佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 店主。 https://ho…

佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 店主。 https://honkytonkguitars.com 楽器(ギター、トランペット)好きです。 ここでは、特に好きなカントリーミュージックの楽器についてを中心に書きたいと思います。

最近の記事

Glenn Campbellの”Adiós”をJBLで

17の時に家を出た。君と一緒にいるために。 浜辺にある古びた酒場で一晩中マルガリータを飲んで、 そんなJimmy Webbの「adiós」という歌の歌い出しのような青春に憧れる気持ちはあるけれど、極東の、北海道出身の私にはこういうロマンチックな青春が似合わないのはよくわかっている。 今日、店に友人が来てくれて、店や商売についての相談を聞いてくれた。そこで話しているうちに自分が17、18だった頃の話になって、忘れかけていた思い出話を友人相手にぶちかましてしまった。しかしその

    • 隠れた名作アルバム。Jimmy Webb「Suspending Disbelief」

      Glenn Campbellが亡くなってしまったのは、もう5年以上前のことだろうか。カントリーミュージックだけにとどまらず、数々の名曲を歌い続けた偉大なシンガーであり、凄腕のギタリストでもあった。 Glenn Campbellのギタリストとしての側面は、あまり多くは語られてこなかったのかもしれないが、彼は元々スタジオミュージシャン、それも売れっ子のプレーヤーであった。 ビーチボーイズをはじめとして、多くのアルバムで彼はギターを弾いている。私もあまり詳しくはないのでその辺りは

      • ブロンズ弦とフォスファーブロンズ弦の一長一短について

        今日、店でギターレッスンの際に使っている私物のアコースティックギターのネックが少しだけ順反りしていたので、トラスロッド調整をしようとロッドカバーを外していたら、3弦が切れてしまった。 ギターのネック調整をするついでに、弦も交換することにした。 私の店ではGHSのフォスファー・ブロンズのライトゲージをアコースティックギターの標準弦にしているので、それを張ることにした。 元々、このギターには自宅にあったダダリオの通常ぼブロンズ弦を張っていたのだが、フォスファー・ブロンズにする

        • ペダルではないスティールギターも弾けるようになりたい!!

          私は、スチールギターという楽器が好きで、スチールギターもののレコードを色々と持っており、結構な頻度で聴いている。 そもそも、スチールギターという楽器は、ハワイアン音楽とカントリーミュージックぐらいにしか使われていないので、スチールギターもののアルバムといえば、ハワイアンかカントリーのものぐらいしかないのであるが、ハワイアンはほとんど聴かないので、主にカントリーのアルバムを聴いている。 1970年代以降のカントリーミュージックで聴くことのできるスティールギターは、大半がペダ

        Glenn Campbellの”Adiós”をJBLで

          ペダルスティールギター、またきちんと練習してみようかな。

          先日、少し遠方よりカントリーのペダルスティールプレーヤーの方が来店された。ペダルスティールプレーヤーは絶滅危惧種だということで、三ノ輪(南千住)に私の店があり、そこに多少スティールギターも取扱があるときいたとのことでわざわざお越しいただいたのだ。 確かにペダルスティールギターを演奏しているという人口はそれほど多くはないので、マイナー楽器なのだけれど、そのかたのお話を伺っていると、かつて(50年以上前のことか)カントリーミュージックブームが日本でもあり、その頃皆こぞってペダル

          ペダルスティールギター、またきちんと練習してみようかな。

          ピアノ音楽に再び出会えて本当に良かった。

          今日は昨日新宿で購入したJazzのアルバムを聴いている。仕事中いつも音楽をかけているのだけれど、最近はJazz7割、カントリー3割ぐらいの割合だろうか。 自宅にはレコードも含めるとジャズのアルバムばかりで、半分ぐらいがジャズ、3割がカントリー、残りの2割がロックとクラシックという感じである。ジャズも、半分ぐらいがトランペットもので自宅でジャズを聴くときはほとんどトランペットもののジャズである。 かといって、ジャズばかりを聴いているかというと、必ずしもそういうわけでもなく、

          ピアノ音楽に再び出会えて本当に良かった。

          楽器の練習と楽器道楽の狭間で

          最近久しぶりにトランペットを練習している。 私は、年に三回ぐらい急に思い立って楽器の練習を始めたりするのだが、大抵は1月も続かない。それではいけないと思い、楽器の手入れも兼ねて楽器を引っ張り出してきて練習するようにはしているのだが、それでもなかなか上達しない。 先日書いた通り、最近はKingのDizzy Gillespieモデルで練習しているのだが、楽器の方は十分気分が出る代物なのだが、自分の方はなかなか楽器に追い付いていない。Dizzy GillespieといえばBe B

          楽器の練習と楽器道楽の狭間で

          楽器の見た目は重要!! King Dizzy Gillespieモデル

          私は趣味でトランペットを吹いたりしているのだけれど、どちらかといえば吹いているというよりは、トランペットを収集していると言ったほうが近いかもしれない。 それでも、楽器の中ではトランペットという楽器が一番好きで、次いでエレキギター、ローズピアノという順番である。と思う。 実のところ、付き合いの長いエレキギターのほうが好きなのかもしれないけれど、エレキギターは上手くないと目立てないのに対して、トランペットは上手くても目立つし、下手でも目立つという一面(欠点?)がある。 トラン

