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コストコ・オンラインで大反響! 日本独自の医学「漢方」で日本を救う!?

「良薬は口に苦し」ということわざがあるように、日本人には馴染みが深い「漢方」。現在の日本の医療現場では、西洋薬と漢方薬、その両方を医師が使い分けて処方しています。また、薬局でも市販薬としても「漢方」は販売されています。近い未来、日本の医療制度の崩壊が予測されている今、日本人一人ひとりが「予防」について考えなければならなくなりました。そんな中、身近な存在として「漢方」を多くの人に伝えるべく、pluskampo株式会社はサービスを提供中。今回は、pluskampo株式会社 代表取締役 笹森有起氏に「日本のヘルスケア市場と漢方の未来について」、お話を伺いました。

薬剤師が起業した!

――まずは、笹森さんの自己紹介をしてください。
pluskampo株式会社の笹森有起です。東北医科薬科大学卒業後、「薬剤師」の免許を取得しました。漢方のエキスパート認定制度である「漢方薬・生薬認定薬剤師」も取得。調剤薬局で6年ほど勤務した後に、フリーランスとして独立しました。調剤薬局における薬剤師の人材紹介業務を立ち上げ、事業承継。2021年に「pluskampo株式会社」を起業しました。

――pluskampo株式会社の事業を教えてください。
pluskampoは、大きく3つの事業を営んでいます。1つ目が「オンラインの漢方処方サービス」である「+kampo(プラス漢方)」。最初に作ったサービスです。主に4、50代の女性を中心にお客様のカウンセリングを行うことで、「更年期のお悩み」「PMS」をはじめとする女性ホルモンの悩み、パニック障害、メンタルの乱れによる心身の不調などに対応しています。2つ目は、「オリジナル漢方製品」の開発です。お客様の声をもとに、食品である漢方原料をベースにした「エクオール バランスビューティ」は、現在、自社サイトでの販売に加え、Costco(コストコ)のオンラインで販売中です。3つ目は、福利厚生サービスのひとつとしてオフィスにある常備薬のように「漢方」を配置、設置する「置き漢方」という事業です。置き漢方とは、「OFFICE DE YASAI」などを展開する株式会社KOMPEITOさんと業務提携をさせていただき、共同でプロダクトを拡大予定です。現在はテスト的に置いて、反応や意見を抽出している段階です。

日本独自の医学である「漢方」に魅せられて

――なぜ、「+kampo(プラス漢方)」というサービス、会社を作ったのですか?
薬剤師として働く中で「漢方薬」に出会い、その効果や哲学に衝撃を受けました。西洋薬は症状に作用するため、ライフスタイルの変化とともに研究開発される一方、漢方薬は自身の自然治癒力を最大限に引き出すことによって体が強くなり、結果として症状が緩和します。そのため漢方薬は、症状が現れてからの治療だけではなく「予防」にも効果があるのです。いわゆるバランスを整える役目ですね。ある部分が過剰になっている時はそれを抑えて、あるものが不足している部分は補うような、バランサー的な作用を持っているのが漢方薬の特色です。不調の原因は時代とともに変化しますが、私は自身のエネルギーを高めて症状を解決する漢方で、人に寄り添いたいと思い、起業しました。

――笹森さんが考える「漢方」の凄さを教えてください。
漢方は日本独自の医学です。漢方といえば中国と勘違いをしている方もいると思いますが、起源は中国やインドながらも、日本において独自の発展を遂げてきました。漢方は、日本の気候風土に合わせて、日本独自の医学として進化してきたのです。漢方の凄さは多成分系であるがゆえに、その人の自然治癒力を引き出すこと。これは西洋薬にはない作用で、中庸(ちゅうよう)にするという考え(バランスを整えることができる、過剰な時は抑え、不足している時は補う)です。これから、自助努力が可能な予防領域の漢方を使う症状改善、健康維持、セルフケアという市場が大きくなっていくと思うので、「漢方の凄さ」について、もっと啓蒙していきたいです。

