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ガチ恋を自称するならそれなりの覚悟を持つべき

今回はやたらと好戦的なタイトルにしましたが、恐らく内容としてはそこまで過激なものでは無いと思います。ただ、それなりの年数バーチャル界を見てきた中で、Vtuberさんが活動に対してモチベーションを失ってしまう原因の1つが「ガチ恋を自称するリスナーとのトラブル」であるように思えてきたので、問題提起をしようと考えました。バーチャルの世界の話題ではありますが、まるで現実の人間関係のような生々しい問題。共に考えていただければと思います。


気持ちが前に向いているガチ恋勢は優秀なリスナーである

まず最初に注意しておきたいのが、当然の話ではありますが、全てのガチ恋勢が厄介リスナーではないということ。ガチ恋を定義すると“推しのVtuberのことを現実の女性・男性と同じように考えて恋愛感情を抱くリスナー”といったところでしょうか。最近はもはやその前提は失われている部分もありますが、あくまでVtuberはバーチャルの存在。現実を生きる人間とは切り離されて考えられるべき存在です。その為、Vtuberと恋愛関係になることは不可能であるというのが常識なのですが、そこを理解できない・もしくは理解した上で好きになってしまう気持ちを抑えきれないのがガチ恋勢という訳です。

こう書くと、絶対に叶わないにも関わらず恋愛感情を抱いているという時点でガチ恋勢に歪さを感じ、その存在全てが良くないものなのではと考える方もいるかもしれませんが、そうではありません。ガチ恋勢の中にも恋愛感情の程度は様々で、本当に思い続ければ成就すると考えている人もいれば、“恋愛感情に至るほど好きな存在ではあるが叶うことは絶対に無いことも理解している”人もいます。このように、きちんと自分でブレーキをかけられる人はガチ恋勢でありながら多大な熱量を持つ優秀なリスナーにもなり得るのです。

優秀なガチ恋勢は配信者にとって有益

優秀なガチ恋勢は熱量が高く、推しの為になることならば何でもします。グッズが販売されれば間違いなく購入しますし、記念ごとの際にはスーパーチャットを贈ります。お金に関すること以外でも、推しがポストをすれば素早く拡散しますし、配信や動画等の共有も欠かしません。配信が終わればアーカイブにコメントも残しますし、タイムスタンプを残してくれることも。まさに“配信者がやってほしいこと”を全てやってくれるのです。

これは配信者にとってもモチベーションが上がる要因にもなりますし、推しから感謝の言葉の1つでも貰えればガチ恋勢も喜びwin‐winの関係となります。まさに理想的な関係性と言えるでしょう。

気持ちがマイナスな方向に向かうと…

ただし、これはあくまで優秀なガチ恋勢の話。ガチ恋を続けていった上で何かが拗れてしまった場合、一気にマイナスな存在になってしまうこともあります。

反転アンチという言葉があるように、それまで高い熱量を向けていた分、アンチになってしまった場合も強烈なものになってしまうんですね。また、はっきりとアンチと呼べるものでは無いかもしれませんが、推しが自分の思うとおりに行動しないとXでお気持ちをしてしまう厄介リスナーになることもあります。いずれの場合も配信者としてはモチベーションが奪われる存在であり、場合によっては活動休止や引退・卒業に追い込まれるパターンもあるため、かなり重要な問題です。

次の項目では一体どういう心境の変化でガチ恋勢が反転アンチ、厄介リスナーへと変貌するのか考えてみます。

加点方式から減点方式へ

まずはガチ恋になる過程から見てみます。恐らくですが、一目惚れでいきなりガチ恋勢になる人はそうそういないはず。何度か配信を訪れる内にその配信者さんの考え方や趣味嗜好などを知り、そこで自分との共通点を見つけることで親近感を深めます。これは現実での人間関係と似たようなものかもしれません。

そしてその中で、例えばリプライで優しい言葉をかけてもらったとか、自分がかけた言葉に共感してもらったとか、何かしらの事象がきっかけとなりガチ恋勢へと変化します。これがガチ恋勢が生まれるメカニズムと言えるでしょう。

こうなるとある程度ガチっとした基盤を持つこととなり、例えば推しとの間に価値観の違いを感じるような出来事があったとしてもそれすらも“新鮮なもの”として映り、気持ちが揺らぐことはありません。むしろ、推しのことをよく知れたとして喜びにもなり得ます。恋は人を盲目にし、目を曇らせるものなのです。

しかし、人の気持ちは永遠ではありません。推しとの関係はそのVtuberさんが活動を続ければ続けるほど長くなるものなので、どうしてもマンネリしてしまいます。ここが恐らくキーポイント。それまで何をしていても何を見てもプラスに感じていた推しの一挙手一投足に、何かが違うと感じるようになります。加点方式から減点方式へと変わる瞬間です。

そういった気持ちを抱いてしまうと、これまでと変わらず応援しているつもりでもどこか採点者のような目線となってしまい、推しが“いかに自分の形でいられるか”ばかりを考えてしまいます。少しでもそれを外れれば減点されていき、そして点数が減っていけば反転アンチや厄介リスナーになってしまうのです。

