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"好き" を仕事にしたはずだった。

「好きなことを仕事にしようぜ〜」なんて、数多くのメディアが謳っているもんだから、信じてしまったではないか。

わたしは、やりたくないことに時間を使うことがめっちゃ嫌いな性格だ。

だから、大学三年生の1月、就職活動ピーク寸前という大事な時期に、選考中だったすべての企業を辞退した。経済学部出身だが、銀行で勤める気もさらさらなかったし、ましてや営業職なんて無理。無理〜!と思ったことが要因で、どうせなら好きなことを仕事にしちゃおーう!という突発的でPOPな心の声に従ってみた。

以前からデザインに興味のあったわたしは、半年間の専門学校に通ったのち、運よく新卒でWEBデザイナーとして雇ってもらった。

だが、実際に働いてみると生まれてくる違和感。
好きなことを仕事にしたはずなのに、なぜ仕事が楽しくないの?
入社してたった一年、この職業を貫くことはできないと悟った。

***


そして入社三年目の今、このモヤモヤする疑問に答えを導き出してくれたのは、この記事だった。


そうかわたしは、好きを仕事にすることの本質が掴めていなかったのだ。

わたしが好きなのは「デザインを観察すること」だった。
パッケージ、チラシ、ホームページ、媒体問わずいろいろなデザインに触れる時の、心が躍るような感覚が好きなだけであって、実際に自分が手を動かして、何かをデザインする作業が好きなわけではなかったのかもしれない。


「自分が好きな作業を仕事にする。」
これが、好きなことを仕事にすることの意味であって、本質だった。

***

学生時代は、飲食店のホールスタッフ、個別指導塾の塾講師、和菓子の販売員、本屋のスタッフとして働いた。

とくに飲食店では、イタリアン(4年)、カフェ(1年)、スペイン料理(1年)、和食料理(半年)、居酒屋(半年)、と、数個を点々とした。なぜ四年間も続けられたかと言うと、やっぱり作業自体が好きだったからだ。

友達に理由を話すと、毎度「え?」と懐疑的な目で聞き返されるのだが、わたしは「できあがった料理を見ること」自体が好きなのだ。だから、プリティで耽美なお料理たちを、わたしがお客様のもとへとサーブしたかったのだ。。


さてお次、個別指導塾の塾講師はどうだろうか。
大学生活のたった4年間という間に、8つものアルバイトを経験したわけだが、一番やりがいを実感できたのは、塾講師のアルバイトだった。

主に中学生の英語と国語、高校生の古文を担当していたのだが、生徒たちがみ〜んなかわいいのなんの。一人一人に合わせた教え方、話題、接し方、色んなことを自分なりに工夫して、かわいい生徒たちと向き合える時間は至福そのものだった。塾講師のアルバイトにやりがいを感じた理由はたくさんあるにせよ、第一に「勉強を人に教えること」が好きな作業だったから、楽しく続けられたのだと思う。

わたしが担当しなければ、頑なに授業に出ないと言い張る生徒がいた。その子のために、たった1時間の授業のために、塾へ向かうこともしばしばあった。いつもは時間効率を優先するわたしだけれど、その1時間に対して後ろ向きな感情は一切なくて、むしろその1時間を楽しみにしていた。たとえ一時的なものであったとしても、いくらでも代替が利く世の中で、誰かに必要としてもらえるって、幸せなことだよなぁ。

***

就職する前はさ、今の会社で、今の職業で、何十年先まで働くんだって意気込んでいたのよ。だって、好きなことを仕事にできた!って思ったし。でも実際そんなことはなくて、今年の秋に会社を辞めて、オーストラリアに行こうとしてるんだもん。

でも、行動しなきゃこの違和感には気づけなかった。デザイナーという職業に憧れたまま人生を終えていたかもしれないし。やりたくないことはやらな〜い!って、内定を辞退して、専門学校に通って、その職業で就職してさ、あの時行動したから気づきを得られたのよね。何もしないより、とりあえず行動に移してみちゃう。それが案外大切なことだったりしちゃう。

他人に嘘をつくのが苦手なわたしは、自分の気持ちに嘘をつくこともめっぽう苦手だ。先のことなんて全く分からないけれど、"今" やりたいことに忠実である方が、自分らしくいられる気がする。きっとこの先も、たくさん寄り道はしちゃうんだろうけど、その道にしかない珍しい草花でも摘んでいきましょ。


さて、どうなるかな?わたしのこれから。
もし本当に ”好き” を仕事にできたのなら、もっと華やかに、愉快になるのかな。

いやいや、自分の "好き" を探しにいくのよ、今から。自分の手で。
もうすでに、その答えは手中にあるのかもしれないけれどね。確かめにいくのよ。楽しみだね。


Thank you for taking your time to read it :)


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