症状が出てからの「治療」ではなく、「予防」にも力を入れていくために

――先ほど、「漢方を使う症状改善、健康維持、セルフケアという市場が大きくなっていく」と言われましたが、日本におけるヘルスケアの現状と課題を教えてください。
日本の医療制度は、良くも悪くも国民皆保険制度という保険適用で医療が受けられます。全国どこで医療行為を受けても基本的に一律のサービスを受けられ、保険証を持っていれば、窓口で支払う金額は負担割合に応じてかかった医療費の一部で済みます。そういう状況なので当然といえば当然なのですが、多くの日本人が、症状が出てから「治療」を受けるという認識が強いかなと思っています。日本人の多くは「予防」という意識や概念が薄く、健康に対してお金をかけるというコスト意識の優先順位が低い印象がありますね。良くも悪くも特殊な環境だったのです。制度自体が続くのであればいいのですが、これを続けて維持していくためには「税金」というその社会保障制度を維持しないといけませんよね。どう転んでも今の日本の現状、人口分布では無理かも……というのが目に見えていて、制度の再構築が進む可能性は大いにあると予測できます、というのが日本におけるヘルスケアの現状と課題です。

――では、その前提を踏まえてpluskampoがやるべきことはどんなことでしょうか?
今後、日本においても社会保障費の増大により医療保険制度の再構築が起こる可能性を考慮すると、自助努力が可能な予防領域の症状改善・健康維持を得意とする「漢方」の市場ポテンシャルは大きいと考えています。「漢方(薬)」という市場は、保険適用で使われている「医療用漢方薬」と保険適用ではない「一般用漢方薬」という2つの市場があります。例えば、有名なツムラさんは「医療用漢方薬」で8割以上シェアを持っています。現在、1600億円ほどの規模です。今年の4月からさらに販売価格(薬価)が上がったので、1600億円×1.3倍(=約2080億円)が市場規模になる可能性もあるでしょう。一般用漢方薬市場は600億円ほど。それでも、小さくでも伸びている市場です。我々は、この「一般用漢方薬市場」で、正しい医療知識の普及や安全性はもちろんのこと、質の高い製品(健康食品による健康被害等も出ていますので)を皆様に届けることが責務と考えています。

――質の高い商品といえば、コストコで御社の「エクオール バランスビューティ」がランキング上位だとか。
ありがとうございます。供給の問題で、順位は変動してしまうのですが、おかげさまでコストコのオンラインでも反響をいただいています!手前味噌ですが、とてもいい商品なのです。「エクオール バランスビューティ」という商品は、「エクオール」と呼ばれる成分がメインで、女性のバランスまたは、ゆらぎを整えるように働きます。例えば、不足している時は補い、過剰になっている時は抑えるようなイメージです。先ほどお話しした、バランスを取るように良い成分なのです。従来の商品と違うのは、「フアイア®︎」という生薬(日本では食品に分類されている)が配合されていること。日本で「フアイア®︎」が配合されている商品は「エクオール バランスビューティ」だけ。

「エクオール バランスビューティー」

――初耳なのですが、「フアイア®︎」とは何でしょうか?
「フアイア®︎」の特徴は、免疫を「中庸(ちゅうよう)」する効果が期待できる点です。研究論文から、イギリス、アメリカ、中国で話題となっている新成分「フアイア®︎」は、医療業界で注目されている成分です。体の仕組みは、多ければいい、少なければいい、という単純なものではありません。”ちょうどいいバランス”になっていることが健康であり、美しさへとつながります。ぜひ、皆さまにも試していただきたい! 現在、このフアイア®︎を配合したエクオールに続く、第2弾を開発中で今年の夏頃にリリース予定です。

「置き薬」から「置き漢方薬」へ!


