まどろみ天使

X (JAPAN)、プラトン、現象学、コーヒー、バッハ、ラヴェル、ミステリを愛する東京…

まどろみ天使

X (JAPAN)、プラトン、現象学、コーヒー、バッハ、ラヴェル、ミステリを愛する東京と沖縄のハーフ。大学院まで古代ギリシア哲学。16から様々な精神的な病気と闘う。セクシュアル・マイノリティ(ややこしくて分類不可能)。個人で行政書士の事務所→体調不良で閉所→甥っ子の家庭教師。

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  • つぶやき・雑記事のまとめ

    まどろみ天使によるつぶやき、雑記事をまとめています。これは、エッセイや詩などに比べて、明るい記事が多い(と思います)。

  • エッセイ・感想文

    自身のエッセイ(モドキ)、読書感想文・コンサート感想文などをまとめました。

  • テツガクの小部屋

    西洋哲学史の概略を、私見を交えずに、淡々と追うシリーズ。引用に用いる文献のサブタイトルはー理性の運命と可能性ー。哲学は時にとんでもないコトを大真面目に考えたりします。あなたもテツガクしてみませんか。

  • 自作の詩まとめ

    16歳から30代前半までに書いた詩をまとめたものに、2023年から再び書き始めた詩を混ぜて発表しています。先入観なく読んでいただきたいため、一切の説明を省くようにしました。記事のカテゴリの中では一番マジメです。

最近の記事

眠り姫になってしまう稀な症状〜周期性傾眠症とは〜

5月28日は渋谷のお医者さん(心療内科)へ。二つ聞きたいことがあったし、血液検査もそろそろやってもらわないと、と思い、処方箋もらうだけでなく、診察にした。そういえば、心療内科というのも、比較的最近の呼び方なのか。ひと昔前は「精神科」だった。今でも大学病院などではそう呼ぶのか。ちなみに私が20代の頃入院した大学病院では「精神・神経科」というくくりだった(歌手のコッコさんが同じ時期に入院していた)。 さて一つ目は、眠っているときにたまに体がかゆくて掻いてしまうが、赤くはならない

    • 【エッセイ】~impressとexpress~苦しみを愛せるか~

      4月30日投稿「感受性を殺してでも生きるべきか」の続きである。 私が10代後半から30代前半まで苦しかったのは、単純にストレスなどによる抑うつ状態だったからではない。 私は空や雲や風、音楽などの芸術作品、総じて主に美しいものに触れると、味覚を除く五感がめいいっぱい開き、それを自己の中に留めておきたくて、でもそれができずに、体中から、感覚で受け取ったものがあふれ出して、抱えきれないことによって、ずっと苦しんできた。 周りの大人たちは、日記を書け、詩を書け、油絵を描け、と言

      • カップめんのチャルメラ味噌ラーメンを食べました。汁は全部は飲まないし、ナルトがダメなので残します。流しに生ごみが捨ててありました。そこに残りの汁を流してしまいました。にこにこしているたくさんのおじさんの笑顔を、捨ててしまいました。チャルメラおじさんがかわいそうだと思いました。

        • テツガクの小部屋18 プラトン②

          ・イデア論後半 かくしてプラトンにとっては、イデアの世界(英知界)と個物の現象する世界(可視的世界)が相対峙することとなった。プラトンはイデア界を存在とし、現象界を非存在とする。 存在といわれる限り永遠に不変でなければならないと考え、生成消滅するものを非存在とするギリシア人の通念はわれわれに多少奇異な印象を与えるが、彼らが存在というとき、たいていは本質的存在(「…である」)の意味で語られており、現実的存在(「…がある」)の意味で語られているのはむしろ稀であることに留意すると

