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読書論

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#662 読書論28|白ゆき姫殺人事件(湊かなえ)

前回紹介した「告白」に続いて、イヤミス界の重鎮・湊かなえ先生の 名作・白ゆき姫殺人事件を本日は紹介しましょう。 これもなかなかしんどい小説でしたね。 白ゆき姫殺人事件とは?化粧品メーカー「日の出化粧品」で働く美人OLの三木典子さん(菜々緒)が、山中で引くくらいめった刺しにされて殺される事件が起きました。 疑われたのは、事件以降連絡が一切取れなくなってしまったそんな典子さんと同期入社であり、典子さんに男をNTRされた地味な見た目の城野美姫(井上真央)で、現在も「母親が危篤」

#642 読書論27|告白(湊かなえ)

前回読んだ「悪の教典」と同じくらいのタイミングで読んだ記憶がありますが、これも面白かったですね。一瞬で読み終えた記憶があります。 内容は180度違いますが、「学園もの」「主人公は先生」「殺人の描写」など、なんとなく通じるものもあると思いますし、この小説も大分ハマりましたね。 告白とは?湊かなえ先生のデビュー作にして最高傑作の呼び声も高いミステリー小説です。 湊先生の作品は読み終わった後に嫌な気分になるミステリー、通称「イヤミス」と呼ばれていますが、個人的にはこの告白は凄くス

#622 読書論26|悪の教典(貴志祐介)

この小説が話題になったのは実写化の時だったと記憶しています。 大島優子が「私は、この作品が、嫌いです!」と泣きながらコメントしたのが、かなり完璧なマーケティングとなり、この作品の名前を広く知ら締めました。僕もこの騒動で知りましたね。 そこから数年後でしょうか? たまたまBOOK OFFで文庫の上下巻が売っているのを見て、ちょっと読んでみるかと購入し、上巻を21時とかに読んで23時位に読み終えて、そこから下巻行きましたのでその日中に読み終えました記憶があります。 大分ハマり

#599 読書論25|グミ・チョコレート・パイン(大槻ケンヂ)

この小説「グミ・チョコレート・パイン」を初めて読んだのは高校時代だったと記憶していますが、とにかくなかなかエグイ小説でした。 全3部作となり「グミ編」「チョコ編」「パイン編」となっているんですが、初めて僕が読んだ高2くらいの頃は「グミ編」「チョコ編」までしかリリースされておりませんでしたが、正に青春小説。 なかなか感銘を受けた記憶があります。 「パイン編」が出たのは大学に入ってからで、あまりその時期を覚えてないですが奥付を見ると2003年11月と書いてましたので、20歳の

#573 読書論24|民王(池井戸潤)

前回の空飛ぶタイヤに続いて、今回も池井戸潤を紹介します。 半沢直樹シリーズやルーズヴェルト・ゲームなども紹介したい気持ちもあるんですが、これらは小説して書くか、ドラマとして書くかを俺の中でまだ決めあぐねている状態なので、ドラマ化されているけど見ていない民王を紹介しましょう。 民王とは?民生(たみお)ではなく、民王(たみおう)ですね。 民の王、つまり総理大臣の話です。 主人公の武藤泰山(むとうたいざん)は最大派閥である党で、短命で終わった前総理、前々総理に続いて、総理大臣に

#553 読書論23|空飛ぶタイヤ(池井戸潤)

池井戸潤の小説は大好きで、半沢直樹に触発され「俺たちバブル入行組」「俺たち花のバブル組」を購入し、そこから多分全部買ってます。 メジャーどころももちろんですが、「最終退行」「仇敵」「かばん屋の相続」「銀行仕置人」などのコアな所もしっかり押さえております。 とにかく読んでいてスッキリするので、池井戸小説は辞められないですね。 そんな池井戸小説の中で、一番好きな小説は何かと聞かれたら… ドラマとのクロスオーヴァーなどもあるので評価が難しいのですが、私は小説のみの魅力だと、本日紹

#529 読書論22|美女と野球(リリー・フランキー)

前作、「誰も知らない名言集」に引き続いて、僕の大好きなリリー・フランキーのエッセイ「美女と野球」を紹介します。 美女と野球とは?リリー・フランキーが1998年に刊行した書籍です。 尺を稼ぐ為にAmazonの書評を引用しますが、下記のような紹介文がございます。 「誰も知らない名言集」でも触れましたが、「誰も~」が面白かったので速攻この美女と野球も買って、相当ハマりました。爆笑しながら読みましたね。とにかく大好きで大好きで何度も読みました。 作品の8割くらいが下ネタですが、

