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【詩篇】春、Now on sale.


『嘘』

ねえ、最近、うそだよってよく言うんです
うそだよって
ひそひそと
言うんです
背中で十字を切るんです
親指を隠すんです
そうしたら、ぜんぶうそになる気がして
でもねえ、先生。
うそが下手なひとほど、にっぽんごが下手なひとほど、
うそつきに憧れるものなんですね
教えてくれたら
もっと上手くやったのに。


『早口で、さあまくしたてて』

きみは嫌いだと言う
赤い背景に黒い明朝体で潰すように
ひとを殺す漢字の羅列が歌詞になる曲が
可視化されたおかしいうたが
きみは嫌いだと言う
早口で、早口でさあ、まくしたてて
きみが嫌いなきみの歌を僕が嫌いになれるように
人間向きじゃないその速度でよく回る舌で
歌ってよ


『ブロンをきめてたからなのに』

あたしばかだよね
ばかって自分のこと言うことで許されようとしてるよね
そういうところ、あるよね
白い錠剤を瓶いっぱい飲んであたまきもちくなったらダメなんだって
ダメなんだって
(禁止、禁止、禁止、禁止のプラカード)
今日もきっと、ご飯は吐くよ
悪い夢も見てきっとうなされる
あたまきもちくなった罰
それでも生きてたいの
最低だよね
あたし、ばかだよね


『ふわり』

長い夢を見ていたような気がする
嬰児を絞める夢を
イヤホンから点滴を受ける夢を
白い綿のタンクトップ一枚で夏の夜空を泳ぐ夢を
風船を割る夢を
遊園地のオレンジジュースの噴水の夢を
名前も知らないあなたの夢を
32種類のアイスクリームに詰まった思いやりについての夢を
ふわり
見ていた気がする


『わたし獄中姫』 - 頂き女子りりちゃんに捧ぐ

かみさま.罪深いわたしをお許しください.
かみさま.気持ちよくなりたかっただけだとしてもわたしのこと認めてよ.
(うそでーす、かみさまなんて信じたことないよん)
ゴミみたいな人生なのはほんと、わたしも一緒だった
本読んでも腕切っても自分のこと殴っても、しょうがないしょうがないから涙が出る.なんだろーね人生って
泣いても泣いても幸せになれないからもう泣きたくないな
何言っても誤解されるんだろうな。たぶん

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