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メンタルケアにVtuberが役立った話

突然ですが、私は数か月前、8月半ば頃から9月頃に精神に不調をきたしていました。理由は寝たきりになってしまった飼い犬の介護です。雑種ではあるもののラブラドールほどもある割りと大型のサイズであったうちの犬の世話は大変で、さらに昼夜問わずの吠えもあり、そして何よりも日々何かが出来なくなったり、どこかがさらに悪くなったりしていく愛犬の姿は見ていて非常に辛いものがありました。亡くなったのが9月の半ばなので介護に費やした期間は凡そ1ヶ月ほどの短いものでしたが、あまりの濃さに数ヶ月ほどにも感じられる日々でした。

元々私は精神的な疾患を抱えていて、服薬によりほとんど健康な人と変わらない状態になってはいるものの、ちょっとしたことで精神のバランスを崩しがちでした。そんな私にとって今回の愛犬の介護、そして死という出来事は余りにも重く、苦しいものだったのです。

あれから数ヶ月が経った今、ようやく振り返ることが出来るような精神状態になったため、こうしてその時期についてのnoteを書こうと決意した次第です。今回のテーマは「メンタルの回復にVtuberが役立つのではないか」というもので、具体的に言うと推しに限らずVtuberの配信を見ていくことで、精神の回復具合に応じて段階的に気持ちを上向きにすることができるのではないかと考えました。これは私自身の経験によるものであり、全ての人に当てはまるものではないことは百も承知ですが、よければ読んでみてください。現在、精神疾患に悩んでいる方、もしくは身近にそういった人がいるという方に、もしかしたら役に立つかもしれません。


【初めに】精神疾患には休息が一番

まず初めに注意しておきたいのが、精神疾患に一番必要なものは休息だということです。眠るということは人間にとって最も重要なものであり、鬱気味になる人は眠れない日々が続いてしまった結果、そうなってしまうという方が多いです。まずはストレスの元と可能ならば距離をとり、しっかりと睡眠をとることが重要です。賛否両論あると思いますが、必要ならば精神科を受診し、薬を処方してもらうことも考えていいと思います。精神疾患を薬に頼らずに治すことは理想的ではありますが、どうにもならない場合もあります。出来るだけ早い対処が重要となるので、選択肢の1つとして病院に行くことも考慮しておきましょう。

段階に応じて見方を変えながら配信を楽しむ

抗うつ薬の特徴として、即効性が無いことが挙げられます。例えば風邪薬は飲んだその日に幾らか症状が和らぎますが、抗うつ薬の場合、効き始めるのに1週間から2週間ほどかかります。正直に言ってその期間は何もする気が起きない、もしくは出来ないと思うので、素直に休んでおきましょう。

そうしてしばらく休む日々を続けていくうちに、薬が体内に循環し始め、気持ちに少しずつ余裕が出てきます。「何かしたいな…」と考えるようになったとき、そこがVtuberの配信の出番です。長くなってしまいましたがここまではほぼ前置きのようなものです。ここからが本番。

まずは受動的に

何かしたいと思えるような状態になったとしても、体も心もまだ回復途上。いきなり以前のように何でもできる体調には戻れません。私もやろうという気持ちは起きても実行に起こすことができず、悶々としていました。そこでまずは無理せず、楽しそうと思ったことから少しずつ始めていくことにしました。

その“楽しそうと思ったこと”が「Vtuberの配信を見ること」。ゲーム等をする気力はまだなかったので、テレビと同じように、受動的に様々なVtuberの配信を見ていました。Vtuberの配信のメリットにコメントを通してコミュニケーションできることがありますが、相手の話に対してコメントをするというのは、言わば通常の会話と同じような状態。万全な体調ではないときにそれを試みるのは難しかったので、いわゆる垂れ流し状態で見ていました。

