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月間ユーザー数3500万人の「mybest」は、どのように生まれたのか?

僕らは「mybest」というサービスを運営しています。

mybestをひとことで表すなら「選択サポートサービス」。

家電やコスメ、転職エージェントや格安SIM、保険まで……あらゆるモノやサービスの「選択」をサポートするサービスです。

おかげさまでmybestは順調に成長しています。

今年で創業5年目ですが、月間ユニークユーザー数は3500万人。日本人の約4人に1人に使ってもらっている計算になります。さらに世界展開も進めており、現在8ヵ国、海外だけで月間1000万のユーザーがいます。

順風満帆……のように見えますが、実は僕としては、まだまだ道半ば……というより、始まってすらいないとも思っているのですが、その話は後々するとして……

まずは「mybest」というサービスがどのように生まれたのかをお話ししてみたいと思います。

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クリックするとサイトに飛びます。ぜひ見てみてください!

ベストな育毛シャンプーが見つからない

さかのぼること7年ーー。

ある日僕は、育毛シャンプーを探していました。働き過ぎていたせいか、髪が抜けてきてたんです。

「なんとかしたいな」と思って育毛シャンプーをネットで探し始めたのですが、出てくるのはメーカーの宣伝やアフィリエイト記事ばかり。どの情報を信じればいいのかわかりません。

何日も情報を漁って、あるシャンプーを買って使ってみたのですが、効果のほどはよくわからず……(抜け毛は止まったのですがシャンプーのおかげかは不明)。ただただ疲れただけでした。

なぜ「選択をサポートするサービス」を作ろうと思ったのか? それは、こうした検索結果への不満からでした。

何かを選択するとき、ほとんどの人がネットで検索します。しかしその検索結果について満足している人は少ないのではないでしょうか?

多くの人が「これ、アフィリエイトじゃないのかな?」「ステマじゃないのかな?」「本当に信頼できるのかな?」と疑いながら情報を探しています。

「検索」では信頼できる情報にたどり着けません。情報リテラシーの高い人であれば「これは偏りのある情報だな」とわかります。でも普通はそこまでわからない。

人生における「選択」というのは重要な行動です。

なのに現状、最適な解決策がない。ならば「選択」にフォーカスしたサービスを作るべきなんじゃないか?

そう思ったのです。

「選択」とはどういう行動なのか?

「選択をサポートするサービス」を作ろうと思った僕ですが、それがいったいどういうものなのかはわかっていませんでした。

そもそも「選択」とはどういう行動なのだろう……?

選択というのは、いわば「マッチング」です。

一方に「ユーザー」、もう一方に「選択肢」がある。であれば、ユーザーをよく知り、選択肢のことをよく知ることができれば、そのあいだで「最適な選択」を生み出せるはず。

そこで僕は、まず「選択肢」のことをよく知ろう、と思いました。

モノやサービスといった世の中に存在するあらゆる「選択肢」をよく知り、いわば「選択肢のデータベース」を作ることができれば、それは貴重な情報の集積になり、強力なメディアになるはずです。

メディアとして機能すれば、ひとまず既存の検索結果をおさえられます。検索結果をおさえられれば、それによってキャッシュが回るので、それを使ってあるべきサービスを作っていけるんじゃないか、と考えたのです。

そうしてできたのが、今の「mybest」です。

ここはちょっと伝わりづらいかもしれないのですが、僕はただ「おすすめのモノを紹介するメディア」を作ろうと思ったわけではありません。

最終的に作りたいと思っているのは「最適な選択をサポートするサービス」です。

ただそのサービスの最終形がわからないので、まずは選択肢をよく知ることに注力した。その過程でメディアを作り、検索をおさえ、マーケティングをおさえる。それによってキャッシュを回し、そのお金を全部突っ込んで、あるべきサービスを模索しようと思ったわけです。

最終的には「選択肢」だけでなく「ユーザー」のこともよく知り、ユーザーと選択肢の最適なマッチングを実現したいと考えています。今はその道半ば。というところで、まずは選択肢のことを知ることに注力してきたというわけです。 

