なべぞう

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うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~社会人10年目のいま思うこと~

私は今年で社会人10年目になる。全体を通して、学生時代が楽しくなかったことに比べて、社会人生活は随分楽しいと思っている。 だが、つらかった新人のときのことを思い出すと、見えない障害抱えながらもよくここまで頑張ったなと思う。 私は新人だった当時、人前での緊張が強かったり、夜眠れなかったりしたため、病院で処方された薬を飲んでおり、手や足の動きが緩慢になっていた。階段を上るときはふらつくため、若くても手すりを使わないと上れなかったり、ノートに手書きで字を書くこともままならなかった。

    • うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~普通に生きてるだけなのに~

      私は人前での緊張が強く、第一印象が良くないので、他者から信頼を得るのに時間がかかる。その代わり、体力には自信があるので、3~4年間、毎日9時から22時まで働いても、まったく体調を崩さない(風邪すら引かない)。過去には、このような働き方をすることで、やっと周りから認めてもらえたということもあった。 「第一印象が良いこと」が「3~4年間毎日9時から22時まで働けること」に匹敵するというのは、なかなか酷な話である。これまで生きてきた中で、話すのが下手だったり、声が小さかったりする

      • うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神障害を説明する動画を見つけた~

        私の会社では、毎年、人権研修というものがある。昨年度の人権研修のテーマが障害のある方に特化したものであり、今回は内閣府の動画を視聴した。その中でも、「精神障害のある方について」という動画は、私の症状に近い症状(社会不安に近いもの)をよく表しているため、よくできている動画だと個人的に感じた。(精神障害というと多くの方はうつ病の症状を思い浮かべがちだと思われるが、この動画は社会不安に焦点を当てているように思われる。)もっと世の中に広まってほしい。 事例動画一覧 | 障害者の差別解

        • まだ、いたい

          また、あそこに落ちていくのか。もう、あの時代には戻りたくない。 新卒で入社した会社で、入社7年目の終わりに、初めての人事異動を告げられた。 それまで私が所属していた部署は、会社の花形部署であり、そこから異動することは、事実上、左遷を意味している。 仕事で必要な資格は、誰よりも早く取ったではないか。 社内で一番、昇進が早かったではないか。 業績が上位に入り、社内若手の個人賞を受賞したではないか。 どうして。どうして。どうして。 「栄転おめでとうございます」 上司

        うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~社会人10年目のいま思うこと~

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科検査編②~

          うつ病アラサー会社員が、気分の浮き沈みのある自分と向き合うために行っている試行錯誤(「うつ消し実験」)の数々を紹介する記事。今回は、精神科での特殊な検査体験を紹介する。 【精神科での検査】 都内などには、特殊な検査ができる精神科病院がある。普段はカウンセリングやデイケアを受診するために、地域の精神科に通っている私だが、特殊な検査を受けるために、1度だけ来院した病院が2つあるため、今回は①に続き、もう1つを紹介する。 <QEEG検査>(ブレインクリニック) 脳波(アルファ、

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科検査編②~

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科検査編①~

          うつ病アラサー会社員が、気分の浮き沈みのある自分と向き合うために行っている試行錯誤(「うつ消し実験」)の数々を紹介する記事。今回は、精神科での特殊な検査体験を紹介する。 【精神科での検査】 都内などには、特殊な検査ができる精神科病院がある。普段はカウンセリングやデイケアを受診するために、地域の精神科に通っている私だが、特殊な検査を受けるために、1度だけ来院した病院が2つあるため、今回はそのうちの1つを紹介する。 <光トポグラフィー検査>(品川メンタルクリニック) 安全な近

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科検査編①~

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科カウンセリング編~

          うつ病アラサー会社員が、気分の浮き沈みのある自分と向き合うために行っている試行錯誤(「うつ消し実験」)の数々を紹介する記事。今回は、精神科カウンセリングの受診体験を紹介する。 【精神科カウンセリング】 私の通っている病院では、1回50分3300円(保険適用外)で毎回同じ担当カウンセラーで、患者ごとに決められた週単位のコマでカウンセリングを受けることができる。私の場合は、隔週水曜日9時開始の枠でカウンセリングを受けている。この記事の執筆時点では、隔週1回のカウンセリングを約1

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科カウンセリング編~

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科デイケア編②~

          うつ病アラサー会社員が、気分の浮き沈みのある自分と向き合うために行っている試行錯誤(「うつ消し実験」)の数々を紹介する記事。今回は、精神科のデイケアプログラムのうち、前回の記事「精神科デイケア編①」(発達障害向けデイケア)に続き、うつ病患者向けデイケアについて、「精神科デイケア編②」として紹介する。 【うつ病患者向けデイケアプログラム】 私の通っている病院では、土曜日の午後に週1回2時間程度で全4回のデイケアプログラムが用意されている。毎月同じテーマで開講されているので、ど

