文学トリマー【毎週ショートショートnote】
月に一度のラブちゃんのトリミングの日、待ち時間に併設のカフェで犬友のみなさんと会って、おしゃべりするのが私の楽しみだ。
「今日は新人トリマーの芥川くんが担当なの。オーナーの親戚で作家なんだって?」
私が言うと、北山さんは顔を曇らせた。
「あいつ先月、急にいい文章を思いついたからって、うちのコロちゃんを放っておいて書き始めたのよ!ひどいわ~」
「うちも!」南さんも話に入ってきた。「シャンプーの途中に!きなこが風邪をひいたらどうするのよ!」
えーっ、ラブちゃん大丈夫かな・・・心