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可愛がられ分析。



 私の場合、看護師さんたちに「よくしてもらった」より「可愛がってもらった」の方がしっくりきます。どうして可愛がってもらえたのか。理由にいくつか心当たりがあるので、分析してみたいと思います。
 突然ですが、看護師さんたちのことを書いたら書きたくなったので。やってみます。

その1、幼い

 可愛がってもらえた理由として、これが1番大きいと思っています。入院当時、私は22歳。同じ時期に入院している人を見る限り、断トツで若かったです。おそらく私はどの看護師さんから見ても年下でした。高齢の患者さんに混ざる22歳は、ほぼ子ども。敬語を使わず親しみを持って接してくれる看護師さんが多かったし、私はそれが嬉しかったです。
 そして手術の影響でかすれた小さな声しか出なかったので、話すときにある工夫をしていました。それは、とにかく簡潔に話すこと。です・ますは使わず、特に手術して間もない頃は単語~3語文を駆使して話していました。頷きや首振りは大きく、指差しやジェスチャーも使う。その結果、子ども感が倍増していました。
 ぬいぐるみを持ってきていることでも、幼さポイントが加算されていたと思います。昼間は病室の入口から見える位置に、寝るときはベッドの上にぬいぐるみ。穏やかに過ごすことを優先した結果、幼さ全開になっていました。
 ここでエピソードをひとつ。きつねのぬいぐるみを見て、「ねこ?」と聞いてくる看護師さんが何人かいました。そんなときは首を大きく横に振って、「きつね。」と一言。今冷静に考えても、子どもすぎます。

その2、話しやすい

 入院して早い段階で察したのですが、おそらくカルテの目立つところに「〇〇大学△△学部」と書かれていました。医療従事者の場合、「この患者さんは注意」とカルテに記載されることがほとんどです。説明をしっかり理解できてしまうので慎重に、という意味合いで書かれるのではないかと私は考えています。学生でもマークされることがあると初めて知りました。
 医療福祉系の学部だったので専門用語が分かるし、看護師さんの動きも何となく知っています。でも学生なので、医療従事者として働いたことはありません。必要な部分は理解できるけれど、経験に基づく知識や考え方はほとんど持っていない。この「知識はあるけれど経験はない」という私の立ち位置が、看護師さんにとって扱いやすかったのではないかな、と思っています。
 そして、学生時代のことや国家試験のことなど、看護師さんが話のネタに困らないのでたくさん話してもらえました。初めて会う患者さんなら、「この人は何が好きなのかな。」「どんな話なら乗ってくれるかな。」と考えて、探り探り話すでしょう。でも私の場合は、学部名を見ただけでどんな経験をしてきたのか分かります。時間をかけてその人について理解するのも楽しいですが、初対面で話のネタに困らないのもきっと大切です。

 1日の中で楽しみにしていたのは、ご飯の時間と看護師さんと話す時間でした。「今日は誰かな。」「もうすぐ来るかな。」と、看護師さんが来るのを待ちわびていました。色々な看護師さんにたくさん可愛がってもらって。看護師さんたちのおかげで、寂しいと感じることなく入院生活を送ることができました。


▽ まとめ


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