まず「選択肢のデータベース」を構築する

今の「mybest」は、僕からすれば「モノメディア」というより「選択肢のデータベースを作っている」意味合いが強くあります。

実際にモノを購入して検証しているのも「選択肢のデータベース」を作るためです。

これまで、選択肢の情報は「値段」や「デザイン」「重さ」「機能のあるなし」などの「外形的な情報」しかありませんでした。

でもそれだけじゃ足りない。

そこで僕らは、実際にモノやサービスを購入して、自分たちで検証して、選択肢の情報をどんどん集めることにしたのです。実際に購入して検証するのはお金や手間のかかる大変な作業です。

それでもユーザーが求める情報ならば、やる価値があると思っています。

「選択のコスト」を極限まで下げたい

最後に少しだけ、僕が今考えている未来の話をします。

何かを選択するとき「検索する」というのはコストが高い行為です。

正しく判断するためには情報リテラシーを高めなきゃいけない。選択肢を比較するのにもたくさんの時間がかかる。「選んでみたけど、やっぱり違った!」といって振り出しに戻る場合もあるでしょう。

そういった意味で言うと「そういった高いコストを払ってまで選択しようと思えるものじゃないと検索しない」ということでもあります。

たとえばアウトドアが好きな人は、テントを買うときにめちゃめちゃ検索すると思うんです。なぜかというと、すごくいいものが欲しいから。でも、その人が「洗剤」を必死に検索するかというと、しないでしょう。

テントにはこだわるけど、別に洗剤はなんでもいい。ただ一方で「いい洗剤を使いたい」という気持ち自体はゼロじゃないはずです。

ベストな洗剤を選択するときに10のコストがかかるなら「その10のコストを払ってまでリターンがあるもの」じゃないと人は検索しません。でも、そのコストが3に下がったら、ベストな洗剤を選ぶことができるかもしれない。

選択のコストを限りなくゼロに近づけてあげれば、洗剤すら「やっぱりいいものを選びたい!」という気持ちになるはずです。

僕らは多くの人がすでに選択している分野について「よりよい選択」をサポートしていきます。

でも、それだけじゃおもしろくない。

いま選択して「いない」分野まで「よりよい選択」をしてもらえるようになれば、よりユーザーの生活に深く貢献できるんじゃないか。

選択のコストを下げることで、これまで無意識に選択していたものについても「いい選択」ができるようになれば、その積み重ねでユーザーの生活を豊かにすることができる。ゆくゆくはアレクサに「マイベストのおすすめしてる洗剤を買っといて」と言えたら便利だなと思っていたりします。

「検索」ではリーチできないユーザーはたくさん存在しています。mybestは「現時点でそもそも選択していないユーザーもターゲットにしたい」と思っているのです。

人類の「選択」をベストなものに

mybestの説明をすると、たまに「『暮しの手帖』や『モノマガジン』のように、実際に購入して検証するメディアをやっているんですね」と言われることがあります。

そう言っていただくのはうれしいのですし、そのとおりなのですが、僕はもっと先の未来を見ています。

選択の世界を変えたいのです。

いまは何かを選ぶときに「検索」くらいしか手段がありません。そして多くの人はそこに疑問を持っていません。でも僕はそこに課題があると思ったのです。僕は「検索に代わるもの」を作って、選択の領域で決定的なサービスをつくりたい。

だから現在のmybestは、あくまで序章に過ぎません。

最終的にはメディアではなく、「選ぶ」という領域で生活に根ざしたサービスを作りたい。何かを選ぶときに絶対使うサービスを作りたいのです。

「選ぶ」とひとことで言っても、領域によってさまざまな選び方があります。ユーザーの行動は本当に奥が深く、正直僕もまだ読みきれていません。売り上げは立っていますが、「最高の選択体験」がまだ何かもわかっていない状態で、PMFはまだまだできていないと思っています。ここは早急に達成したい経営課題です。

僕らは毎日いろんな選択をしています。

「どこに住むか?」「どの会社に勤めるか?」「誰と結婚するか?」といった大きな選択から「何を着ていくか?」「何を食べるか?」といった小さな選択までーー。

選択というのは人生の質を左右する重要な行動です。

「Google」が検索を変え、「Amazon」が購買を変えたように、「mybest」は選択の領域を変えていきたい。そして世界中で利用される生活インフラを目指していきたいと思っています。

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