KAWASAKI

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KAWASAKI

ロードバイク好きの30代男。筑波大学スポーツ医学修士号。吉田記念テニス研修センター(フィジカルコーチ)、国立スポーツ科学センタートレーニング指導員(非常勤)を経て、現在フリーで活動中。日常のトレーニングに役立つ情報を発信していきます!

マガジン

  • エネルギー代謝

    サイクリストや持久系競技者の皆さんに向けてエネルギー代謝についてまとめています。

  • サクッと一本!論文レビュー

    ロードバイクとトレーニングに関する論文を一記事につき一遍ご紹介しています。

  • 個人的な考察記事

    論文などを読みながら考えたことを記事にしています。

  • 富士ヒルクライム

    富士ヒルに関する記事を書いています。

  • 海外記事紹介

    サイクリストや持久系競技者に役立つ海外の記事を意訳、要約してご紹介しています。

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    • お手持ちのデータからゴールタイムを予測する -富士ヒルに向けて#3-

      以前投稿した記事「富士ヒルクライムに必要なFTP -富士ヒルに向けて#2-」で作成した資料を修正し、峠アタックなどのお手持ちのデータ(タイムとパワー)からゴールタイムを予測する内容を加えました。 追加した内容は、以下の記事で作成した資料を元にしています。 作成したものファイルをダウンロードしてもらい、黄色で示された箇所を記入してもらうと以下のグラフが表示されます。 記入してもらう内容記入してもらいたい箇所は黄色で示しています。記入自体は1分もかかりません。 ◆基本情報

      • パワープロファイルの分析

        ZwiftやStravaなどのアプリでは5秒パワーや1分パワーといった結果が表示されます。 これらのデータから、皆さんのパワーレベルをセルフチェックできる資料を作成しましたのでご紹介します。 【修正記録】 2024.5.28 脚質判定、FTP偏差値判定の表示/非表示を選択可能にしました。 「資料の利用について」を加筆しました。 作成したもの「性別」と「体重」、「パワー(5秒、1分、5分、60分)」を記入してもらうと、以下のような資料が出力されます。 峠TTなどのタイム

        • 「気分」のマネジメント

          気分などのメンタルな状態がパフォーマンスに直結することは、皆さんも経験されたことがあると思います。 「気持ちを強く保てたから最後まで力を出せた」 「試合に臨むメンタルではなかった」 このようにメンタル的なコンディションは間違いなくパフォーマンスを左右する要因であるにも関わらず、上手くマネジメントすることは難しいものです。 そこで今回の記事ではメンタルな事柄の内、特に「気分」と言われるものについて論文を参照しながらまとめてみました。 気分が意思決定に影響していること、

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        記事

          豊かな未来に向けて

          スポーツ科学の情報を多くの方にお伝えしようと始めたこのnote、多くの方に記事を読んでもらえていることが私にとって大変励みになっています。 今回の記事では私のnoteのこれまで、そしてこれから始めていきたい取り組みについてお伝えしていきます。 これまでのnote2023年中ごろより本腰を入れて書き始め、これまでに100記事ほどを皆さんにご紹介できるまでになりました。 当初は今まで読んできた論文の中で特に興味深いと感じたものを一つずつご紹介し、併せて面白い海外記事の要約を

          豊かな未来に向けて

          深い呼吸の効果の理由

          ヨガや瞑想、坐禅、その他のボディワークでは共通して「呼吸が大事」だと言われ、深く呼吸することが求められます。 このことは呼吸を整えることが様々な方法論において効果の土台にあることを物語っており、深く呼吸することの意義を理解しておくことは生活の様々な場面で役に立つはず。 今回の記事では深い呼吸が自律神経(交感&副交感神経)を調律する流れを解説し、日々の生活に深い呼吸を取り入れるモチベーションを高めてもらおうと思います。 是非、最後まで読み進めてみてください。 心拍数の揺

          深い呼吸の効果の理由

          ストレスのエネルギーコスト

          仕事や学業、人間関係、お金の問題など、私たちの周りにはストレス反応を引き起こす種がたくさんあります。 また心配や不安といった感情も、ストレス反応の引き金に。 今回の記事ではストレス反応によってエネルギーコストが増え、場合によってはトレーニング適応に必要なエネルギーをも費やしてしまいかねないことを説明してみたいと思います。 仕事や学業とトレーニングの両立を目指すため、ストレスをエネルギーコストという観点から深堀りしていきましょう。 是非、読み進めてみてください。 スト

          ストレスのエネルギーコスト

          オーバーワークの悪循環

          特に体の不調は感じないのに何故かパフォーマンスが停滞したり、すぐに疲れてしまうといった経験をされたことがあるかもしれません。 それが数日では回復せず、数週間あるいは数カ月、場合によっては年単位で続くような大変困った状況はオーバーリーチング、オーバートレーニングといった言葉で知られています(この記事では一括してオーバーワークと呼ぶことにします)。 このような状況は過酷なトレーニングを続けるアスリートだけに起こるものなのでしょうか? 答えはノーで、オーバーワークの弊害は誰し