配信のジャンルも多々ありますが、私の場合は単発のゲーム配信や雑談配信を見ていました。丁度その頃は「漢字でGo」が流行していた時で、ルールもシンプルで見どころも分かりやすく、難しいことを考えなくても楽しめるのでよかったです。雑談の場合はラジオ感覚で聴けるような、ある程度同接数が多く、コメントが途切れないような規模の方の配信を見ていましたね。飼い犬の介護では時間を問わずに対応しなければならないことがあるため、テレビや動画配信サイトで見る映画のようにずっと集中しなくてもいいのもメリットです。気持ちが鬱気味になった時は笑うことが難しくなりますが、話がうまい方やリアクションが面白い方の配信を見ていく内に、少しずつ笑えるようになっていきました。忘れていた楽しいという気持ちが少しずつ呼び起こされるような感覚でしたね。

その他には、ASMR配信もメンタルを落ち着けるのに役立つのではと思い、いくつか視聴しましたが、ASMRの場合はどうしても音だけの世界になりがちで、その間にあれやこれや考えてしまうのであまりメンタルに良くなかった印象です。メンタルが不調の時は「寂しいけど放っておいてほしい」という言葉にすると面倒くさい心理状態なので、適度な距離感を感じられるVtuberの配信はとてもいいものでした。

気持ちの余裕が大きくなるのを感じたら能動的に

休息や服薬をきちんとして、Vtuberの配信を受動的に見ることで幾分気持ちが上向きになってきたら、コメントを通してVtuberとコミュニケーションをとるようにしました。私の場合は受動的に見ていたステップではそれまで見ていた推し以外の配信を主に見ていましたが、ここでようやく推しの元に帰ってくる格好となりましたね。

Vtuberの配信はあくまで声(Vtuber)と文字(自分)を通してのコミュニケーションなので実際に人と会話するのとは少し違うかもしれませんが、これがリハビリとして丁度いいもので、人と関わる楽しさを思い出せました。1人暮らしであるなど、自分から動かなければ人と関われない方の場合はVtuberの配信を通してコミュニケーションするというのもいいかもしれません。

素晴らしい歌声は辛いことを忘れさせてくれる

Vtuberの要素として、雑談とゲーム、そして歌があります。雑談はラジオ的に、ゲームは頭を空っぽにして楽しめると書きましたが、歌配信・歌動画もリラックス効果は高かったです。

雑談やゲームが笑いを提供してくれるとしたら、歌は癒しを提供してくれます。気持ちを上向きにというよりは、歌声を聴いているその時だけは辛いことを忘れさせてくれるイメージ。恥ずかしい話、涙を流したりもしましたが、それもまたストレス発散になっていたように思います。

これに関してはプロのアーティストの曲を聴くのもいいと思いますが、私は元々Vtuberの歌を聴くことが好きで、推しの中にも素晴らしい歌声を持っている方がたくさんいたのでその力を借りた形ですね。いい歌声を聴くと感情が揺さぶられると言いますが、涙を流すほど感動したのはこの時だけかもしれません。大げさではなく救われました。

最後に

今回は、私がメンタルの不調に陥った時にVtuberによって救われた話を書いていきました。私は専門的な知識は無いものの、実体験としてVtuberの配信には“理想的な距離感”と“手軽なコミュニケーション”、そして“身近に触れられる歌等の芸術”など、たくさんのメンタルケアに効果的な要素があるように思います。

鬱気味なときは日によって体調も様々で、何か出来るくらいの気力がある日もあれば、何も出来ないほど落ち込みが激しい日もあります。Vtuberの配信ならば、体調が優れない日はROMで見る、そしてある程度元気な日はコメントをしてコミュニケーションをとるといったように、自分の具合に合わせて楽しみ方を変えることが出来るので、とてもいいと思います。実際に会話するよりもハードルが低いのも嬉しいポイント。今の時代、Vtuberは色々な分野に進出してきているので、もしかしたら、今後そういった方向でのアプローチもあるかもしれませんね。

少し突飛な内容でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。もし面白かったと感じた方がいればスキを押してもらえると嬉しいです。



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