        眠り姫になってしまう稀な症状〜周期性傾眠症とは〜

        • 【エッセイ】~impressとexpress~苦しみを愛せるか~

        • カップめんのチャルメラ味噌ラーメンを食べました。汁は全部は飲まないし、ナルトがダメなので残します。流しに生ごみが捨ててありました。そこに残りの汁を流してしまいました。にこにこしているたくさんのおじさんの笑顔を、捨ててしまいました。チャルメラおじさんがかわいそうだと思いました。

        • テツガクの小部屋18 プラトン②

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        記事

          【詩】夢のあとさき

          ひとしずくの中に 果てなき夢を見る まどろみに堕ちてゆく 儚く暗き夢の底で 自ら鳴らす鐘の音が 永遠の涙をわたしに保証した ざわめきに溶けゆく煙と 黒白の奏に戯れて わたしはしばし 悪魔的な動揺や 虚飾の暗算から解き放たれ 甘美な嘆息の中で 安堵の上に曖昧なほおづえをついていた 夢のあとさきに漂う このひとしずくとわたしは 美しい合目的性によって結ばれ その固き絆が ほんの少しわたしを救ってくれる

          【詩】夢のあとさき

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(後半)

          休憩を挟んで、2曲目は、ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調。芸術劇場の時はラヴェル「ラ・ヴァルス」が主目的だったが、この日はこの曲が目的だったと言ってもいい。特に、有名な第四楽章。しかし、有名だからというよりは、小さい頃から数えきれないほど聞かされてきたから、というのが本当のところだ。私が小学生当時、父はまだオケに入っておらず(もちろん趣味で、だが)、吹奏楽団に所属していたが、胎教からしてクラシックのみだったらしい私はずいぶん聞かされて育った(ちなみに母はロック、妹もクラ

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(後半)

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(前半)

          今回は上野の東京文化会館、大ホール。N響、指揮は坂入健司郎氏。 芸術劇場とはまた全く違う座席構成・座席数。私は一階席の中央から少し後ろあたりに落ち着いた。 芸術劇場の時はだいぶ空席も見えたが、この日は満員御礼だったのではないか。しかも5階席まであり、隣のご婦人方も話していたが、席と席の、前後左右の間隔が狭い。こんな状態も手伝ってか、音響は良いと聞いていたこのホールだが、私にはあまり良好とは感じられなかった。これだけ密で超満員だと、響きが良くない。私の座席の位置にも関係している

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(前半)

          テツガクの小部屋17 プラトン①

          ・イデア論前半 既述のように、善・正義・勇気・美の定義は、その本性上、善それ自体、正義それ自体などを目指さずにはいない性格を有している。 プラトンもまたこういった自体的存在を想定し、それをイデアないしは形相と呼んだ。しかも彼は善・正義、美といった倫理的概念のみにそれを限定しないで、あらゆる存在・概念に関してその自体的存在、すなわちイデアを想定した。したがってプラトンによれば、善のイデア、美のイデア、人間のイデア、馬のイデア、ベッドのイデア、三角形のイデア、等しさのイデアなど、

          テツガクの小部屋17 プラトン①

          【エッセイ】感受性を殺してでも生きるべきか 

          日課で新聞を取りに行く。冷たい風に当たり、私は過去に引き戻された。 抑うつなどの症状が出たのは16の時だ。原因は「記憶があふれる」。今のこの空気は1年前の何月何日、何をしている時、3年前の…4年前の…7年前の…といった具合だ。空気に限らない。音、におい、見るものなど感覚に訴えてくるものはみな対象だ。記憶は毎日積み重なってゆくから、当然、年を重ねるごと、苦しくなってくる。学校に行くにも、とにかく道を歩くだけで辛いのだから、家と最寄り駅の間を泣きながら行ったり来たりして、駅まで

          【エッセイ】感受性を殺してでも生きるべきか 

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(後半)         

          三曲目はサン=サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61」。1881年の作品。 独奏ヴァイオリンが上手だったので感動した。ヴァイオリン協奏曲というと、シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47も有名だが、こちらの演奏を聴きに行った際、独奏ヴァイオリンの高音が耳をつんざくようで、しばらく独奏ヴァイオリンを聴くのが嫌になったことがあるのだ。 ドビュッシーの曲(演奏)に比べると、良い意味で堅苦しい。カチッとしている。型にはまっている。他の曲でもそうだが、サン=サーンス