          オーバーワークの悪循環

          カフェインの効能

          コーヒーに紅茶、エナジードリンク、コーラ、風邪薬、etc… 仕事前には集中するためにコーヒーを一杯、休日には友人とおしゃれなお店で紅茶を楽しみ、運動時にはパフォーマンスアップを目指してエナジードリンクを。 カフェインは私たちの日常に深く浸透しており、何気なく摂取することでその効果の恩恵を受けたり、反対にカフェインの摂り過ぎによる頭痛などネガティブな作用に悩まされたりしています。 今回はサイクリングやランニング、トライアスロンなど持久系競技に取り組む方々へカフェインについ

          カフェインの効能

          辛さとの対話

          ヒルクライムやレース、トレーニングの終盤に感じるあの辛さ。 今のパワーでいけるのか、下げるべきか - 持久系競技は疲労感と向き合い続け、その辛さにどう折り合いをつけられるかがパフォーマンスを決める一つの要因です。 様々な論文を俯瞰する限りパフォーマンスがメンタルによって頭打ちになっていることに疑いはなく、生理学などフィジカルな面と並行してメンタルな側面について知ることは大変有用です。 今回の記事では持久系競技特有の「辛さ」について理解を深め、辛さとどう向き合い、対処

          辛さとの対話

          ミトコンドリアのトレーニング適応 -エピソード3-

          今回の記事ではミトコンドリアのトレーニング適応について解説していこう。 今回でミトコンドリアについての連載記事3つ目になる。こちらからでも問題なくお読みいただける内容になっているが、過去の記事との関連が強いのでそちらも是非ご覧いただきたい。 ミトコンドリアのトレーニング適応については研究者間で様々な意見が出されており、すっきりと統一された見解は存在しない。どの論文を採用するかで、意見が少しづつ異なってくる。 この記事でご紹介している内容もその例に漏れず、やはり読み進めて

          ミトコンドリアのトレーニング適応 -エピソード3-

          ミトコンドリアの離れ業 -エピソード2-

          ミトコンドリアについての連載記事2つ目となりますが、こちらからでも問題なくお読みいただける内容になっています。 始めから読んでみたい方は、以下のリンクよりご覧ください。 前回の記事ではミトコンドリアが筋線維の三大構成要素の一つであることをご紹介し、その役どころについて話を展開してみた。 今回はよりミトコンドリアに的を絞り、その素晴らしき離れ業について解説していこう。 1. 悠々自適なお隣さんリードストーリーとしてまずはミトコンドリアの昔話から始めたい。 ミトコンドリ

          ミトコンドリアの離れ業 -エピソード2-

          ミトコンドリアの存在感 -エピソード1-

          どんな細胞にも必ずあるミトコンドリア。持久系スポーツにおいては非常に大きな役回りを果たしてくれてもいる。 この細胞小器官は知れば知る程に奥が深い。不思議でたまらない。 そんなミトコンドリアについて書籍や論文、大学で学んだことを一度文章として整理をしてみようと思い立った。 話の筋がまとめ切れていないため1つの記事では完結させず、いくつかの記事に分けて展開していこうと思う。 また整理すると言っても教科書のように網羅的にまとめるのではなく、サイクリングや持久系競技を楽しんで

          ミトコンドリアの存在感 -エピソード1-

          簡易的なFTPテストのススメ

          1時間維持できる最大パワー = FTP ご自身のFTPを把握していると長期的なトレーニング計画を立てやすく、またヒルクライム大会などでも目標設定の際に重宝する。 最も信頼のおける測定はもちろん1時間全力で走ってみることではあるが、身体的にもメンタル的にもスーパーハードである。 代替の方法としてコーガン博士によって20分間の測定からFTPを導く方法が開発され、またランプテスト(漸増負荷テスト、zwiftでお馴染み)による測定もメジャーである。他にはクリティカルパワーテスト

          簡易的なFTPテストのススメ

          アミノ酸&タンパク質代謝のダイナミズム

          アミノ酸とは、窒素を含んだ超優秀な物質である。 体の構成物であるタンパク質はアミノ酸の集まりであり、DNAなど多種多様な窒素を必要とする物質を作る際にはアミノ酸を変形し利用可能な窒素を手に入れる。 つまり、アミノ酸が無ければ生物が始まらない。そのためアミノ酸は「生命の源」と呼ばれリスペクトされている。 小惑星「りゅうぐう」の砂からアミノ酸が見つかったときに世間が湧いたのも、アミノ酸の存在が生命を予感させるからだ。 天然には500種類ほどのアミノ酸が確認されているが、私

          アミノ酸&タンパク質代謝のダイナミズム

          乳酸代謝のダイナミズム

          「乳酸」。この物質は大きな謎をはらんでおり、今日でも多くの研究者を悩ませ続けている。 その理由は乳酸が単なる疲労物質という見方から体のシステムにとってなくてはならない存在であることが分かり、除去すべき対象ではなく再利用可能なエコな物質へと認識が変わりつつあるからだ。 今回の記事では乳酸について、サイクリストや持久系競技者が知っていると役に立ちそうな内容をまとめてみた。 なぜ乳酸がエネルギー源になるのか? なぜ疲労物質扱いされてきたのか? 乳酸閾値とはどういった現象な

          乳酸代謝のダイナミズム