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アウトカムにこだわったLayerXのオフサイトmtg 企画・運営・振り返り

💡本記事は【2022 春 LayerX Advent Calendar(概念) 】44日目の記事です。

こんにちは。LayerX SaaS事業部でカスタマーサクセスをしている加藤みちる(@applism118)です。

来る4/18、事業部初の取り組みとして、終日のオフサイトmtgを実施しました。
事業部のリソースの5%を使って実施するにあたり「実施後、アウトカムを得られるオフサイト」
を重視して企画・運営を行いましたので、
特に企画する中で大事にしたポイントを中心に、企画者目線で準備の裏側を振り返ろうと思います。

💡想定読者
・会社から「合宿企画してよ!」と無茶振りされている人
・組織課題の特定と解決に興味がある人
・LayerXの中の人に興味がある人

参加者目線のレポートは、day1メンバーとして合宿に参加した@kogacchiさんの素敵な記事をぜひ御覧ください!

オフサイトの企画背景

きっかけ

2021年の末、事業部の振り返り会で「チームに関わらず、話したことがない人が増えている」「この課題は組織が急拡大するにつれ大きくなるだろう」との声があがったことをきっかけに、bizチームから3名・devチームから1名の有志が集まり、オフサイトを企画することになりました。

が、この時点では「オフサイト!!やるぞ!!!」というノリだけがある状態で、企画・運営をゼロから行う必要がありました

オフサイトの目的を設定

まず行ったことはオフサイトの目的の設定、またオフサイトの目的を設定するための課題ヒアリングです。
企画チームで合計10名〜のメンバーにヒアリングを行い、特に重要な課題を以下の2点に集約しました。

  1. 話したことがない人が増えている、チームを横断した交流の場が減っている
    → 結果、チーム間の情報流通速度や透明性が低下し、スピーディでオープンな意思決定がされづらくなる可能性がある

  2. 行動指針への意識が薄まっている
    → 結果、行動指針に則ったアクションが減少し、チームとしての一体感がなくなる、推奨されない行動が増えうる

こちらをうけて、今回のオフサイトの目的・手段(の一部)を
目的:
・交流を深める
・他のチームに『この人にちょっと相談してみよう』と思える人を増やす
手段:
・行動指針について考える時間をとる
に定め、コンテンツを企画することにしました。

コンテンツ・設計経緯

ヒアリングした課題を解決するオフサイトとして、当日の内容は以下となりました。

タイムテーブル

ここからは特に2つのコンテンツについて、企画背景や意図、実施後の反応を振り返ります。

1. 他チームと横のつながりを増やす施策
・新メンバーとの1on2
・自己紹介ランチ・人形町神社めぐり
・事業・お客様にまつわるクイズ大会

2. 行動指針について考える施策

1.他チームと横のつながりを増やす施策

オフサイトのきっかけとなった「他チームとの交流が増える」状態をつくるため、以下を考慮しながら3つの施策を行いました。

・できるだけ多くの人と会話してもらう
・業務に関連しない話題でもよいので、相手に興味を持つきっかけを作る
・違うチームが、相互にリスペクトしあう関係になる

(1)新メンバーとの1on2

まず、入社3ヶ月以内の新メンバー1名、社歴が長いメンバー2名を3人組に分け、20分間の1on2を3セット行ってもらいました

この施策では、メンバー同士の交流を増やすことに加え、新メンバーを改めて歓迎するという意図があります

LayerXは組織が急拡大中で、よくも悪くも新メンバーは入社1ヶ月程度で「LayerXに慣れた人」として扱われることが多いです。
今回、「この人は新メンバーです、今の時間は新メンバーのための時間です」と目的設定し、新メンバーが実は困っていること・モヤモヤしたまま聞けていないことを先輩メンバーがサポートする時間にしたいと考えました。

また、20分という時間も事前に実験をしてみて「少し話足りない、でもランチには誘える」くらいのラインを狙って設定しました。

こちらは企業カルチャーに大きく投資されているatama plusさんの「スタートーク」にインスパイアされたコンテンツでしたが、オフサイト後のアンケートも「多くの人と話せてよかった」「時間もちょうどよかった」と大好評で、準備ほぼゼロで社内交流を増やせる大変おすすめな施策です。

(2)自己紹介ランチ&人形町神社探訪

つづいて、職種を横断した5人組の班に分かれてもらい、
①自己紹介を兼ねたランチ
②班ごとに、オフィス周辺の神社に行き集合写真を撮るレクリエーション

を行いました。

神社探訪は、自己紹介や雑談に加え、いつもと違うチームで業務から離れたミッションをクリアするなかで横のつながりを強める効果を狙っています。(当日以前にもランチの店やチーム名を班ごとにSlackで決めてもらい、コミュニケーションを取ってもらうようにしていました)

