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日記 / オフの日

小学館の図鑑NEOアート『図解はじめての絵画』にも掲載されている尾形光琳の『燕子花図屏風』。息子はこれが気になるらしく、何度も眺めていた。

https://note.com/aoyama_qtaro/n/n2c53f926f3e2


調べてみるとちょうどよくタイムリーに根津美術館でこの作品が展示されており、今日は仕事もオフだったので予約して表参道へ。

GWの館内は国内外からの観光客でごった返しており、目的の『燕子花図屏風』はあまりゆっくり見られなかった。
「大きいね。図鑑何冊分かなぁ。」と独自の単位で感動していた。
展示物に関しては別室の青銅器(いつ行っても凄いのが出ている)の方が息子も気に入った様子。
父はその隣の隣の部屋で初風炉の設えに唸る。さすが。

写真好きの息子はカメラを抱えて庭園を隅々まで歩いては撮影していた。
『燕子花図屏風』とあの素敵な庭園の燕子花をセットで見られるのは贅沢な体験だと思う。


途中、ベンチに座って池を眺めているおばさまから「あそこのおたまじゃくしを見てごらん。他にもほら・・・」とあの庭園の生命系の豊かさを伝授されていた。都心で暮らしているとこれも貴重な体験だなぁ、と感心しながら根津美術館を後にする。

その後仕事はオフだけれども、妻も子も大槻さんの個展を見たいというので白白庵へ。子供の日には少し早いけれど、白白庵から徒歩10秒の青山紅谷で粽を購入。軽やかで繊細な甘さ、この凄さは子どもには分からなかったかもしれない。

https://shirasu.io/t/kanaohtsuki/c/yumeshika/p/20240426174036


先日のシラス配信で展示作品の『ずっといい』は子どもが喜ぶ作品、と伺っていたので息子を作品の前に連れて行く。
書き込まれた文字に反応して隅々までじっくり眺める。書かれてる言葉を読み上げて「なにそれ!」と言って笑う。どうやら気に入った様子。

オンライン掲載時に大槻さんと協議して『ずっといい』の英訳を『Happiness forever』と設定したけれども、こうやって作品を楽しむ我が子の姿を眺めると『Happiness forever』も全然間違ってないな、と思える。
(大人は同時に「本当に?」という疑問を抱く仕掛けになっている作品ではある)

https://note.com/pakupakuan/n/nffd978bf3c26

息子は『みんなからのなか』も気になった様子。
会期前のインタビューで"子どもに夢を見てほしい"、"「自分にも描けそうだな」って思っていて欲しい"という発言があったけれど、我が子は狙い通りそう思ったようだ。『みんなからのなか』の説明をしている時、彼の目には「自分にも作れそうだな」という光が宿っていた。まんまと。我が子のことだからその心の動きは見逃しはしない。

普段のお出かけではすぐに飽きて「早く帰りたい!」が口癖だけれど、白白庵を出た道すがら「まだ帰りたくない」と拗ね始めた。それだけ楽しかったんだろうな今日は。良い休日だった。
たぶん今日のことなんてあの子は忘れてしまうんだろうけど、将来ふとした瞬間に「そういえばあの日」って思い出してくれたら嬉しい。


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