#498 読書論21|誰も知らない名言集(リリー・フランキー)

読書論、今回はゆるく、リリー・フランキーのエッセイ「誰も知らない名言集」を紹介します。 これはマジで笑いました。こんな笑った本はそうないですね笑 リリーフランキーとは?リリーさんの存在を知ったのはいつか覚えてないですが、リリーくんのイラストは気づいたら認識してましたね。 そして大学に入った時あたりでしょうか?存在をしっかりと認識したうえで、雰囲気があっていい年の取り方をしていて、サブカルの代名詞的存在だったので存在に憧れ、この人を知ろうと思い、初めて買った本は「ボロボロに

#473 読書論20|はつ恋(ツルゲーネフ)

前作で日本文学を代表する、幼き日の青年の恋を描いた名著「友情」を紹介しましたが、本日は洋モノでいきましょう。 ドストエフスキーと並び、ロシア文学を代表する作家、イワン・ツルゲーネフによる中編小説であり、半自伝的小説であり、性格を持ち、作者が生涯で最も愛した小説と言われている「はつ恋」について本日は紹介しましょう。 僕の中では「はつ恋」と「友情」はかなりリンクしており、一緒に読みたい作品ですね。 はつ恋 あらすじ主人公は16歳で、モスクワ市内のとある湖の近くに住んでおりま

#454 読書論19|友情(武者小路実篤)

本日は武者小路実篤の名著「友情」を紹介したいと思います。 これ読んだのはもういつだったか覚えてないんですが・・・ 中学校時代にリスペクトしていた先生が「読んだ方がいい」と勧めてくれたのでずっと覚えており、なにかのタイミングで読んで、面白かったので印象に残っています。 当時の時代背景1906年に東京帝国大学(現東京大学)に入学し、その時の同級生だった志賀直哉らと「白樺」という文学雑誌を共に創刊したことから、武者小路実篤は「白樺派」とカテゴライズされております。 この時期は

#439 読書論18|かもめのジョナサン(リチャード・バック)

これまでは金城一紀の小説を紹介するコーナーになってしまっていた「読書論」ですが、ちょっとテーマを変えて、いわゆる「名作」と呼ばれている著書を紹介しましょう。 本日はのかもめのジョナサンを紹介します。 かもめのジョナサン あらすじ舞台、国籍もいつの設定かは不明です。 そして登場人物も一切なく、登場するのはカモメオンリー。鳥さんたちの生活を描いた作品であり、発売されたアメリカのみならず、世界中で愛されている寓話です。 主鳥公(主人公の鳥ver)のジョナサン・リヴィングストン

#427 読書論17|SPEED(金城一紀)

気づけば金城一紀について熱く語ってしまっていますが、これで最後です。 本来であればこのゾンビーズシリーズ、最終作で「レヴォリューション No.0」という作品も紹介できるんですけど、あまり琴線に触れなかったので、一番面白かったSPEEDをラストに紹介して、綺麗なまま終わりたいというか笑 SPEED あらすじゾンビーズシリーズの第3作、今回の主人公はお嬢学校の聖和女学院に通う平凡な女子高生・佳奈子です。 そんな佳奈子の日常は、尊敬して敬愛する家庭教師・彩子さんの謎の死を持って

#408 読書論16|フライ、ダディ、フライ(金城一紀)

本日紹介する「FLY, DADDY, FLY(フライ、ダディ、フライ)」はこれまでに何度か紹介した金城一紀が贈る小説で、ザ・ゾンビーズ・シリーズの第2弾。 レヴォリューション No.3の続編となります。 主人公は中年サラリーマンなんですが、サラリーマンの悲哀、家族愛などをベースとし、ゾンビーズの面々と一緒に敵を退治しようとする、アクション&青春小説ですね。 FLY, DADDY, FLY あらすじこの物語の主人公の鈴木一(47)は平凡なサラリーマンと紹介されていますが、家

#391 読書論15|I AM ZLATAN〜ズラタン・イブラヒモビッチ自伝〜(ズラタン・イブラヒモビッチ)

以前にも「蹴球論」にて紹介しましたが、僕は元スウェーデン代表のサッカー選手であるズラタン・イブラヒモビッチをサッカー界で最もリスペクトしていました。 残念ながら2ヶ月前にスパイクを脱いでしまいましたが、今尚リスペクトしております。 その思いに関しては下記を見てもらうにして・・; そんな感じでズラタン・イブラヒモビッチの自伝「I AM ZLATAN」について本日は紹介しましょう。 ズラタン・イブラヒモビッチとは?スウェーデン史上最高のサッカー選手と言っても過言ではないでし