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「バビ・ヤール」悶え苦しむタコの舞

朝散歩しようかなと思ったのだが日記を忘れていた。日記は調子のバロメーターになるから、なんとなく毎日書いた方がいいのである。

昨日も昼過ぎまでぐずぐずしてしまったが図書館に返却本があったのでとりあえず図書館へ。読まないで返却する本は相変わらず多いな。ちょっとは読むのだが、今でなくてもいいかなと思ってしまうのである。

『源氏物語』は『窯変 源氏物語 7』は読み終えて返却「8」は無かった。最近何故か町田図書館には続きが借りれないのだった。まあ、他の源氏物語を読めばいい話なので、『源氏物語 A・ウェイリー版3』読み始め。「玉鬘」十帖が終わっていよいよ光源氏の終盤だった。まず紫の上が病に倒れる「若菜」。「若菜」とは若紫と関係があるのかと思ったが、次の世代の予告として、二人の皇子である「匂宮」と「薫」の前歴というような。ウェイリー版は「スプリング・ハーブ」としているのはけっこう的を得ている英訳だと思う。「若菜上」では明石の姫の皇子である匂宮が祖母的である紫の上に懐いていてまだその子のために生きようとする。六条の御息所のもののけが出てきたのはこの巻だったかな。「若菜」は長いけど小説的。

「若菜下」女三の宮と柏木の関係で薫前史みたいな波乱の幕開け。光源氏が次世代の柏木に妻である女三の宮との不倫現場を押さえるのだが、それも自分もかつてしてきたことと重なる。しかし許せぬということなのだが、面白いと思ったのはその間を取り持つ小侍従は明らかに柏木と関係があり女三の宮に嫉妬心があることだった。小侍従にしてみれば愛する者の手引をしなければならないのである。この関係がスリリングであった。こういうところを描くのが紫式部の上手さかな。その心理状態を考えたら現代小説だよな。ここのへんの綾の掛け違いみたいな展開は見事である。一番好きな巻かもしれない。

あと宮沢賢治はちくま文庫の全集7は借りれた。やっぱ初稿と三次稿が出ていた。テキスト(『銀河鉄道の夜とは何か : 討議』)を読みながら読んでいきたい。

出かける前にアニメ『グスコーブドリの伝記』を観た。『春と修羅』から『銀河鉄道の夜』へ繋がる作品だった。『風の又三郎』や『注文の多い料理店』なども関連している。これは宮沢賢治ファンは観たほうがいいかも。原作もあるので読むほうがいいと思うが、大正モダニズムと宗教のような義務感(そこはちょっと嫌な部分だけど)の中で東北の自然の厳しさと現実と幻想の世界が描かれている。

図書館に行ったが一度家に戻ってからレイトで映画を観た。『あまろっく』。大阪人情喜劇。それでけっこう評価が高いのかな。鶴瓶師匠の映画だよな。それほど目新しさもなく、それでもシスターフッド的な家族映画なのか?最初に結婚式のシーンがレズビアンカップルの映画かと思ったが違った。

帰ってからN響タコ祭り。正直13番は難しい。その前のジャズ組曲が良かった。指揮者の井上道義は若い頃ダンサーを目指したという。タコ祭りにふさわしかったな。

今日の一句。

「バビ・ヤール」悶え苦しむタコの舞

今日の一首。

「バビ・ヤール」
悶え苦しむ
コンダクター
ジャズの調べで
中和するタコ


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