見出し画像

朝のルーティン ロックダウンNZでの父ちゃんの場合

ロックダウンで仕事のスケジュールが消滅した私は、それはそれは日々を無為に、いや、有意義に過ごしていた。

毎朝、息子の唸り声で叩き起こされると、ふらふらと台所に行ってまずは湯を沸かす。ケトルには、前の晩に水を入れておくので、スイッチを入れるだけだ。

次に、腹が減って乱心状態の息子をバンボに座らせて、妻が野菜やその他諸々を練りこんで作ったパンケーキか、それがない場合は食パンを与えておく。

画像3

食パンで息子を黙らせたら、ミルクの粉を計量スプーンで量ってボトルに落とす。コーヒーの粉をフィルターにセットしておく。もちろん自分で飲むためだが、息子が手づかみで食べているここでやっておかないと、あとでまとわりつかれながらやることになるので今やるのだ。

画像4

そして、主食である「ミューズリ」の粉に冷凍しておいたバナナの切れ端を入れる。ミューズリは、お湯でふやかして戻す粥のようなものだ。そうしていると、間も無くケトルのスイッチが跳ね返る音がして湯が沸くので、それぞれ適量の湯を入れてかき混ぜる。コーヒーにも湯を垂らして蒸らす。

ミルクを最初にかき混ぜて水を張ったカップにつけて冷やし始め、それからミューズリとバナナをかき混ぜる。熱湯だが、バナナが凍っているのでよく混ぜればすぐに温度は落ち着く。食べられる温度まで冷める間、コーヒーに湯を回し入れて、ドリップを始める。

画像1

意識しているのは、できるだけ多く(少なくとも2つ)の仕事が同時進行するように段取りをすることだ。この場合、最初に湯を沸かし始め(仕事1)、食パンを与える(仕事2)。そうしてコーヒーをセット(仕事3)し、主食とミルクを準備(仕事4と5)することで、一時的に5つの仕事が同時に流れている。

席に戻ると口いっぱいに食パンを詰め込んだ息子がこちらを見て「ばあ」と言うので、こちらも「べえ」などと応じて対面に座り、誇らしくミューズリが入った皿を見せると、両手をいっぱいに伸ばしてそれをひったくろうとするので注意が必要だ。

画像2

かき混ぜるのに使ったスプーンでもって口の近くに運んでやると、大慌てで食パンを飲み込んでスプーンにかじりついてくる。

だいたい3口くらいは問題なく食べるのだ。

4口目くらいから、拒否するか、あるいはスプーンの柄を自分で握って、自分で口に運ぼうとする。後者の場合は、一回ごとに拍手をして「すごい」と褒めてやらねばならない。スプーンを引くのをモタモタしていると、真剣白刃取りのようにスプーンを手のひらで挟まれてベタベタのミューズリとバナナが飛び散るので、まったく油断ができない。

闘いに飽きたら、一度中断してコーヒーをすする。最初に準備したのは、このためだ。そうやって心を落ち着けたら、また暴君の待つ玉座へ。

***

起きて台所に立ち、息子の朝飯を作り、与え、拒否され、拍手をした後、食器を片付ける。隙をみて淹れたコーヒーをすすりながら、引き出しという引き出しを開けようとする息子と脚で格闘し、キッチンのシンクをピカピカに磨く。

これが私の毎日のルーティンだ。参考になったかな。

たくさんの方々からサポートをいただいています、この場を借りて、御礼申し上げます!いただいたサポートは、今まではコーヒー代になっていましたが、今後はオムツ代として使わせていただきます。息子のケツのサラサラ感維持にご協力をいただければ光栄です。