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アパレル販売の人向けのちょっとだけ詳しめの商品知識です。以前から売り手とつくり手の溝を…

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アパレル販売の人向けのちょっとだけ詳しめの商品知識です。以前から売り手とつくり手の溝を感じてましたが、つくり手サイドの「どーせ、わかんねーだろっ、このこだわり」というあきらめ。「そんなもん売れなきゃ全然意味ねーんだよっ」という販売現場の現実。ちょっとくらい埋まるかもしれません。

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    ニットをわかるための色々です。専門的すぎない、ギリギリ日常的に役立つ内容です。

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    ホワイトハウスコックスについての記事です。

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コットンと「超長綿」について 〜「超長綿」について、なにかと少しだけ理解を進めてみましょう❶〜

アパレルの仕事に携わると「超長綿」という言葉は日常的に結構な頻度ででてきます。 コットンの洋服とかタオルなんかの素材として「希少でありがたいもの」として扱われていて、綿の種類の何かいいやつという印象です。 では「具体的になにがいいの(優位性は何か)?」と言われるとあんまりよくはわかってないかなというのが実情だと思います。 なにがどのくらい希少でありがたいんでしょう。 普段扱っているteeシャツ、シャツ、ニットの商品名に「〜コットン」 と書いてるケースがあります。 ガス

    • 『 いろんな仕上げ・加工のレザーシリーズ』とエイジング  ホワイトハウスコックス「ヴィンテージブライドル」シリーズについて⑥

      一般的にブライドルレザーはエイジング(経年変化)が楽しめる革という風によく言われます。 1番の理由はタンニン鞣しで表面加工の少ない革だからです。 革に加工を施すほど変化はおこりにくく、わかりにくくなります。 例えば、 ◉『ロンドンカーフ』 外側の革は「クローム鞣しのカーフに顔料による着色、型押し、レジン樹脂コート仕上げ」です。(ブライドルではないです) 経年変化はほぼ望めないですが、傷はつきずらく、発色の自由度高く、色抜け色移りもなく、メンテはあまりいらない。 内側のレ

      • 『ヴィンテージブライドル』と『第3世代フェイクレザー』を比べると ホワイトハウスコックス「ヴィンテージブライドル」シリーズについて⑤

        これまで随分長いこと『ヴィンテージブライドル』に関してやりました。 ・取扱い店が少ない珍しいシリーズ(ほぼ扱ってるお店がない) ・レザー自体が激レアで、独特でキャッチーな生産方法 ・説明が必要そうな見た目と価格 ということもあり、たくさん説明してしまいました。 最終的には「業務用資材みたいな革」というデメリット情報?と 疑うような内容になりました。 ・資材並みの厚さで堅牢性、耐久性のある革 ・装飾的な加工をいれてない、荒くもみえる素の革らしい見た目とエイジング ・ほぼ1

        • ごく厚の革と「フルグレインレザー」 ホワイトハウスコックス「ヴィンテージブライドル」シリーズについて④

          ホワイトハウスコックスの「ヴィンテージブライドル」シリーズに使われているのはイギリス「ベーカー社」のブライドルレザーです。 「オークバークタンニング」というかなりレアな製法で生産された革で、「鞣す期間」だけで1年を要します。なぜなら、 ❶、高級靴の本底の革 ❷、ホントのガチガチの馬具として使われてきた革  という「業務用資材レベルで堅牢性、耐久性、柔軟性のある厚みのある革をつくる」ために「漬け込みでじっくりタンニン成分を繊維に浸透させていく時間」が必要だからです。 と

        コットンと「超長綿」について 〜「超長綿」について、なにかと少しだけ理解を進めてみましょう❶〜

        • 『 いろんな仕上げ・加工のレザーシリーズ』とエイジング  ホワイトハウスコックス「ヴィンテージブライドル」シリーズについて⑥

        • 『ヴィンテージブライドル』と『第3世代フェイクレザー』を比べると ホワイトハウスコックス「ヴィンテージブライドル」シリーズについて⑤

        • ごく厚の革と「フルグレインレザー」 ホワイトハウスコックス「ヴィンテージブライドル」シリーズについて④

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        記事

          靴の底材用の革と馬具用の革 ホワイトハウスコックス『ヴィンテージブライドル』シリーズについて③

          前回、“ホワイトハウスコックスの『ヴィンテージブライドル』のレザーはめちゃめちゃ手間と時間がかかる「オークバークタンニング」という生産性が相当低いつくり方をわざわざやってる“という説明をしました。 ドラムを回せば「クローム」であれ「タンニン」であれ、24時間でも可能な『鞣しの工程』を1年間かけてやってます。 (私たちは「手間、暇かかったすごい革なんだな」くらいですが、つくり手側にしてみれば、「場所はいるし、設備管理必要だし、人手はいるし、時間はかかるし、と、ほぼいいことなし

