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「伝わらないこの感覚」における、「伝わらない英訳の感覚」について 翻訳のbackstageクイズ

 こんばんは!ミヲリさんの新作が出ましたね!今回も翻訳難易度の高いフレーズがあり、是非クイズからの解説をしたいので、お付き合いくださいませ。

Kadu:  We’d like a smaller lunch for tomorrow, please. 
    明日の弁当は少なくして。
Man:  Is something wrong? 
    なんで。残しなよ。

Kadu: We can’t eat it all.
     食べきれなくてさあ。
Man:  It's OK to throw it away. 
    捨てればいいよ。

「残せばいいよ」が"Is something wrong?"という英語になる不思議。。直訳したら、"Leave as much as you wish."になるはずですが。。

 実は日本語もアラビア語も高コンテクストな(文脈に大きく依存する)言語です。よって、Kaduとエジプト人である男性の間では、高コンテクストなやり取りが成立します。高コンテクストなやりとりを、低コンテクストな言語(=英語)に翻訳した時、会話が成り立たなくなってしまい、一生懸命英訳を考えました。

ここで、翻訳backstageクイズです。

以下の、日本語を英語に直訳した会話は、どうして会話が成り立たなくなってしまうのでしょうか?

Kadu:  明日の弁当は少なくして。
Man:    なんで?残しなよ。
Kadu: 食べきれなくてさあ。
Man:  捨てればいいよ。

Kadu:  We’d like a smaller lunch for tomorrow, please. 
Man:    Why is that? You can leave as much as you wish.  
Kadu:   We can’t eat it all. 
Man:    It's OK to throw it away. 

ヒントです。
①英語と日本語を1対1対応で考えないようにしてください。会話の流れをつかみましょう。

②日本語と英語の違いを思い出しましょう!
日本語:高コンテクスト。細かく説明しなくても伝わる。
英語:低コンテクスト。全ての人に同じメッセージを伝えるようなイメージで、一つ一つ確認、説明していく。

日本語と英語の違いをじっと見つめて、考えてみてください。

イラスト 成冨ミヲリさん 
「伝わらないこの感覚」より抜粋

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