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(後半)         

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(前半)

          先日、久しぶりに、一人でクラシック・コンサートに行ってきた。大学生の頃あたりは、かなり頻繁に様々な芸術に触れていたものだが、大学院に進んだ頃から、勉強で忙しくなり、いつの間にか遠のいてしまった。クラシック音楽だけでなく、クラシックバレエ、現代バレエ、絵画展、彫刻展、演劇など、古典・前衛問わず、場所も、色々な所に行った。 最近、またクラシック音楽を聴きに行きたくなり、詳しい友達から情報を得て、一人で行ってきた。2024年の目標の一つが「芸術に触れること」であり、その一つが再び詩

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(前半)

          【詩】In the Morning Air of Spring

          In the center of the indistinct transience Lots of winds wander through lots of my selves Gradually my consciousness was spreading over the somber blue sky I myself fell down remaining upright immovable Opened eyes wide are closed by no one

          【詩】In the Morning Air of Spring

          テツガクの小部屋16 小ソクラテス学派②

          アリスティッポスはソクラテスの「よく生きよ」を「快く生きよ」という意味に解し、そこからこともあろうに極端な快楽主義を唱えた。ソクラテスの「よく生きる」は「善く生きる」こと、すなわち有徳に生きることを意味すると同時に「快く生きる」こと、すなわち幸福に生きることも意味している。アンティステネスは前者の面をとり、ソクラテスの命題をその方向において極端化し、徳を人生唯一の目的として快を捨てたが、アリスティッポスは後者の面を捉えて、ソクラテスの命題をアンティステネスとはちょうど逆の方向

          テツガクの小部屋16 小ソクラテス学派②

          【詩】春の下

                 春の下 朦朧とした儚さの中心で いくつもの風がいくつもの私を渡り歩く 私の意識はくすんだ青空へ拡散していき やがて直立不動のまま倒れた 見開いたままの瞳は 誰からも閉ざされることなく 小鳥のさえずりが  冷えていく心を蝕み続ける 効かない薬の散らばる無菌室へ逃げ込み 今日もあの日の誓いを守るために 無機体となって闘争をやめる覚悟をする 不断の刻みに唆される静寂の中 あなたにもっと触れていたいと切望するのに 言葉に託したところで何が得られるのかなどと ベビー・ド

          【詩】春の下

          【雑記】入院こぼれ話~後編~

          前編の続き。前編はこちら↓ さて、ここからはこぼれ話。 まず、いつものジェルネイルはどうしたのか、という話。 初診の外来に行って、11時半過ぎに一旦帰り、その日の午後14時頃に入院するまでの間、家で、とにかく下着やら荷物を詰め込み、余った30分で、何とか自力で左中指だけオフした。その一本があったからこそ、パルスオキシメーターが使えたのであり、手術も可能となったのだ。ジェルネイルしていると、こういう緊急・救急の場合などにとても困るとは前から聞いていたが、まさに今回がその例。

          【雑記】入院こぼれ話~後編~

          【雑記】入院こぼれ話~前編~

          以下は、ブログからの抜粋をもとにした、入院前・中・後のあれこれについてである。 発端は2月16日朝方4時くらいから、いつもの激痛が訪れたことだった。胸の下から背中まで一周するように痛く、いつもひたすら脂汗を流してたえる。長くて6時間続く。3年前、渋谷のお医者さん(精神科・心療内科)で身体表現性障害と診察されたものだ。 だがこの日は痛みがひかず、予約なしで受付に頼み込んで、近くのかかりつけ女医先生のところへ。一人では歩けず、母に腕をとられ、もたれかかるようにして歩く。 筋

          【雑記】入院こぼれ話~前編~