          靴の底材用の革と馬具用の革 ホワイトハウスコックス『ヴィンテージブライドル』シリーズについて③

          時間と手間と「オークバークタンニング」  ホワイトハウスコックスの『ヴィンテージブライドル』シリーズについて②

          前回、W・H・COXの『ヴィンテージブライドル』シリーズのレザーについて少し説明させていただきました。 せっかくなのでもう少し理解を深めて、ちょっと応用のきく知識にできればと思ってます。 お店の私たちが何か新商品の説明を受ける場合、当然ですがピンポイントにその商品に関して 「どういうもので、何がすごくて、どこがセールスポイントなのか」 というような内容で説明されます。 もちろんそれはそれでいいですし、納得感も十分あります。 が、なんかちょっとだけモヤっとしたものが残った

          時間と手間と「オークバークタンニング」  ホワイトハウスコックスの『ヴィンテージブライドル』シリーズについて②

          オークバークタンニングって何? ホワイトハウスコックスの『ヴィンテージブライドル』シリーズについて①

          先日より、ホワイトハウスコックスの取扱商品が圧倒的に増え、 国内で他での取扱がほぼないシリーズをたくさん扱うようになりました。 中でも特に推しているのが『ヴィンテージブライドル』というシリーズです。 グリフィンインターナショナル様からも先日改めて商品説明いただきました。が、『ヴィンテージブライドル』の何がすごいのかをもう少し補足しようと思います。 それにはまず、ブライドルレザーというのがイギリス名物のロウ引き(加工)革だということがわかってないといけません。 イタリアと

          オークバークタンニングって何? ホワイトハウスコックスの『ヴィンテージブライドル』シリーズについて①

          防水スプレー何のため?③ 〜水を防ぐ?汚れを防ぐ?「モブレイ」と「ジェイソンマーク」違い、使い分け〜

          前回、うちで扱う防水スプレー ・モブレイ『プロテクターアルファ』 ・ジェイソンマーク『リペル』 の特徴を説明、比較しました。 同じフッ素樹脂系の撥水スプレーですが、この二つにはそれなりに違いがありそうです。 効果も使い方も似てるのですが“乾燥時間の大きな差“を考えると単純にモブレイの方が使い勝手は良さそうです。 二つの「使い方とこだわり」についてさらに紹介してみます。 ◉モブレイ『プロテクターアルファ』その撥水効果も (うまく撮影できなかったので、外部のものに頼り

          防水スプレー何のため?③ 〜水を防ぐ?汚れを防ぐ?「モブレイ」と「ジェイソンマーク」違い、使い分け〜

          防水スプレー何のため?② 〜モブレイ『プロテクターアルファ』とジェイソンマーク『リペル』〜

          うまく使えば靴なんかのメンテナンスにはとっても便利な 『防水スプレー』についてです。 前回の内容は 「防水スプレー」の基本として で、さらに実際使う時に大事なポイントは でした。 補足すると、スプレー前も後も「乾燥してないとダメ」ってことは 「急に雨に降られてこれ以上濡らしたくないからといって、急遽、防水スプレーを購入して、靴やバッグに吹きかける」 「玄関に防水スプレーを置いておいて、ドアを開けたら雨だったから出る直前に靴・アウターにスプレーする」 みたいなこ

          防水スプレー何のため?② 〜モブレイ『プロテクターアルファ』とジェイソンマーク『リペル』〜

          防水スプレー何のため?① 〜防水と撥水、フッ素とシリコン、使い方と大事なこと〜

          気候変動のせいなのかここ数年、突然の雨みたいなことが多くなってきてます。 今回は把握しておくと洋服、靴、服飾雑貨周りに安心で上手に使えるようになる「防水スプレー使いのポイント」をザクっとまとめておきます。 まず、 1、撥水と防水の違い普段から「防水スプレー」という言葉をみんな使っていて、「防水スプレー」という名前の商品もたくさんあります。が、そういったもののより正しい名称は「撥水スプレー」です。 撥水 水を弾く(染み込まない) 防水 水を通さない(例え表面上染み込んで

          防水スプレー何のため?① 〜防水と撥水、フッ素とシリコン、使い方と大事なこと〜

          靴のサイズ、足のサイズと捨て寸問題③ボールジョイントと3つのアーチ (靴のフィッティングについて)

