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いつ、どうやってアートディレクターになるの?【ゲーム業界】

いつ?それは突然やってくる

必要になったその時、準備できてそうな人が急に任される。
って感覚が一番近い。

そう感じるのは筆者がそうだったから。
アートディレクターって職自体が所属不明で独立して見える。
故に明確なキャリアパスがステルス化してるから余計に
「え?今っ!?」って感じになりやすい。

アートディレクション部みたいなのも聞いたこと無いし。
アシスタントアートディレクターって職もまた無い。と思う。

順番待ちで「そろそろ出番ですよ。」って背中を叩かれて
「待ってました!じゃ、行って来ますっ!」なんてケースは
無いんじゃなかろうか。

ただ、ホントにいつ来るか読めないドッキリ的な感じではなく
「なんか来そう」って出来事はあったりする。

・アートディレクターが複数掛け持ちでパンクしてる
・どこかのセクションでディレクションを託されている
・小さめの新規プロジェクト発足(新任ADに丁度いい感じ)
・アートディレクターの退職(これ一番困る)

なんか来そうな出来事

などが「なんか来そう」を発する出来事。

「なんか来そう」って思うアナタはすでに、何となく周囲の
期待をうっすら感じてたはず。
自分もまんざらでもないぜって動き、雰囲気は出してたはず…
お互い言えばいいのに。

そんな変な読み合いみたいなのを経て、上のようなタイミングで
何とかしてくれそうな人にお鉢が回ってくる。
ただ、そのタイミングが突然に感じるだけ…


少しエヴァっぽい?

エヴァのゲンドウ的無茶振りが似てる。
「ならないならば帰れっ!」とまでは言われないけども。

ただこのゲンドウとシンジのやり取り、全く何の根拠も無く
無茶振りしてた訳でもない。
少なくともシンジくんならできるって読みがあったはず。

実際、シンジくんの心の準備意外は色々整ってたわけで。
ただゲンドウさんは色々サボってたから…
親子関係投げ出さずにNERVでやってることをシンジくんに
説明してあげて父の背中を見せてりゃよかった。

もしかしたら‥

ゲンドウ「やっと出番だ、シンジ!
シンジ「おうっ!任せな父さん!

という島本 和彦的、熱血アニメっぽい展開もあり得たかもしれない。
そんなエヴァ観たか無いけど。

アートディレクターはエヴァと違って血統とか思春期限定って制約は
なく、準備が整ってれば誰でも任される可能性がある。


どうやって?それは指名制

やりたい人ぉー!」って募集がかかることも無い。
なもんだから「やりまぁーす!」って挙手することもまたない。
じゃどうやって?

さっきお話ししたようなタイミングでご指名するには、その時選んでたら遅いわけで…
予め周囲は候補者の目星くらいは付けているもの。
シンジくんと同じクラスの同級生みたいなもの?
でも他のクラスの人じゃダメかも。

なので、まずは候補者にならねば。
そのポイントを以下に。


候補者になるポイント

前提として、
実務でのアウトプット水準が高めで安定している
必要はあります。
その上で以下のようなポイントを抑えられているとお願いしたくなります。

■対人(”たいじん”ではなく”たいひと”と読みます)

・自分の話しより先に人の話しを聞く
・人に嫌な感情を持たせるような否定的、断定的な話しをしない
・言いにくい内容を話す時も絶対怒らず理路整然と語る
・ミーティングやチャットには積極的に参加して発言する
・意図通り事が進まなくても、分析して対案もセットで出す
・後輩を〜くん、〜さんを付けるか最低限あだ名で、人を呼び捨てにしない

■頼られる

・ヘッドホンしっぱなし作業はしない(話かけやすい状態)
・頼られることを器用貧乏と思わず喜べる
・頼られる→叶える→信頼を得る→自分からも頼りやすくなる循環を知ってる

■自分を押し売りしない

・自分の意見が正論と思っても異なる意見をないがしろにしない
・自分のやりたいことよりやるべきことを優先する

■イベント毎や飲みの場が好き

・仕事の枠を越えて人付き合いができる(お酒を飲まなくてもいい)
・お客さん、他社の人、前職の同僚など自然に人脈ができる人
・幹事をやらされがちな人、幹事がうまい人

と結構多くなってしまった…
コレってアートじゃなくてビジネスとして考えると特段スゴいことじゃないように思う。


つまり、


一言で言うと
”アーティストとビジネス感覚(一般的な社会人)を兼ね備えた人”
ってこと。

でもコレってアートディレクターに限った話しじゃなくて、社会人全般に求められるレベルの話しだと思う。そんな難しい話ししてないよね?

デザイン職の人間って何故かデザイナーだから仕方ないっすって雰囲気でビジネス面無視しがちな人も多い。しかも悪気なく。
それが病気というなら無理強いできないし、逆に考えてあげなきゃって思うが。デザイナー、アーティストって病気では無くて、たかが職能の1つでしかない。
たかがと言ってしまったけどたかがって思えるくらい柔軟に考えて欲しい。

皆んなが
”アーティストとビジネスセンスを兼ね備えた人”
だったらアートディレクターって珍しい存在じゃなくなるでしょ?

何も特別なもんじゃ無くて役割りの1つに過ぎないんだから。
だからちゃんと↑をやってればアートディレクターの希少性は薄まって行く気がする。それって、今の自分にとっては死活問題のような気もするけど長い目で見たらそんな事もない。

自分の仕事を安売りしたいわけじゃないし、むしろアートディレクター達の中でこの人じゃなきゃってさらに指名されるような状態が美しい。
なかなかそうは行かないけど…
広告業界なんかはそんな形に近いように見える。だからゲーム業界だって無理ってことはないでしょう。

もうちょっとADの仕事が認知されて、特別なもんじゃないって分かって貰えたらいいのにと、その一助になればと思って書いてます。

広告業界のアートディレクターとはきっと違うし業界自体がまだ未成熟なのでしょう。キャリアパスやアートディレクターの中でもバックボーンの違いから一律に基準も作れなかったりするし。
結局は、それぞれ得意とする分野を軸足に我流でいいのです。

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