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ガチ恋オタク

「ひまだから」なんて理由で微塵も知らないアイドルのライブに行っちゃって、メンバーの中から消去法で選んだだけのつもりの人間に間違って惚れちゃって、自分さえよければいいはずだったのにどこからか相手のことなんか慮ったりしちゃって、主導権は自分が握っていたかったのにいつの間にか自分のほうが振り回されるような形になっちゃって、気が付けば相手に依存さえもしてしまっちゃって、それまで誇りに思っていた自分のアイデンティティさえも崩壊しちゃって、自分が違う自分に作り変えられていくように感じちゃって、しかもそれがそれほど不愉快じゃなく思えちゃって、テキトーな人生を送ってきた自分にとって生まれて初めて体験するそんな心地よさが気持ちよくなっちゃって、その不愉快じゃないと感じること自体が逆に不愉快に感じちゃって、心地よさと気持ちよさにこそ苛立っちゃて、そんな生温い自分を許せないというような感情を抱きつつも恋を実らせるために特典券を握りしめちゃう。

そういうものに わたしはなりた…いわけないだろ!!!

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