          前回までの話で 靴の『サイズと捨て寸』について調べてみると、いろんな考え方があり過ぎて 「捨て寸(つま先のゆとり)っていったいなんなの?結局、どのくらい必要なの?」 とますますわからなくなり、実はどうやら 「捨て寸より大事なポイント」があって、それが 「かかととボールジョイントの距離(位置)」です、 というところまでいきました。 ちょっと難しい話になりかけてますが、しょうがないのでここまではいこうと思います。 [ボールジョイントとは] ・足の指の付け根関節のこ

          靴のサイズ、足のサイズと捨て寸問題③ボールジョイントと3つのアーチ (靴のフィッティングについて)

          靴のサイズ、足のサイズと捨て寸問題②捨て寸よりも大事な場所は? (靴のフィッティングについて)

          前回、「靴の捨て寸はどのくらい必要か?」を色々調べてみると ①一番スタンダードな、1.0〜1.5cm必要 ②ハンドメイド時代から伝わる成人最小(22cmくらいの足)で2.5cm必要、足の大きさに応じて同比率の長さが必要 ③足の実寸の10%分の長さ必要(26cmの足なら2.6cm) ④足をキチッとホールドできてれば捨て寸そんなにいらない。0.5〜1.0cmくらいでもいい “①〜④みたいな色んな考え方が見つかり、ますます何が正しいのかわからなくなる“というところで終わり

          靴のサイズ、足のサイズと捨て寸問題②捨て寸よりも大事な場所は? (靴のフィッティングについて)

          靴のサイズ、足長と捨て寸問題①どのくらい余裕あればいいのか?(靴のフィッティングについて)

          「靴のサイズ表記っていったいどうなってんの?」についてこれまであーだこーだ説明してきました。 「日常的な疑問で、かつはっきりしないこと」だったはずなのでどんな感じかわかっただけでもよかったと思ってます。 が、実は「靴のサイズ」を取り上げといて「フィッティングについて」は全然触れてません。 なぜかというと「ハードル高くて取り上げ辛い」と言うのが本音です。 とても専門性が高くて、プロ的な人たちも多く、意見の分かれる分野です。 <例えばよりプロ的なシューフィッティングの人

          靴のサイズ、足長と捨て寸問題①どのくらい余裕あればいいのか?(靴のフィッティングについて)

          パンプス・サンダルの“イタリアサイズ“は世界共通〜女子の靴のサイズはさらにナゾ④〜

          前回 女子UA(BY)オリジナルシューズ(国内企画、国内生産の靴)は ・EUサイズ表記(36とか37 1/2とか) ・実際のサイズどりは“等差1.0cm(ハーフ0.5cm)“で設定 ということを確認しました。 こんな感じです。              さらにオリジナルだけでなく仕入れの国内ブランドのシューズも ほぼ同様の「サイズ表記、サイズどり」を採用しいてます。 こんな感じ。     ①    ②        デザイン、靴の形状によって同じ“36

          パンプス・サンダルの“イタリアサイズ“は世界共通〜女子の靴のサイズはさらにナゾ④〜

          36とか37 1/2とかのヨーロッパ表記のパンプスやサンダルのサイズ?〜女子の靴のサイズはさらにナゾ?③〜

          さて、今回は「どうしても触れておかなければ」な内容です。 サイズ 35 1/2 EU表記 [日本製]です。 日本のJIS規格の表記は「メートル法でcm表記:足入れサイズ表記」です。 例えばこれです。          ですが、UAの女子靴のオリジナルは最初の画像のように日本企画・日本生産ですがEU表記を採用しています。 これは洋服もヨーロッパサイズ表記を使っているのと同様、印象・イメージの問題だと思われます。(洋服のサイズ “34、36、38“が実はヨーロッパ表記

          36とか37 1/2とかのヨーロッパ表記のパンプスやサンダルのサイズ?〜女子の靴のサイズはさらにナゾ?③〜

          シューズ対応表、換算表もいろいろあって、、〜女子の靴のサイズはさらにナゾ?②〜

          続きです。 下画像❶❷❸はいずれも男女別の靴の海外サイズ換算表です。 比較するため25.0cmを枠で囲ってます。 ❶ ❷ ❸ この❶、❷、❸の換算表ではいずれも25.0cmの ・海外表記が男女で違う ・❶❷❸の表同士で比較してもそれぞれ表記が少し違う (特に女子の方がばらつきが大きい) 一覧にするとこんな感じ。 どれかが間違ってるというような話ではなくて、それぞれ何かしらの根拠に基づいて作成された換算表だと思われます。 こんなにバラバラになってしまうのは

          シューズ対応表、換算表もいろいろあって、、〜女子の靴のサイズはさらにナゾ?②〜