君はスーパーラジカル

※タイトルに意味はないです

今、私には世界で一番アイラブ言うを言いたい人がいる。
大阪を拠点に活動するアイドルグループくぴぽのプロデューサー兼メンバーである、初恋いちごレッド担当まきちゃんだ。



エベレストに登頂したら頂上での第一声は「まきちゃん好きだ!」がいい。
世間が注目する難しい裁判に勝てたとき、報道陣に見せる達筆な文字は「まきちゃん好きだ!」がいい。
閉店間際のラーメン屋で、息子がまだ食べ終わってないラーメンを店員が無理矢理さげようとしたら「まきちゃん好きだ!」って怒鳴りたい。
生まれ変わってまた人間になれるなら生まれてすぐに七歩歩いて「天上天下まきちゃん好きだ!」って叫びたい。
そしてまたまきちゃんに出会いたい。
そんな事を思いながら毎日まきちゃんに元気をもらい生活している。



去年の夏頃から、平日毎晩のようにオンラインゲームをしていたヲタク達との会話で頻繁に耳にするようになったくぴぽという単語。
大阪のアイドル文化に疎い私はふーんとかへーとか相槌を打つばかりでその存在はほとんど知らなかった。
そういえば電話番号を公開して人生相談を受けているアイドルの記事を何かで読んだ気がするなーと思い出す程度だった。
それでも大阪のアイドル現場のオモシロ話や「〇〇〇の〇〇ちゃん可愛い大好き会いたいしんどい」みたいな話が多かったので、なんだかみんな楽しそうでいいなーとケラケラ笑いながら聞いていた。(私がきのホ。の存在を知ったのもこの時期で、やっぱりこのゲーム仲間からだったりする)



ある日、会話の流れで何気なくくぴぽの公式HPを検索してプロフィール欄を見た。
人の名前と顔が一致するのに時間がかかる私でも、唯一「まきちゃん」という人の名前と顔をすぐに覚える事ができた。
ただその時見たアー写の顔写真が変顔(そういうつもりじゃなかったらごめんなさい)っぽかったのでその表情のまま記憶に残ってしまった。



それからしばらくして、当時追いかけていた推しメンが新木場コースト最後のギュウ農フェスに出演する事が発表された。



いつものように何も考えずにチケットをとり、推しメンの出演時間以外のタイムテーブルをほぼチェックすることもなく、11月14日はのんびりお昼過ぎくらいに新木場に到着した。
メイン会場で推しメンの1回目のステージを見て特典会に行った後、同日に有明で開催されていたデザフェスvol.54に出店している友人のもとへ顔を出し、17時くらいに新木場に戻った。


推しメンの次の出番はテントステージだった。
まだあと2時間近く時間がある。何気なくタイムテーブルを見ると、ちょうどテントステージでくぴぽの出番が間近に迫っていることを知った。
まだ曲を聞いたことがないしもうまきちゃんという人の名前しか思い出せなかったけど時間あるし見てみようかな~と軽い気持ちでテントステージに向かった。


中はお客がいっぱいで、人の隙間をくぐり抜け一番後ろの位置についた。
ステージはあまり見えないけど曲聴いて空気感だけでも感じれたらいっか。というか前の人の身長高くてあんまり見えないな…。
ライブがもうすぐ始まる。
客同士の距離が徐々に縮まっていく。
隙間からステージを見ると大きなビニールの球体が出てきた。

曲が流れ出した。人々の頭でメンバーはほとんど見えないけど、誰かが球体に乗って叫んでる。
どうやら球体はオクタゴンらしい。オクタゴンは無限だ。
よく見ると叫んでいるその人は私が唯一覚える事ができた「まきちゃん」だった。

オクタゴンの上でアイドルの命ともいえる顔をぐしゃぐしゃにして懸命に歌い飛び跳ねるその人に目が釘付けになった。
身動きがとれなかった。
ライブの20分間私はずっと背伸びをしてその人を見ていた。
もしかしたら「まきちゃん」を好きになってしまうかもしれない、頭の片隅でうっすら思った。

ライブが終わると特典会がある。
でも怖くて行けなかった。
元々あまりDD気質ではないので初めましてをするには勇気と心の準備がいる。今はそれがない。
何よりハマってしまったらどうしよう…大阪……


後日、ギュウ農でくぴぽを見てまきちゃんの事が好きになりそうだとゲーム仲間に報告しくぴぽの事を詳しく聞いた。
話によると大阪のアイドルではあるが割と東京でもライブをしているらしい。なるほど…でもまだちょっと怖いな。
全く自慢じゃない話だけど自分は推すと脊髄反射で全通などしてしまう。
気持ちは確かに高まっているが一旦様子を見ることにした。

