緋海書房/ヤバ猫

小さな出版社が発行する雑誌形態で様々なジャンルの記事を掲載しています。緋海がたくさんの…

緋海書房/ヤバ猫

小さな出版社が発行する雑誌形態で様々なジャンルの記事を掲載しています。緋海がたくさんの思いを詰め込んだnoteです。よろしければお目にとめて下さい。

最近の記事

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人生は箱詰めのチョコレートなの

Life is like a box chocolate,Forrest. You never know what you are gonna get. 人生は箱詰めのチョコレートのようなものよ、フォレスト。 食べてみるまで、中身はわからないわ。 この言葉は、有名なアメリカ映画『フォレストガンプ』の中で、フォレストの母親が息子に放つ言葉。私がとても好きなセリフのひとつです。 私の息子も、フォレストほどではありませんが、社会に順応できず生きずらい人生を送っております。 自

    • 真琴と誠 #青ブラ文学部

      「真琴、今でて来られるか? 見解を聞きたい案件があるんだ」  大学を卒業して10年以上がたち、進んだ道は違っても向かっている方角は同じ私たち。 「誠、私のこと判例辞典か何かと勘違いしてない?」 「違うのか?」 「あのねぇ、私は」  その先を伝える前に、いつものように電話を切られた。誠はラインやメールではなく、直接電話をかけてくる。電話なら私が必ず出るとわかっているからだ。しかも、クライアントとのビジネス会食を狙ってかけてくる。 「芦川先生。あの、別件で」  私は、主任弁護士で

      • 小さな世界 #シロクマ文芸部

         金魚鉢を覗き込んでいた君が、消え入りそうな小さな声でささやいた。 「幸せなのかな?」 「え?」 「この金魚鉢から逃げ出したいと思わないのかな」  そう言いながら君は、パラパラと餌を入れた。 「それはないと思うな」 「なぜ?」 「だって、優雅に舞っていれば餌はもらえるし、いつもきれいな水の中で過ごせるんだぜ」  餌を入れる君の手が止まる。 「こんな小さな世界に生きていて、息苦しくないのかな」 「君は、息苦しいの?」 「私?」  僕は、金魚鉢に視線をむけたままの君の横顔を見つめ

        • 今日は1ヶ月に1回のペースで開催される『大人の学習会』に参加してきました。 今回のテーマも「憲法9条と平和」について学びました。 安全保障や集団的自衛権について、もっと詳しく学んでいきたいと思っております。ちと、脳疲労ぎみ💦

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        人生は箱詰めのチョコレートなの

        • 真琴と誠 #青ブラ文学部

        • 小さな世界 #シロクマ文芸部

        • 今日は1ヶ月に1回のペースで開催される『大人の学習会』に参加してきました。 今回のテーマも「憲法9条と平和」について学びました。 安全保障や集団的自衛権について、もっと詳しく学んでいきたいと思っております。ちと、脳疲労ぎみ💦

        マガジン

        • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン
          34,895本
        • 冥府への玉座 全編
          17本

        記事

          マンハッタンのオフィスにて #なんちゃってワークスペース

           先日より継続中の、緋海書房ワークスペース改造計画。思いのほか難航いたしております。  まずは、つぶやいた時点で借用させていただいたお写真のオフィスのような窓が、わが緋海書房ワークスペースにはないということ。それに加え、ゲーマーが使用するようなドでかいチェア2台。場所を取るしスタイリッシュにならない💦  それでも、何とか私も息子も快適空間を維持できればと知恵を絞り、少しづつではありますが、ワークスペースが見えてきました。  不用品を回収してもらい、新たにデスクを購入してまで

          マンハッタンのオフィスにて #なんちゃってワークスペース

          夜明けの吐息色 #新色できました

           都会の喧騒から離れ、静かな海辺の町にやってきた。何の計画も立てずに、ふらっと旅に出ていた。  何に疲弊するほど持っていかれているのかは、自分自身でもわからずにいるから、旅に出たところで回復できるとは思ってはいない。  けれど、とにかく現実から逃れたかった。ただ、それだけ。 「この企画で通ると本気で思ってる?」  キャリア的には私の方が長いけれど、実績が乏しい分年下の上司には言い返すことができない。 「根古さん、ずっとファッション誌業界にいるんでしょ? この夏の新色も探せな

          夜明けの吐息色 #新色できました

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          前回 7. 覚醒ー(1) 「とにかく反響が凄いんだ。それに加えて不思議な反応があってね。聴覚に障害がある人達からなんだが、買い物でマーケットにいた時、ダイナーにいた時、そして、家族がラジオを流していた時、聞こえないはずの歌声が聞こえて来たって言うんだよ。ジミーの歌声がね。たくさんの興奮に沸いたメール、SNSが届いているんだ。音楽が頭の中で響いたってね。君たち、この歌にどんな魔法をかけたんだ?」  早口でまくしたてたセスの声が破裂寸前だった。  この歌〈ダンデライオン〉の持

