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ラマダンの夕食会に招待されました!

2024年のラマダンは3月10日から4月8日までの約一か月であるが、その間は世界中のムスリムたちは断食をする。
断食と言ってもまったく食事をしないのではなく、日中だけ一切飲み食いをしないというものである。
だから彼らは日の出前に朝食を済ませ、日没まで空腹をこらえる。
そうすることでお互いに信仰心を深めて、貧しい人たちへの共感を感じられるようにするのである。

ラマダン明けの夕食のことを「イフタール」というのだが、今回のこのイフタールについて書こうと思う。

近年、東広島市ではムスリムの人口が増加傾向にあり、出身国ごとにコミュニティができつつある。
その背景には広島大学とJICAの政策があり、途上国からの様々な留学生を受け入れるようになったからだ。
しかも国費留学や現地政府の官庁から派遣されてくる人など高度な学術的知識を持った人たちばかりである。

僕自身は広島大学に縁は無いものの、広島に来た時からイスラム圏から来た留学生たちとつながりがあったことから今回のイフタールに招待してもらうことができた。
主催はバングラデシュ人コミュニティであるが、パキスタンやシリアから来た人も混ざって総勢100人くらいの大きなイベントだった。

現地と同じく人口密度高め


食事がずらり


夜になると広島のあちこちから多くの人が集まってきた。
ちなみに日本人は僕も含めて4人しか来ていなかった。

まずイフタールは日没の18時30分から始まる。
その間、18時になったら前菜?としてデーツ(ナツメヤシを砂糖漬けにしたお菓子)を食べ、それから手足を洗って礼拝をする。

礼拝が終わるといよいよ食事の時間。
バングラデシュ人たちのイフタールなので出された食事はチキンビリヤニ(炊き込みご飯)と日本で言うかき揚げみたいな揚げ物、さらにゆで卵カレーの三品だ。自分にとっては去年の夏にバングラデシュを訪問した際に毎日食べた懐かしい味だ。

イフタールの食事

スパイスが効いていて辛かったが、おかわりをするくらい美味しかった。
お米ももちろん現地のものと同様にインディカ米で細長くて粒々感のある品種だった。

ちなみにイフタールで特徴的なのは男女で礼拝と食事の部屋を分けることである。
男性は男性たちだけで礼拝および食事をするし、女性もまた同様である。
イスラム社会では夫婦と親兄弟などの親戚を除いて、男女間はしっかり線引きをする。
近年はイスラム諸国の女性も西欧化してきているらしいが、まだまだ伝統的な価値観が残っている。もちろん結婚するまで処女・童貞が基本である。
だから僕は話相手のムスリムがどんなにフレンドリーでプライベートな質問(彼らは初対面でも根掘り葉掘り聞いてくる)をしてきたとしても、僕の方からは恋愛とか女性に関する話題は出さない。
もし相手からその話題を出されたら距離感に気を付けながら会話をする。

ここの距離感を間違えると親友と言えるような仲でも、一気にその関係にひびが入るからだ。
ムスリムにとって男女関係の話題はまだまだセンシティブなのである。
相手が話題に出すまでは触れない方が無難である。

食事の後、僕を今回のイフタールに招待してくれたホサインさんと一緒に他の参加者たちとおしゃべりをした。
やっぱりみんな寛容な心を持っていて、とても大らかだった。
ムスリムのコミュニティに行くとそこにいる日本人はほとんど僕だけだが、なぜだかアウェー感を感じない。

彼らの寛容さは自分自身も人間として見習いたいところである。
さあ明日から仕事だ。

社会人をやっていれば多くの理不尽で腹の立つ場面に遭遇する。
そんなときは「そんなこともあるさ」と受け流せるだけの心の余裕を持とう。

そして、なんとか無事に社会人3年目を迎えることができた。
本当にAlhamdullillah(アルハムドゥッリラー / おかげさまでどうもありがとう、の意)である。


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