あいこ@小説編集者

フリーランスの小説編集者。 小説の編集歴20年以上。 講談社、白泉社、ハーパーコリンズ…

あいこ@小説編集者

フリーランスの小説編集者。 小説の編集歴20年以上。 講談社、白泉社、ハーパーコリンズ・ジャパンなどで 100冊以上出版。 ジャンルはエンタメ、ファンタジー、恋愛、BL、TL小説。 https://aikonovels.hp.peraichi.com

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本当に読者に届く小説の書き方とは?

1.自己紹介 出版社って、閉ざされた世界ですよね。 本や電子書籍が出版されているのは知ってるけど、 数々の新人賞や小説の賞もあるけれど、 その裏側って実はほとんどの人が知りません。 私はフリーランスの小説編集者です。 小説の編集歴は長く、20年以上になります。 主にライトノベル、恋愛小説をメインに編集をしてきました。 出版の裏側は実はあまり面白いものではないのですが(笑)、 アマチュアの方たちがああでもないこうでもない、 と出版や賞へ向けて、そして読者に届けるために試

    • 講評してる作家さんの書籍化が決定!

      いや~、めでたいですね! たまたまなんですが、講評してる作家さんの 書籍化が決まりました! しかも講評した作品の書籍化。 素敵な作品なのですが、修正点ビシバシ書いちゃったよ……。 担当編集者とまったく意見が違っていたらどうしよう……。 いやまぁ、読み方は人それぞれだし! と、講評したからといって私は何も 関係していないのですが、それでも嬉しいものですね。 書籍化は作家さんの一つの大きな目標ですので、 その喜びを私も一緒に味わってしまいます。 さて、今回は「書籍化への近道」

      • 投票結果の発表♪

        アンケートにご投票いただきまして、 ありがとうございました! 1週間近くたちましたので、現時点での 投票結果を発表したいと思います。 入門編  魅力的な小説の書き方の基本 10% 上達編  自分の個性を把握して、小説の技術アップ 30% プロを目指す編  読者を意識し、実践的なアドバイス 35% 恋愛小説編  ラノベ、BL、TLで人気作家を目指す 25% こんな結果になりました。 投票がまだの方はぜひこちらから ↓ ご投票お願いします。 いや~意外でしたね! 「

        • 小説を書くレベルの話

          小説を書く人のレベルって 本当にさまざまなんですよね。 プロ作家にももちろんそれはあって、 プロになりたての新人作家とか、 何十年もやってきたベテラン作家とか、 プロの中でもレベルがあります。 私は今、アマチュアの方向けの講評サービスで いろいろな方の小説を読んでいますが、 全体的にわりとレベル高め、プロ作家並みの力量を持つ方も多いです。 とはいえ、「初めて小説を書きました!」という人から、 「もう20年以上書いています」という人まで、 経験も年数も人によってだいぶ違い

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        本当に読者に届く小説の書き方とは?

          恋愛小説は「感情移入」が肝という話

          女性向けライトノベル、ティーンズラブ、ボーイズラブ。 どれも女性読者が主人公に「感情移入」して読む小説です。 だから、共感性の高い主人公、感情移入できるヒロインが大切です。 そんなのわかってるよ! ……と、思うかもしれません。 ライトノベルや恋愛小説を書く上では 基本の「キ」ですから。 だからみなさん、共感性の高い、魅力ある主人公を 作ろうと、そして動かそうと頑張っていると思います。 が、深い意味で理解している、という人は 実は少ないかもしれません。 それを感じるの

          恋愛小説は「感情移入」が肝という話

          冗漫や冗長って、どう直したらいい?

          「小説が冗長です」とか「無駄な部分が多いです」 などと言われた場合、どうしますか? プロ作家でも、改稿の際に直すのは、 この「冗長部分」というのがトップ5に入るくらい、 やはり多いですね。 作家さん本人ではたぶん、気づかないことが 多いんじゃないかな~と思う、「冗長」。 「冗長」ってなに? とまずは基本的なところから ご説明しましょう。 読者が読んでいて 「えー、つまんなーい」「退屈~」 「なんかダラダラしてるから、読み飛ばしちゃえ!」 って思うところです。 もちろ

          冗漫や冗長って、どう直したらいい?

          自分で自分をプロデュースする時代

          アマチュアの方の小説の講評サービスをするように なって気づいたことは、みなさん結構、悩んだり迷ったり しているのだなぁ……ということです。 いや、もちろんプロの作家だって日々悩んでますよ? どの出版社で書いたほうがいいか、 どの設定がいいか、販促はどうしていこうか…などなど。 けれども、プロ作家は基本的に自分の道は 自分で決めていかなければいけない、というスタンスでいます。 まぁいうなれば「自営業者」みたいな感じというか、 「一人起業家」みたいなものというか。 今は情報

          自分で自分をプロデュースする時代

          あなたの作家としての個性を見極めます!

          今年1月から始めた 「プロ編集者が、あなただけの個性や魅力を発掘します」 というこちらのサービス。 長編小説の場合は5作品ほど読んで、強みと弱みを見極めて、 今後の方向性のご相談に乗る、というものなのですが、 意外と好評のようで、ご感想をいただいたので こちらにもリンクを貼っておきます。 詳しいやりとりの掲載の許諾をいただいたので、 いろいろ書きたいところではあるのですが、 それは後日にさせていただきまして、今回は 私のほうでも感想を書いていきたいと思います。 一人の作

          あなたの作家としての個性を見極めます!