――pluskampoの今後の挑戦について、教えてください。
突発的なものではなく、長く使い続けてもらえるプロダクトにしたいと思っています。法人向けの「置き漢方サービス」も含めてですが、漢方薬を定番化していきたいですね。また、漢方を軸に、世界に通用する商品を開発していきます。現在は、中長期的なビジョンを一緒に描いていけそうなパートナー、シナジーを感じる企業と資本業務提携を狙っています。もちろん、共同商品開発というコラボもどんどん受けていきたいので、漢方に興味がある企業の方、起業家、経営者の皆様、ぜひご連絡ください。

オフィスに設置している「置き漢方」サービス

――漢方を軸に、世界に通用する商品をどんどん開発するのですね!
日本の市場が小さくなっていくは人口の減少から見ても、明らかですよね。20、30年後、世界という大きな市場を見据えて、世界に通用する「漢方」、ジャパンブランドである漢方を広めたいと思っています。そのためのステップとして、まずは日本国内での漢方のポジションを確立することが必然。日本人の皆様に必要とされる漢方製品を開発し、提供していくことが大切だと思っています。漢方製品だけでなく、日本の誇る技術力もどんどん応用していきたいですね。実は、中国から「生薬(漢方)」を仕入れていますが、日本で製剤粉や錠剤への加工を行っています。中国の方から、「加工技術がすごい!」と言われました。このことからも、日本製の漢方は、世界中の人々から注目されると確信しています!これからも、Wさん、引き続き、サポートよろしくお願いいたします!

服部将大 W fund パートナー
健康に対してより意識が高まっている昨今、体質を根本的に改善していくことができる漢方の魅力に、これまでより大きな注目が集まっています。自身も薬剤師である笹森さんは、漢方が大好きで、そして誰よりも漢方に詳しく、このビジネスに全力取り組まれています。徐々に応援する仲間も増え、ビジネスも拡大フェーズに入ってきています。W fundとしてこれからもpluskampoを全力でサポートさせていただきます!

梅園アマンダ W fund アソシエイト
漢方を知れば知るほど、漢方の奥深さに魅了されています。笹森さん自身のご経験に加え、漢方への好奇心や愛が詰まったpluskampoの商品が全国・全世界へ広まっていくことをとても嬉しく思います。また、毎月の定例では笹森さんのアイデア溢れた商品企画のお話がとても楽しみになっています。良い意味でpluskampoから目を離せません!pluskampo社にご興味を持ってくださった方はぜひぜひご連絡ください!

――ありがとうございました!これからも担当の服部、梅園とともに、W fundはpluskampo、笹森氏を応援いたします。

笹森有起
pluskampo株式会社代表、薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師。
青森県出身。 東北医科薬科大学を卒業し薬剤師免許を取得。調剤薬局での勤務を6年経験。 勤務薬剤師時代に漢方処方医の処方を2年間応需、漢方について学ぶ。薬局店舗マネジメント、人材採用の経験を経て、2018年調剤薬局経営コンサルの フリーランスとして独立。副業やフリーランスで働きたい薬剤師のコミュニティ(きょう りょく薬剤師®)を立ち上げ。その後、2020年に薬剤師専門の人材紹介エージェントに事業譲渡。2021年に「pluskampo株式会社」を創業、現在に至る。

服部将大
W fund パートナー
2008年、三井住友銀行入行。法人銀行業務を担当。2010年より、SMBCベンチャーキャピタルへ発足時メンバーとして出向。リーマンショック直後の厳しい投資環境下から一貫してベンチャー投資に携わる。2018年、日本とシリコンバレー でVC投資を行うDNX Ventures(旧:Draper Nexus Ventures)へ参画。SaaS領域での投資業務をメインに従事。これまでの主な投資先は、Kyash、ユニファ、スマートニュース、グッドパッチ 、チームスピリット、クックビズ、Hacobu、カケハシ、TableCheck、みんな電力など。これまでにIPO6社、M&A6社を果たす。全国のサウナ巡りが趣味で、サウナは週3日ペースで通っている。

梅園アマンダ
W fund アソシエイト
East Venturesなどを経て、2023年3月よりWに参画。 国内・海外の投資業務をはじめ、創業初期に課題となりやすい社内インフラ構築のサポートを行っています。起業家と寄り添い少しでも力になれることをモチベーションに、社会・人々にとって、気付けば必要不可欠になるようなサービス・テクノロジーを常に探しています。好きなことは、身の回りのモノを全て紫色にすることです。

取材、構成 株式会社TEA.M


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