連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』二章 喫茶店のママ(三)
「そやっ、家におってもきゅうくつやろ。気分転換に、しずちゃんとこでも行こや」と西本にさそわれた順平はそれもいいなと思った。
「そやな、お前のおごりやったら付き合うてやるわ」
順平は、私鉄沿線の住宅街に住んでいる。自宅から最寄り駅までは歩いて十分程度だ。駅前は少し賑やかで数件ある店舗も、客を飽きさせないようにそれぞれのオーナーが工夫している。喫茶店が一軒あって、ときどき順平と西本が暇つぶしに訪れたりするのだ。
ふたりにはもう一つ目的があって、美形の静江ママの顔を拝んだり冗