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Poetry does not die

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Seiji Arita HP

初期の頃からの過去作品を中心に 公開しております 見て頂けたら幸いです

    • スカイツリーとウクレレ 《詩》

      「スカイツリーとウクレレ」 其の機能は全て  論理的で倫理的であり 其れに伴う取り扱い説明書と 保証書が添付されている スカイツリーはいつに無く 高くそびえ立ち 今もなお天高く  伸び続けている様に見えた 救世主教会の尖塔  頭頂部には其れが有り 地上の僕等を見下ろしている 街の路地裏は砂利で出来ており  草すら生えない荒地だった 其処には  無能、無知、馬鹿や偽善は 犯罪では無いと書かれた立札を見た 猫を連れた老人が路上で 反戦の詩を朗読して

      • 有り余る余白 《詩》

        「有り余る余白」 不自然な程の有り余る余白 形容詞の選び方や句読点の打ち方が 何処か微妙に ずれた文体の中に僕は居る 世間とは外れた場所で 僕の中の何かが進行している 少数者の為にある様な文章を好んだ 其れを読む人間なんて ほとんど居ない 誰かが僕に占いを信じますか  そう聞いて来た 僕は即座に興味は無いとそう答えた 其処に並べられた  とりあえずの道具に 特別な価値と力が あるかの様に話は進んで行く 僕は周りに居る登場人物を 立体的に見通し観察

        • 薔薇園 《写真》

          Photo : Seiji Arita

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        記事

          悪魔と青く深い海のあいだで 《詩》

          「悪魔と青く深い海のあいだで」 その水は何処までも 透明で純粋だったんだ それを知る者は誰も居ない 灯りすらない夜の闇  誰かの足音 くだらない 辻褄合わせに僕等は泣いている 銃声の音が聴こえますか また大切な何かが失われて行く 知らぬ間に 目隠しをしていた愛の調べ 不釣り合いな恋に 傷付くのが怖かった 水平線の向こうには 花は咲いていますか 僕等の話を聞いてください 貴方は今でも其処に居てくれますか それとも去って行きますか 愛してると言って

          悪魔と青く深い海のあいだで 《詩》

          Good Luck 《詩》

          「Good Luck」 ソファーで猫が眠っている アメリカンショートヘア バルコニーから夜の海  その上に琥珀色の月が輝いて 僕はワインの瓶を静かに開ける  そんな風景を信号待ちの サイドミラーの中に描いて 素敵な夜を想像していた 信号は青に変わり 僕はアクセルを踏み込む 時事的で複雑な 定義に溢れた街を走り抜ける 思想性は何処にあるの  助手席の彼女はそう僕に聞く 多分そんなもの何処にも無いよ この街には そう笑って答えた 彼女が手に持っていた

          Good Luck 《詩》

          Re : seto cafe 《写真》

          Photo : Seiji Arita

          Re : seto cafe 《写真》

          ハイボール 《詩》

          「ハイボール」 小さいけれど確かな幸せって 人は見逃してしまう 夏の夕暮れの風が心地良かったり あの娘が笑いかけてくれたり 確か前に  私は不適切な人間だと  あの娘は話してた 其れは社会に対してであり  また自分自身の心に対して 上手くコントロール出来無いんだ  そう言って俯いた 居場所がわからないと だったら此処に居れば良い 此処が君の居場所であり 僕の居場所だよ そう言って笑った  僕は人格にしても何にしても  もともと沢山の 問題のある

          ハイボール 《詩》

          iroherb cafe 《写真》

          Photo : Seiji Arita

          iroherb cafe 《写真》

          善導 《詩》

          「善導」 其れは無意味で 硬直した幻想でしか無い 四方を囲む幻の壁  其の中で僕は 単純で一面的な 発想の微笑みを浮かべる 疑心暗鬼を押し殺して 口に出すべき 事柄で無いものの中に真実はある 非論理的で無意味な心の通わぬ善導  僕は今日も異論はありません  そう笑って答える 世界の認識なんて知らない  社会の秩序だってどうでもいい お前達の事だって興味は無い 僕は自分の事だけで精一杯なんだ そう心の中で叫び続けていた 細かな具体的な行動原則が

          善導 《詩》

          ダイヤ 《朗読》

          ダイヤ 《朗読》

          ダイヤ 《朗読》

          琥珀のグラス 《詩》

          「琥珀のグラス」 物事の終わりは  いつだってあっけないものだ 世界は一定の原理に従い 然るべき方向に流れて行く 僕は夢の中の 彼奴の事を探し求めている 夜の闇は当たり前だけど暗いんだ 彼の歌う詩は  ひとりで聴くには悲しみが強すぎる 危うさが勝ち過ぎている 琥珀のグラスの中に想い出を留めた 僕が大切にしていたものは  彼の記憶だと気が付いた 妙にくっきりとした形の月と風の音 生の余韻にとどめをさす様に 僕は傾けたウィスキーのグラスに 深い沈黙を

          琥珀のグラス 《詩》

          龍の国 《詩》

          「龍の国」 金で買えない物なんて 誰も欲しがらない いつから俺は そんな世界の中に居るんだろう 神経が少しずつ狂い始める まだ死ぬには早過ぎる  理由なんて無い ただ漠然とそう思っただけだ 尻の軽い女と口数の多い女は苦手だ 買収される奴と買収されない奴 世の中には明日の来ない 今日だってあるんだぜ 教えてやろうか  それがお前の口癖 新月の闇  その中に あるはずの無い月の姿を探した 見世物小屋では 娼婦の足元に平伏して 口付けをせがむ男達を

          龍の国 《詩》

          忘却 《朗読》

          忘却 《朗読》

          忘却 《朗読》

          ALL YOU NEED IS LOVE 《詩》

          「ALL YOU NEED IS LOVE」 時の海の中にひっそりと漂う 今は無き物質と其の記憶が 長く白い砂浜を音も無く歩き続ける 彼女はまだ僕の中で歩き続けている 確か随分前にも君を見かけたよ 同じ時間に同じ場所で そう 話しかけたかった 微かな波の音が聴こえた 太陽は動かず時間は止まる 時々僕は彼女に出逢う  ふとした瞬間に 何処か遠い世界にある場所で僕等は 強く繋がれている 其の場所はきっと  お互いがお互いを 許し合う事の出来る場所 私

          ALL YOU NEED IS LOVE 《詩》

          鏡の中 《詩》

          「鏡の中」 ある種の鳥が 綺麗なビー玉を収集する 来る日も来る日も集め続けている 其れは世界を構成している精神性な ファクターであるかの様に ある結論をもたらす 大切な因子であるかの様に 僕の前では頭の狂った人間達が 其れにうなずいている 夜は足速に過ぎ去り  僅かな月明かりに照らされて 鏡がゆっくりと静かに光を持つ 其処に僕が映し出される しばらくして奇妙な事に気がつく 鏡に映る像は僕では無い  正確に言えば 僕の外見を持つ僕以外の誰かなんだ

          鏡の中 《詩》