          楽器の見た目は重要!! King Dizzy Gillespieモデル

          さよならDuane Eddy

          Duane Eddyの訃報が飛び込んできた。 彼の音楽が好きな私としてはとても残念なニュースである。Duane Eddyのようにギターを鳴らすことができるギタリストは他にいなかった。 彼はシンプルなフレーズを弾くだけで、エレキギターというものがいかにかっこいいものかを証明したギタリストであった。Gretschを弾いていても、Guildを弾いていても、常に彼の音がアンプから飛び出してきていた。テクニカルなフレーズなど無くても、彼が弾けばそれがロックンロールであろうとロカビリー

          さよならDuane Eddy

          ポール・オースターが亡くなってしまった

          昨日妻と一緒に上野を散歩し、帰りに上野駅の駅ナカの書店に立ち寄りなんの気無しにポール・オースターの文庫本を購入した。なんとなくポール・オースターの小説が懐かしくもあり、久しぶりに読んでみたくなったのだ。 その本は今読み進めている最中なので、まだ感想を書けるような段階ではないのだが、今のところポール・オースターらしいストーリーテリングの妙味があり、楽しく読み進めている。 ポール・オースターという作家は私にとって「青春の作家」の一人である。20代の頃、彼の本を数多く読んだ。新

          ポール・オースターが亡くなってしまった

          1965年製Gretschのネックリセット

          昨日は月末だというのに一日暇で、仕方がないので私物の1965年製Gretsch 6117を店に持ってきてネックのリセット作業を行っていた。 そもそも、このGretschのネックは過去三回ぐらい外したりつけたりしているのだが、リセットしたところで半年もするとすぐに起きてきてしまいギターとして使えなくなってしまう。 今まではタイトボンドを使ってリセットをしていたのだけれど、タイトボンドよりも強力と謳っているゴリラボンドというのを手に入れたので、真偽の程は知らないが、ボンドの実

          1965年製Gretschのネックリセット

          楽器(ペダルスチールギター)のハードケースを製作した

          先日、ペダルスチールギターを仕入れたのだけれど、本体のみでハードケースが無かった。 ハードケースがなければ、販売することができないので、店オリジナルでペダルスチールのハードケースを製作した。 ちょうど、同じ型式のモデルを個人的に所有しているので、そのハードケースを採寸して製作した。これが、案外早く完成した。 まず、手持ちのハードケースを採寸し、その大きさになるように外側の枠の展開図を書いた。それをもとに、ホームセンターで売られているベニヤ板から切り出すためのラフな図面を書

          楽器(ペダルスチールギター)のハードケースを製作した

          写真家の豊原康久氏に教わったこと

          先日、あるSNSを見ていたら、昨年に写真家の豊原康久氏が亡くなったとの情報が出ていた。本当なのかどうなのかはわからないけれど、本当だとしたら、とても残念なことだ。 豊原氏は写真集「Street」で木村伊兵衛賞を受賞した写真家である。一貫して道行く人々を撮影するストリート・スナップを撮っていて、その作品はどれも爽やかで、押し付けがましくなく、それでいて印象に残る写真群である。 私は、豊原氏の写真が好きで、出版されている写真集はどちらも持っている。何度か写真展を見に行ったこと

          写真家の豊原康久氏に教わったこと

          このアルバムで、Merle Travisが弾いているのはD-28だろうか。

          今日の東京は気温が26度にも上がって、少し暑いくらいであった。 つい先日まで暖房をつけていたぐらい寒かったのに、急にこんなに暖かくなるなんて、東京の気候もどうにかしてしまったのかもしれない。 そんなことを考えながら、例によって誰も来店客がいないので、独り店で音楽を聴いていた。 村治佳織さんのベスト盤を聴いていたのだけれど、それが終わってしまったので、その次にMerle Travisが1959年にボストンで行ったライブ盤を聴いていた。 このライブ盤でMerle Travis

          このアルバムで、Merle Travisが弾いているのはD-28だろうか。

          雨の午後に聴くアルバム

          今日は昼頃から一時間ぐらい雨が降った。 これは誰もがそうなのかもしれないけれど、雨が降ると気分が少し暗くなる。陰鬱な芸術というものもある通り、それは必ずしも悪いことではないけれど、気分が暗くなるというのはあまり良いことでもない。 雨が降ると店に人が来ない。 そもそもが滅多にお客様は来ない店であるのに、雨が降るとみんな外出しなくなるので、わざわざ楽器屋を訪ねてくる人は減るし、こういうふうに暗い気持ちになったら、生活必需品でもない大きな買い物はしない方が多いので、インターネット

          雨の午後に聴くアルバム

          「ジャパン・ヴィンテージ」っていったい...?

          知り合いがFacebookでFender Japanの中古の値段が30万円ぐらいになっていて驚いたという旨の投稿をされていた。 確かに、近年80年代の初期のFender Japanの価格は高騰している。曰く「フジゲン製」だとか、「JVシリアル」だとかのことで30万円を超える商品も出てきている。今、国産のエレキギターの新品が25万円〜ということを考えると、中古のギターとしてはとても高い価格であると思う。 昨今の為替の影響でギター、特に輸入物のギターの値段は上がっている。また、

          「ジャパン・ヴィンテージ」っていったい...?