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科デイケア編②~

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科デイケア編①~

          うつ病アラサー会社員が、気分の浮き沈みのある自分と向き合うために行っている試行錯誤(「うつ消し実験」)の数々を紹介する記事。今回は、精神科のデイケアプログラムへの参加体験を紹介する。 「デイケア」というと、高齢者介護サービスを思い浮かべる方が多いかもしれないが、精神科にもデイケアがある。精神疾患患者を対象に病院で行われる集団リハビリプログラムである。 私が精神科デイケアに参加したきっかけは、たまたま会社の人事から紹介された会社近くの病院にデイケアプログラムがあったから。(私が

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」~精神科デイケア編①~

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」

          私は、現在30代の会社員。10代の頃から、落ち込みなどの精神的な不調を抱えることが多くなり、高校生のときから現在まで約15年間、「社会不安障害と発達障害(ASD)傾向による抑うつ状態」で精神科へ断続的に通院している。 日単位、月単位、年単位それぞれで気分の波があり、気分の良いときと悪いときを繰り返している。それによって休学・休職などはしたことがないものの、ひどい気分の浮き沈みで身体が動かなくなることや、それによって周囲の人から理解されないことに苦しんでいる。 一方で、思えば最

          うつ病アラサー会社員の「うつ消し実験」

          コロナ禍の社会人の学びを考える

          皆さんは、コロナ禍で、以前と比べて勉強時間は増えただろうか? おうち時間を利用して、勉強時間が増えたという人もいるかもしれない。だが私は、逆に勉強時間が減った。正確には、「資格の勉強」にかける時間が減った。 私は、コロナ前は、自分の仕事に関係ある資格はもちろんのこと、仕事に直接関係しない資格であっても、時間の許す限り取得していた。仕事に関係ない資格の勉強をしていると、周りの人から「転職するの?」などと聞かれることもあるが、そうではない。私が資格の勉強をする理由は主に2

          コロナ禍の社会人の学びを考える

          「好きを仕事に」と「仕事を好きに」

          「システムエンジニアってことは、理系?」 「学生時代から、その分野を専攻していたの?」 私が初対面の人に自分の職業について話すとき、このようなことを聞かれることが多い。私は新卒で入社してから6年以上、IT業界でシステムエンジニアとして働いている。だが実は、私は学生時代の専攻が法学の文系人間である。特にITに興味があったわけでもない。どちらかというと、PCの操作やITなどを苦手としていたタイプの人間である。 そんな私がなぜIT業界に入ったかというと、「それしかなかったから」

          「好きを仕事に」と「仕事を好きに」

          「生きる力」は人それぞれ

          「あなたには、『生きる力』がない」 当時8歳だった私に、小学校の担任の先生がかけた一言。当時の私は、それを聞いて目の前が真っ暗になった。私はその言葉を、「あなたは、大人になるまで生きられないよ」という意味に受け取った。余命宣告を受けたような気分だった。 その発言の経緯は、次の通りである。 私は小学校時代、言葉を理解する能力はあるものの、極度の緊張により学校ではほとんど言葉を発することができない状態だった。そのため、通常の学級の他に、「特別支援学級」と呼ばれる、障害

          「生きる力」は人それぞれ

          おとなしかった私が高校時代に演劇部に入部した話

          「『本当の自分が見えてくる』……か」 私は迷っていた。高校の新入生歓迎イベント。部活動の紹介チラシを沢山もらったが、その中でも、演劇部のチラシがどうしても気になる。手書きのイラストに、「本当の自分が見えてくる」という文言が添えられている。確かに、演劇でもやってみたら、自分と向き合えるし、自分を変えられるのだろうな。今日、体験入部があるみたいだけど、覗いてみようか。でも、私にそんな勇気があるだろうか。 やっぱり私にとってはハードルが高い。中学時代、家庭の事情で部活動に所属し

          おとなしかった私が高校時代に演劇部に入部した話

          自分でできるメンタルケア~「コロナうつ」を吹き飛ばせ!~

          「予約は、半年先になりますね」 うつ病の診断を受け、心理カウンセラーによるカウンセリング治療を希望した私に、医師が告げた一言。治療が半年待ちって……。今悩んでいるから、すぐ治療が必要なのに、どういうことなのか? この病院は、特別予約待ちが長いのかもしれないと思い、他の病院も当たってみたが、どうやら、どこの病院も同じくらいらしい。 過去に発達障害の検査を受けたときにも同様のことがあった。私は発達障害の疑いがあり、専門の施設で検査を受けたいと思ったことがあったが、そのとき

          自分でできるメンタルケア~「コロナうつ」を吹き飛ばせ!~