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NZからAUSに引っ越した その2

前話はこちら

もともと、合否発表には4週間前後かかると言われていた。

5週間が経った頃に、あぁ、やっぱり落ちたんだな、と思って仕事に専念していた。ことさらに忙しくて、こちらからも積極的に確認していなかったこともある。

8週間ほど経ったある日。確か、誰かのシミュレータ訓練のサポートをするために自社便でオークランドに向かうところだったと思う。ラウンジで同僚とだべっていると、電話が鳴った。画面には+61で始まる番号。

あれ、と思って電話に出ると、

「Hey Ash, sorry about this late notice but we are pleased to offer you the position of First Officer on the A320!」

おい。

まじかよ。どうやら、面接の時点でAUSのメディカルがなかった(申請はすませて、その結果待ちだということは伝えてあった)ため、「条件付き」扱いにされてほったらかされていたらしい。

面接の時点で、シドニーベースしか空きがないと言われていたこともあり、ベースは期待しなかったのだが、オファーされたのはメルボルンとケアンズ。第一希望はメルボルンだったので、図らずも希望が通ってしまった。

なんか、受かっちゃったんだんだけど、と妻に言うと、ものすごく驚いていた(当たり前だ)でも、そのあと大喜びしてくれた。

え、この話を受ければエアバスで給料が増えてオーストラリアで暮らすことになるわけだ。今の会社をやめる場合のNotice Period(退職届を出してから辞めるまでに必要な期間)は12週間。訓練開始は12週間と2日後。

国を跨いだ転職と引越しをするか否かの決断を、2日でしなければならんことになった。

Aviationはいつもこうだ。何か変化が起きて欲しいと願う時には5年待っても何も起きないのに、いざ変化が起きる時は人生を丸ごと変えてしまうような決断を一晩でしなければならない。

どうしよう。

つづく


たくさんの方々からサポートをいただいています、この場を借りて、御礼申し上げます!いただいたサポートは、今まではコーヒー代になっていましたが、今後はオムツ代として使わせていただきます。息子のケツのサラサラ感維持にご協力をいただければ光栄です。