          プロ作家とアマチュアの一番大きな違い

          プロ作家とアマチュアでは確実に大きく 違うことが一つあります。 それは何かというと―― 自分が書きたいものと読者が読みたいものは違う ということをわかっている ということです。 書きたいもの=読みたいもの であることは、非常にまれです。 正確に言うと、完全には一致していない、ということです。 もちろん、物語の大枠、大きな部分は合致していないと、 すり合わせることすら無理なのですが、 細部やちょっとした方向性などが、 書きたいものと読みたいもので違っているのは通常です

          プロ作家とアマチュアの一番大きな違い

          Q&A 絶対にプロット通りに書かないとダメ?

          プロットについては、前にも記事を書きましたので、 プロットの書き方について知りたい! という方は、 ぜひこちらから読んでみてくださいね。 さて、今回はプロットを作った後の話、 プロット通りに書くか書かないか、 について話したいと思います。 というのも今、プロット通りに書かなかったために、 大変なことになってしまっている作家さんがいるためです(笑)。 アマチュアの方はたとえプロット通りに 書かなかったとしても、出来上がりが違った、 というだけで大問題にはならないかもしれま

          Q&A 絶対にプロット通りに書かないとダメ?

          Q&A プロ作家になりやすいジャンルってありますか?

          小説を書く時に、「ジャンル」って大切ですよね。 もちろん、私の作品は無ジャンル、 ジャンル分け不可能だわ! というものもあるかもしれませんが。 しかし、ジャンル分けできないとなると、 どうやって売ったらいいか難しいところもあります。 出版は、読者ありきです。 読者がいなきゃ、買ってくれる人がいなきゃ、 本が出せないんです。 すばらしい商品を開発しても、 誰も買ってくれる人がいなければ 商売が成り立たないのと同じです。 とんでもなくいい食品ができたけれども、 お菓子でも

          Q&A プロ作家になりやすいジャンルってありますか?

          電子書籍と紙書籍の違い

          電子書籍と紙書籍では、作る際に、 最初からコンセプトや作り方が違います。 紙書籍は大体が電子書籍として売られていたりしますが、 電子書籍は必ずしも紙書籍になるとは限りません。 つまり、電子のみで売られている作品も多くあります。 電子のみで売る作品と、紙&電子で売る作品。 編集者の中では、それは明確に違いがあります。 まずは、電子書籍は簡単ですよね。 個人でもkindle出版できてしまうくらいなので、 印刷する手間もないし、各書店への物流もない。 ですので、気軽に作れる

          電子書籍と紙書籍の違い

          講評で気をつけなければいけないこと

          小説の講評って、実はちょっと難しいと思いませんか? だって、「この小説は良い」「この小説は悪い」 ……そんな風に良し悪しがはっきりしてるものでは 本来はないですよね、小説って。 確かに、「万人受けする」「万人受けしない」 という作品の違いはあるかもしれませんが。 小説を読んでいると「これは駄目だな」 「これはすごくいい!」と、今までの編集経験から 照らし合わせて、良し悪しが見えてくるのも事実です。 そしてそれは往々にして、「出版」ということを考えると 当たっていることが

          講評で気をつけなければいけないこと

          売れる小説を作るテクニック ~隙間を探す~

          出版界ではやはり、二番煎じというのは多いですね。 ドカーンと売れるものがあると、「お、これ売れるんだ」 とみんなが気づいて、次々と似たものが出てくる、というアレです。 まぁこれは当たり前というか、どの分野でも 起こることではありますけども。 しかし、売れたものとまったく同じものを出す、 というわけにはいきませんので、 少しアレンジしたり、違う要素を付け加えたりします。 「売れる小説」を考えるときに大事なのが、 売れた作品の隙間を探す、という考え方です。 売れているもの

          売れる小説を作るテクニック ~隙間を探す~

          売れない作家が売れる時

          「売れない作家」が急に「売れる作家」になった瞬間、 という話をしてみたいと思います。 割合的には徐々に売れていく方や、あまり変動のない作家さんのほうが 多いとは思いますが、何年も作家をやってきて売れていない方が、 ある作品を境に急に売れていく時、というのは確かにあります。 例えば、ジャンルを変えた時。 これはBL作家さんなどでは結構あるので、 ご存じの方も多いかもしれませんね。 BL=ボーイズラブで力のある作家さんが、 一般文芸にいって大ヒット、というのは 少し前から一

          売れない作家が売れる時

          アマチュアにあってプロ作家にないもの

          実は、アマチュアが持っていてプロ作家が持っていないものもある、 と言ったら驚きますか? もちろん、逆にプロ作家だから持っているもの ――読者とか人気とか名声とかお金とか―― というのは、いろいろあるかもしれませんが。 アマチュアだからこそ持っているもの。 それは―― 【自由】です。 執筆の時の「自由さ」と「気楽さ」です。 プロ作家もね、ある程度自由にものを書いている人もいますよ。 でもね、「読者からの期待」や「編集部からの要望」や、 「ジャンルの制限」や「売れるものを書

          アマチュアにあってプロ作家にないもの