そしてある日、誰かのRTでタイムラインに通販っぽのお知らせが流れてきた。
ゲーム仲間にこれはどういう事なんですかと聞いた。
なんと指定したメンバーから手書きの年賀状を書いてもらえるらしい。
あのまきちゃんから、年賀状が届く…まきちゃんは私の事などもちろん知らないし、私もまだまきちゃんの事をよく分かってない。それなのに新規どころかお前誰やねんヲタクが年賀状を頼んでもいいのかな?
期限ギリギリまで悩みに悩み、最終的にいや無料で書いてもらうわけじゃないしいいっしょ!と自分に言い聞かせポチっとした。

チキンすぎてやっぱり迷惑だったかもしれない…と何度も後悔した。
ゲーム仲間にはそれってもうハマってるのではと何度もツッコまれた。
いやいや芸能人から年賀状届くなら誰でも買っちゃうでしょ〜と冗談っぽく受け流した。
本当は年賀状が届くその日まで内心とてもドキドキしていた。

届いた年賀状には虎みたいな絵と今年もいっぱい愛してニャンと書いてあった。
わぁ、愛してって言われちゃったよ…とニヤニヤへらへらした。実際お前誰やねん状態なのに。
「愛して」だってよー!とゲーム仲間に自慢した。
汚れるといけないから様々な角度から写真に撮って現物は大切に保管し、撮った写真を何度も何度も眺めた。
アイドルヲタクになってn年目の冬でした。


そして8日後、なんとまきちゃんのお誕生日ライブにきのホ。が出演するのだ。昼夜2部制で、私はきのホ。が出演するお昼のチケットだけ持っていた。
ギュウ農では「まきちゃん」への衝撃が強くてあまり曲を堪能できなかったけど、この日は生誕イベントということもありじっくり落ち着いて聴く事ができた。
曲の振り幅がすごくて頭がぐわんぐわんした。(褒めてる)

天国が印象的で今でも結構覚えている。
おとぎ話みたいな曲だなーと思ったのと曲の振りで背泳ぎをしたり落ちサビでうつむくまきちゃんの横顔がとても綺麗だった。
それと、ノイローゼのサビにある「死にたくなったら傷付けてもいいよ」のフレーズがしばらく頭から離れなくて、これが書ける作詞家は一体どんな人生を送ってきてどんな考えの持ち主なんだーとしばらくの間思いを巡らせ心配もした。作詞家はまきちゃんだった。

特典会が始まり、生誕記念のグラビアランチェキと特典券を買った。
ちょっと怖いけどお誕生日の祝福と年賀状のお礼もしないとね人として常識的にねと自分に言い聞かせ、まきちゃんに会いに行った。


初めまして。お誕生日おめでとうございます。
「ありがとう」と返ってきた声が可愛いくて頭が真っ白になりア…しか言えない人になった。
ふわふわした頭で何度かのやり取りのあと、まきちゃんに「あなた綺麗な顔やね」と言われ衝撃で目が覚めた。
自分の生誕という晴れ舞台でもっと浮かれていいはずなのに、世界で一番の主人公なのに、そんな時でも人に気を遣って言葉にできるだなんてなんて謙虚なアイドルなんだ…。
嬉しいより先に驚きがきてしまいあわあわしていたら年賀状のお礼が言えなかった。


年賀状のお礼しないとね人として常識的にねとまた自分に言い聞かせ、もう一度会いに行った。
「また来てくれたの?嬉しい」と喜んでくれた。可愛いかった。
年賀状の事を伝えると、こいつ誰やねんて人が一人おったわ〜と笑ってた。可愛いかった。

撮ってもらったチェキに私の名前が書いてあった。すごい。まきちゃんの頭の中に私の名前が表示されて、その白くて繊細な手を使って私の名前を書いてくれたんだ。
話す時の口調も優しくて穏やかだった。
初めて近くで見たまきちゃんは本当に綺麗な顔をしていた。

帰りにアクリルキーホルダーを追加で購入した。


この約10日後に私は流行り病に感染してしまうのだけど、自宅待機で身動きが取れず苦しい時間はこの日の配信アーカイブをずっと見ていた。
配信トラブルでくぴぽは途中で切れてしまっていたけどそれでも何度も何度も繰り返し見ていた。窮屈で頭がおかしくなりそうな時期をこの配信アーカイブが救ってくれた。


なんか長い気がするので続きはまた今度にする・・