見えてますよ、そのポスト

厄介リスナーになってしまった、あるいはその一歩手前にあるリスナーがやりがちなのが“お気持ちポスト”。これに関しては以前もやや刺激的なタイトルで記事を書きましたが、タグ等はつけずに文言だけでその人物のことを言っていると分かるようにしてポストすることを言い、“空リプ”等とも呼ばれます。

プラスなことならVtuberさんにとっても嬉しいものであり、空リプを見つけるためにエゴサをする方もいます。ただ、このエゴサという行為は危険が潜んでいるものでもあり、例えば自分のことを悪く言っているポストも見えてしまう場合があるのです。

また、Xには“おすすめ”という項目があって、ここには自身がフォローしていない人でも関連度が高ければ表示される仕組みとなっています。Vtuberとリスナーは日頃からおはようポストや配信ポストに対するやりとりで繋がりを持っている状態なので、リスナーをフォローしないVtuberさんであってもポストが表示されることがあるのです。

エゴサに関してはしばらく控える等、簡単に対策できますが、おすすめに関しては見たくなくても表示されてしまいます。そこでマイナスなポストを見てしまうことも十分考えられるのです。

リスナーの立場に立って言うならば、タグ等をつけて言わないから目に入ることはないだろうと思うかもしれませんが、ネットの海に流した時点で絶対はありません。さらに上に書いたようなことで推しの目に届く可能性も低くない確率であるのです。そこを理解してポストするようにしてほしいですね。特に減点方式になってきたくらいのリスナーがやりがちなこと。気をつけたいです。

推しは自分だけのものじゃない

もう1つ、これは当然なことですが、ガチ恋になって盲目な状態だと忘れがちなのが“推しは自分だけのものじゃない”ということ。自分からすると1対1かもしれませんが、Vtuberさんの側から見たら1対多なのです。有象無象とまでは言いませんが、誰かだけが特別扱いされることはありません。それを理解し、常に自分にスポットが当たらなくても我慢しなければなりません。

厄介リスナーの中には自分以外の人が推しから感謝されたりしているのを見ると妬んでしまう人もいますが、それもまた推しからするとコミュニティを壊しかねないマイナスな存在。人間にとって妬みなどの感情は切っても切れないものであるため、そういった気持ちを持たないということは不可能ですが、少なくとも表に出さないようにすることは出来るはず。先程の項目でも書いた通り、自分ではこっそりとお気持ちしたつもりでも推しには見えてしまうこともあり、自身の評価を下げることにも繋がります。注意したいですね。

ガチ恋は軽い言葉ではない、自称するなら覚悟を持って

そろそろまとめに入りますが、最後に言いたいのが、そもそも最近はガチ恋という言葉自体、軽く扱われてるのではということです。ガチ恋を自称しながらすぐに気持ちが揺らいで「少し距離を置いてみようかな」や「最近自分の気持ちが分からなくなった」とお気持ちをしているリスナーを度々見かけますが、そのくらいの覚悟ならガチ恋と名乗ること自体しない方がいいと思います。

ガチ恋は気持ちがプラスになっている間は優秀なリスナーであり、同時に推しからしても目立つ存在でもあります。そんな人が急にお気持ちをしたり、反転アンチになったりなどしたら推しはどう思うでしょうか。その悲しみは想像できないほどでしょう。

ガチ恋になるならそのVtuberが活動を続ける限り何があっても添い続ける。それくらいの覚悟を持ってほしいですね。

自分は被害者ではない

そしてさらに付け加えるなら、夢破れたガチ恋がやりがちなお気持ちポストにも一言だけ言わせていただきたい。

よく推しから離れることを決めた“元”ガチ恋勢がポエムのようなポストをして周りの同情を誘い、励ましの言葉をかけてもらっている場面を目にしますが、被害者は一体どちらなのでしょう。

あなたは悲劇の主人公でもなんでもなく、ただ絶対叶わないと最初から答えが示されている相手に向かって恋愛感情を抱き、そしてそれが叶わなくなって離れるただけの一リスナーでしかありません。むしろ、そのポストによって少なからずマイナスなイメージを与えられた“元”推しこそ被害者なのではないでしょうか。

自分本位で考えず、離れるなら何も語らず黙って消えることこそが正解です。せめて最後くらい、推しに迷惑をかけないようにしましょう。

最後に

今回はガチ恋勢について私見を書かせていただきました。私の周りにもガチ恋を名乗るリスナーは幾らかいて、それは違うんじゃないかと感じる言動を目にしてきました。それによって活動に対するモチベーションが下がってしまった推しもいます。

今のバーチャル界では、ガチ恋関連の問題も多々起きており、あまり推奨されない行為となっています。個人的にもマイナスなイメージが強く、ガチ恋をアピールしている人がいると一歩引いて見てしまうところがあります。そんなマイナスなイメージを変えるなら、やはり最後まで添い遂げる、思いが報われることがなくても折れない真にまっすぐな思いを持ったガチ恋を見せていくしかないでしょう。先程、私の周りにもガチ恋勢がいると書きましたが、マイナスな存在ばかりでなく、いい意味で盲目で、推しのことを常に最優先で考えられる素敵なガチ恋さんもいます。ぜひ、そういった方が増えてほしいです。

今後、少しでもガチ恋勢に対するイメージが変わるようにと祈りながら、この記事を締めたいと思います。

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