澤田雅之
最近の記事
- 固定された記事
侵入を許したドローンが護衛艦「いずも」を近接空撮した由々しき問題に対処するには、イスラエルのラファエル社のドローンドームが最適です。
令和6年5月16日、「防衛省・自衛隊への御意見箱」に提出した意見 小型無人機等飛行禁止法に基づく対象施設に指定された海上自衛隊横須賀基地に停泊中の護衛艦「いずも」が、民生用と思しきドローンの侵入を許して近接空撮された由々しき事態についてですが、このような問題を繰り返さないためには、イスラエルのラファエル社のドローンドームを活用することが最適です。その理由は、次のとおりです。 ドローンドームは、グローバルに最も活用されているカウンタードローンシステムであり、ドローンの飛
X線天文衛星「ひとみ」の大失敗と小惑星探査機「初代はやぶさ」の大成功 ― プロジェクトの全体最適化 成功と失敗の事例研究(3) ―
1 X線天文衛星「ひとみ」は、国際協力ミッション 宇宙からのX線は、大気に吸収されるため衛星による観測が欠かせません。そこで、1979年以降、我が国はこれまでに歴代5機のX線天文衛星を打ち上げて、グローバルなX線天体観測を支えてきました。いわば、X線天文衛星は我が国のお家芸です。 2016年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所が打ち上げたX線天文衛星「ひとみ」は、2005年に打ち上げ2015年まで運用したX線天文衛星「すざく」の後継機でした。「ひとみ」は、
仕様発注方式で失敗・破綻し、性能発注方式で復活・成功した新国立競技場整備事業― プロジェクトの全体最適化 成功と失敗の事例研究(2) ―
1 2015年7月17日、新国立競技場整備計画が白紙撤回 2012年に実施した国際デザインコンクールを起点とする新国立競技場整備計画は、「設計・施工の分離の原則」に則った仕様発注方式による整備に向けて、2年半もの設計委託期間と60億円余りの設計委託費を費やした挙句に、工事費試算額の高騰が引き金となり、2015年7月17日に安倍首相により計画全体が白紙撤回され破綻しました。 この破綻の主因は、三つ巴のトレードオフ関係(彼方を立てれば此方が立たなくなるといった相反関係)にあ
三菱スペースジェット開発失敗の根源的要因は、経済産業省と国土交通省と三菱重工業のいずれも、性能発注方式の取り組み方ができなかったことです。
令和5年6月7日付の読売新聞朝刊記事「MSJ開発撤退 要因検証へ」によれば、経済産業省は6月6日、航空機産業の課題と戦略を検討する有識者会議の初会合を開催して、三菱重工業が三菱スペースジェット(MSJ)の型式証明取得に失敗して開発から撤退した要因を検証した上で、今後の成長戦略を今年度内に取りまとめるとのことです。 ところで、MSJの開発に失敗した根源的な要因は、経済産業省と国土交通省と三菱重工業のいずれも、下記にそれぞれ具体的に記載のとおり、性能発注方式の取り組み方(この