また、普段リモートでオフィスに来ないメンバーにもオフィス周辺の雰囲気を知ってもらって、ぜひ気に入ってもらいたいという思いもあったのですが、アンケートでも「ずっとオフィスにいるのではなく、外に出て歩くのがよかった」「時間を気にせずランチ出来たのは入社ぶり。今後も定期的にやりたい」などのポジティブな感想を多く得ることができました。

実行委員チームは小網神社にいきました

(3)事業・お客様にまつわるクイズ大会

会の最後には、ビジネス〜開発の7チーム※にヒアリングを行い、それぞれの業務factに基づくクイズ大会を行いました。
※マーケティング、インサイドセールス、事業開発、フィールドセールス、カスタマーサクセス、開発、QA

「○○チームで、意外と知られてないけど、是非 事業部に知っていただきたいファクトがあれば是非ソースとともに教えてほしい」と質問し、実際に出題した問題がこちらです。

意外と自チームのことも知らなかったりする
2週に1度、3プロダクトのリリースを支えるQAからの難問

クイズの正答率は平均51%で、事業部メンバーが「実は知らなかった他チームの成果」を知り、互いにリスペクトを深める機会にすることができました。

また、上位5チームにはバクラクシリーズのお客様の商品を贈呈し、お世話になっているお客様の存在も身近に感じてもらえるようにしました。

2.行動指針について考える施策

つづいて、LayerXで定めている5つの行動指針について考えるワークショップを行いました。

LayerX 5つの行動指針

行動指針に沿ったアクションを増やすためのコンテンツを作るにあたり、注意したのは以下の2点です。

・抽象的な議論で満足せず、具体的なアクションにつながる
・社歴や、普段の仕事が異なるメンバー同士が一緒に取り組める

これらをもとに、オフサイトではランチをした班内で、以下を発表しあうワークを行いました。

①直近の半年で、あなた・まわりのメンバーが行動指針を実践していた瞬間
②直近の半年で、 あなたが「もっと行動指針を実践できた」と思う瞬間
③あなたが、もっと行動指針を実践するために明日から行うアクション

企画当初は、班ごとに「わたしたちが思う”行動指針”それぞれのポイント」を再定義してもらい、全体に発表してもらうようなワークを企画していましたが、

・1/3以上を占める新メンバーはそもそも「行動指針の解釈」を持ちづらそう
・短い時間で、班ごとに「新しい行動指針の解釈」をまとめるのは難しそう
・抽象的な議論にとどまり、通常の業務を変える効果が薄そう

という懸念があがり、
議論ではなく「個人が体験した具体エピソードの発表」という手段をとり、
メンバー個々人が「行動指針を実践するとは?」「自分が行動指針に沿うアクションを増やすためには?」を考えることにフォーカスすることにしました。

全体で認識合わせの前段階として、「各自が具体的に考える・やる」をゴールに

当日、運営からも
・WHYと得たいアウトカムを全体に説明してからワークを開始する
普段は違うチームのメンバーに話すので、背景から話してください」「このような質問をして互いに深堀りしてください」を繰り返し伝える
ことで、背景が異なるメンバー同士であっても、互いに行動指針を具体業務に落とすサポートができるような工夫をしています。

なぜやるか?誰が何を得たいのか?をまず伝える
メンバー同士の質問例を伝える

また、ワーク後には班ごとに「1ヶ月後の振り返りランチ」を設定し、メンバーが定めたアクションの進捗を確認しあう機会を設けることで、オフサイトで満足しない・実業務を変えるためのワークに設計しました。

オフサイトの効果

実施後アンケートは好評だったのですが、事実としてオフサイトの効果がみられた場面があったので、ご紹介します。

アンケートより、SaaS猛者先輩のうれしい感想

他チームと横のつながり

カスタマーサクセスの新メンバー(入社1ヶ月前後)5名にオフサイトを通じて初めて話した人の数を聞いたところ、 1人あたり平均19.6名 初対面メンバーと話すことが出来たというファクトを得られました。
また、10名〜を超える大規模チームにて、個人間のつながりを維持するために入社メンバーとは1on2を必ず設定する、という動きも始まっています

行動指針について考える

今日でオフサイトから10日ほど経ちますが、複数のメンバーから「1on1するときに、自然と行動指針に照らして自分の行動がどうだったか?という話をするようになりました」という声をもらっています。 改めて、新メンバーも行動指針に照らしながら日々の業務を行える受け入れ設計を進め、 この流れを加速させたいと思っています。

おわりに

反省点はたくさんあるのですが、ありがたいことに経営陣〜day1メンバーまで、多くの方から「ぜひ継続したい」の感想を複数いただきました。 今後も1日貸し切りのオフサイトにこだわらず、組織課題の解決施策に取り組んでいきたい所存です。

LayerXは、事業の急拡大と、長期間働きやすい組織の両立にチャレンジしている真っ最中です。次の10年を作る仲間を絶賛募集中なので、この記事に共感いただけた方のご応募&Meetyをお待ちしております!