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ゲー選かけ流しvol.8 『星のカービィ ディスカバリー』

ゲームの選評を気の向くままにチビチビとかけ流す、ぬるま湯スペース。
今回は『星のカービィ ディスカバリー』。発売から2年経ったゲームではあるものの、今もロングテールで売れているゲームである事と、サントラが発表になった事もあり、改めて本作の魅力をまとめたいと思う。

<筆者のカービィプレイ歴>
・初めてプレイしたシリーズ作品は『星のカービィ』
・2Dアクションタイプの『星のカービィ』はほぼクリア済み
・パズルなどの派生作品は程々にプレイ済み
・最も気に入っている作品は『星のカービィ64』
・『ディスカバリー』は「はるかぜモード」で100%クリアまで


3Dアクションとカービィの相性の良さが光るゲーム性

『星のカービィ ディスカバリー』はシリーズでも初の3Dマップを探索するゲームとなっている。過去作では『星のカービィ64』以降、演出上は奥行きを感じさせるゲームは数多くリリースされたものの、プレイヤーの操作系は2Dアクションゲームの文法のままだった。本作でついに3Dアクションに本格的に手を付けた形となる。

奥行き表現はあれど、実質2Dアクションが
今までのカービィシリーズだった。
(画像は『星のカービィ64』)

1stトレイラーを見てオープンワールドを期待する人も多かったものの、実際にはステージクリア型で、肩透かしを喰らったプレイヤーが居たかも知れない。とは言えゲームの完成度は十分で、プレイ後の評判は上々。特に3Dアクションとの相性はピッタリだと感じた。

3Dのアクションゲームには「Z軸(手前/奥)方向のジャンプ時に距離と空中制御を視認しにくい」という根本的な問題が存在する。結果的に3Dアクションゲームの中にはジャンプの軌跡をガイダンス表示するなどしてフォローする作品もあったりする。

一方、カービィはホバリングができるので、「ジャンプの距離を間違えた」「足場から踏み外した」というリスクを実質無効化できる。この安心感はカービィシリーズの強みであり、3Dアクションでこそ最大限に輝く魅力と言える。

ジャンプの慣性制御が簡単とは言っても、ボスキャラは多彩な攻撃でカービィに襲い掛かってくる。はるかぜモードであっても十分歯ごたえのあるバトルを堪能できる。

空中制御がイージーとは言え、ボス戦はちゃんと
パターンを見切って立ち回らないとダメージは必至。

近代カービィでは恒例となっている作品限定のスペシャル能力は「ほおばりヘンケイ」。使えるシチュエーションは限定的ではあるものの、敵をなぎ倒したり探索に必要となる能力で、ゲームの程よいアクセントとなっている。

カービィにも吸い込めないものがあったのか。
そもそも吸い込む気がなかったのか。

拠点を中心としたやり込みの数々

本作は『星のカービィ』シリーズ恒例の、ステージ内に散りばめられた隠し要素を収集するのがやり込みのメインとなる。今作は敵勢力である「ビースト軍団」に捕らえられたワドルディを集める事が、拠点である「ワドルディの町」の発展に繋がっている。

発展した町をバックにハイポーズ。
カービィのキャラ達が好きな人ならこれだけで幸せ。

本作に限らず、様々な要素が開放され拠点が徐々に大きく発展していく様を見るのは楽しい。カービィとしては初めてになるのだけれど、ここまで拠点育成システムとカービィの相性が良いとは予想できなかった。カービィのピースフルな雰囲気と拠点の空気感がマッチしていて、拠点をダラダラ歩き回っているだけでも楽しい。

メインとなるアクション要素にもテコ入れが行われている。カービィシリーズで欠かす事の出来ないコピー能力に進化(レベル)の概念が追加され、攻略の幅が広がった。

進化したコピー能力は順当に強くなっていく。
おや、どこかで見たフォルム…?

町には他にもミニゲームを堪能できるスペースやコロシアム、フィギュアを収集するガチャもあり、やり込み要素の幅も広くて深い。シリーズでも恒例となったサウンドテスト、ムービーシアターもあり、鑑賞要素も完備。筆者としては、本作のメインテーマとなっている「WELCOME TO THE NEW WORLD!」を堪能できるだけでも大満足だった。

おなじみのサウンドテストで
WELCOME TO THE NEW WORLDを聴くと
お耳が幸せ。

まとめ

本作は『星のカービィ』シリーズの新機軸として大きなチャレンジに挑戦し、シリーズ最高の売上をたたき出すという上々な成功を収めた作品となった。

今後も3Dアクションのバリエーションを増やし、やがてオープンワールド方面へ進んでいくのか、マリオのように2Dアクションもコンスタントに出していくのか?
興味は尽きないが、いずれにせよ次の新作でも完成度の高いアクションゲームを作ってくれるという期待を持たせてくれる。

本作を一言で表すならば、
「プレイヤーをシリーズのNEW WORLD(新天地)へと導いた会心の3Dアクションゲーム」
である。

オープニングを見ている時のワクワクは、
『星のカービィ』シリーズの未来への
ワクワクへと続いていく。

選評は以上。次は4月のプレイレポートを書く予定。
次回もよろしくお願いします。


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