」をスタートしたほか、2018年からは宿泊施設「365BASE outdoor hostel」の運営も始め、現在に至ります。
ーー大企業から地元の不動産会社への転職は大きな決断だったと思います。Uターンしようと思ったのはどうしてでしょうか?
もともと将来的に地元に戻ることを考えていましたが、きっかけになったのは海外転勤の話が出たことでした。子どもが小さかったので、単身赴任ではなく、家族と一緒にいたいという思いがありました。
また、ファーストリテイリング社長の柳井さんが「人と逆方向に行きましょう」と言っていたのも理由の一つです。ローカルに留まらないでグローバルへという意図だったと思いますが、これからみんながグローバルに行くのだったらその逆のローカルに行こうと考えました。
失敗から学んだニーズに応える重要性
ーーグローバルとは反対に、地域に密着した仕事を始めたのですね。不動産会社への転職は起業を見据えた準備期間だったのでしょうか?
そうですね。ただ、不動産業で起業する前にも、サラリーマンをしながら自分で事業をしていました。
はじめは、東京にはあるものの浜松にはまだなかったカーシェアリングを始めたのです。浜松は一家で車を2台持つほどのクルマ社会なので、車の維持費を抑えるためにシェアする文化が浸透すると考えていました。
ーーたしかに車の維持費が抑えられるのなら、カーシェアリングを選びそうです。結果はどうだったのでしょうか?
実際は3ヶ月に1回普通のレンタカーとして使われるくらいで、稼働が全然上がりませんでした。鳴かず飛ばずの結果でしたが、どうやったら車を借りるのかをたくさん考えましたし、すごく学びのある失敗でした。
ローカライズが大切と言うのでしょうか。カーシェアリングは東京では一般的になりつつあるけれど、すでに車を所有している浜松の人の文化とは合っていなかったことに気付きました。
ーー相手が求めているサービスを提供することが大切なのですね。この学びが生かされたエピソードを教えてください。
はい。コロナ禍に、宿泊施設のコンセプトをアウトドアに変え、再投資を行いました。もともとターゲットにしていたのは外国人の宿泊客でしたが、コロナが始まって、宿泊客がほとんどいなくなってしまったのです。
そんな中、アウトドアをコンセプトにした部屋だけはずっと満室でした。泊まりに来る人をみると、浜松市や近くの地域の人が家族で楽しんでくれていました。そこで、半年かけて部屋を作り替えた結果、現在のように家族やアウトドア好きが集まるホテルになりました。
小さな一歩から。参加すること自体に意義がある
ーー最後に、Startup Weekend 熱海に参加するか迷っている方に向けて、メッセージをいただけますか?
最初から大きいことをやるのではなく、小さな一歩を踏み出してみるって、サラリーマンでも学生でもできることだと思うんです。はじめの一歩はなんでもいいですし、それがきっかけで次の未来が見えるんじゃないかな、と。まずはStartup Weekendに参加してみること自体に意義があると思います。
編集後記
自分のやりたいことばかりに固執してしまうこと、顧客ニーズに応えようと頭の中でずっとプランを練っていることは、起業でよくある失敗だと言われます。自分のやりたいことや頭の中だけで考えた顧客ニーズは、しばしば実際のニーズとは異なるものです。
Startup Weekendはわずか54時間。早く顧客の声を聞いて、早く改善していくことが大切です。古橋さんが宿泊施設をリブランディングしたように、顧客やコーチの意見を聞いて、より良いサービスを作り上げていきましょう。
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