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          思い立って、緋海書房ワークスペース改造計画実施いたします。 ですので、しばらくの間、不定期刊行となります。 このようなスタイリッシュな状態に少しでも近づけたい。 形から入る編集長ですので……😸

          思い立って、緋海書房ワークスペース改造計画実施いたします。 ですので、しばらくの間、不定期刊行となります。 このようなスタイリッシュな状態に少しでも近づけたい。 形から入る編集長ですので……😸

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          前回 6.寵愛ー(3) 「大丈夫かい?」  マイケルの声がとても遠くに感じる。実際、サンフランシスコとロサンゼルスは四百マイルも離れているのだから遠くに感じるのは当たり前だ。しかし、マイケルの声がクリアに聞こえないのは、この型の古い公衆電話のせいだとジミーは思った。 「君を迎えに行くことができなくて、申し訳ない」 「いいんだ。まだ警察に来るのは危険だ」 「そのかわり、早めに出られるよう力を貸すよ」 「どうやって?」 「受話器に向かって歌ってよ」 「それだけでいいのか?」

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          君に届かない音の先 #青ブラ文学部

           人ほど不思議な生き物はない。  色を失ったり音を失ったとしても、笑顔を作っていられる生き物だということ。自然界ではとうてい生命をつなぐことは難しい。それでも、人は笑うという強い武器を持っているから大丈夫。  どんな権力や迫害を受けても、笑顔でいれば立ち向かえる。そのように信じている生き物なんだ。  まあ、すべての人が彼女と同じ笑いを持ち合わせているわけではない。だからと言って、彼女が特別な能力の持ち主だということでもない。  運命というものがあるのならば、僕は信じる。僕の

          君に届かない音の先 #青ブラ文学部

          子どもの頃の言葉 #古い日記より

           寝室にある本棚に、思い出のコーナーを設けている。 両親とのアルバムだったり、結婚と息子が産まれてからの奮闘記録など家族に関するものが大半を占める。その中で、小学校から中学を卒業するまで書いていた日記帳も保管してある。時折開いてみては「き、ったない字だな」と、一人和んでいる。  日記帳であるから、日々の生活で感じたことを綴ってある。その中で、何編か『詩』を書いていた。少しかっこいい言い方をすると、私は、子どもの頃から心の叫びを『したためて』いたのだ。  寒暖計(かんだんけ

          子どもの頃の言葉 #古い日記より

          チーズケーキを焼いた。 なんで急に? と、思ったら 今日はnote継続8ヶ月突入だった。 でも、ちと燃え尽き症候群ぎみ 少し休刊します🙇 て、誰も気にしちゃアいないか🙀

          チーズケーキを焼いた。 なんで急に? と、思ったら 今日はnote継続8ヶ月突入だった。 でも、ちと燃え尽き症候群ぎみ 少し休刊します🙇 て、誰も気にしちゃアいないか🙀

          海辺パレットの二人

           彼女は、赤い海原を漂っている。浅瀬の生暖かい水流に身を任せ、楽しんでいる。穏やかな微笑みを湛え、時の流れを楽しんでいる。少なくとも、僕にはそのように感じた。  地球の、どこの浜辺だったか忘れてしまったが、まだ、空も海も、僅かな青色の配色が残されていた時代。僕は、十三歳になったばかりの彼女を連れて行った。僕は十五歳と三カ月が過ぎた時だった。  波打ち際に立った彼女が、不意に服を脱ぎ、白波へ立ち向かって走って行った。 「早く来なさいよ」  快活に笑う彼女に見とれている僕。 「い

          海辺パレットの二人

          群生の中にある愛と平和

          群生の中にある愛と平和

          冥府への玉座 第17話

          最終章 地の底からの芽吹き3. 丘の上から見える明日  春風が運んできたのかと、皆が錯覚するぐらいに白馬に乗って舞い戻ってきたポーランツ王子と白馬の騎士ヴァイスは、城内へ入ると歓喜の声があがった。  しかし、その歓待は、そう長くは続かなかった。 「今、何とおっしゃいましたか? 国王陛下」  ハフェンベルグ王国執政ハイツ二世が、困惑した表情で訊き返した。 「私は、王であることを放棄する」  と、はっきりと大きな声でポーランツ王子は繰り返した。 「そ、それは、まさに……」  

          冥府への玉座 第17話

          冥府への玉座 第16話

          最終章 地の底からの芽吹き2. 感奮興起で向かう故国  瞼の裏にあたる陽が眩しい。 ポーランツ王子と白馬の騎士ヴァイスが目覚めた場所は、幼い頃、城を抜け出しては二人で訪れていた『エンゲルの丘』の上だった。  もう二度と、この丘を訪れることができないだろうと思っていた。こうして、また二人でこの丘に戻ってくることができた奇跡に感謝した。  人は、生きていくためには、幾度となく選択を迫られる。上か下か、右か左か。その選択を誤れば、生死にかかわることも多くなる。  ここに戻ってく

          冥府への玉座 第16話