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長編『旅客機からの緊急脱出』より GW特別企画【毎日2分の重大情報⑥】

5. ジェット機とプロペラ機

興味深いのが、プロペラ機はより危ない、という通説です。何度ジェット機が事故にあって大ニュースになっても、プロペラ機はやはり危なく、遅い、という考えが根深くあるように思えます。そもそも危険だとして、そんな飛行機にまずパイロットが乗ると思われますか?遅いと文句を言われるのは航空会社です。そんなものをわざわざ大枚はたいて購入すると思われますか?

多くの航空会社が運航しているプロペラ機はターボプロップ機というもので、いわゆる皆さんが2~4人乗りのセスナ機と認識しているプロペラ機(レシプロエンジン)とは全く違う乗り物なのです。プロペラがついているもののジェットエンジンで回しているものなので、とてつもないパワー。初期訓練などで使用するセスナ機とは性能が比べ物になりません。巡航高度はセスナ機ではとても到達できない高さですし、速度も短距離においてはジェット機と飛行時間はさほど変わらないのです。新しければ最新のコンピューターや機能も搭載されているので、むしろ古いジェット機よりコクピットもモダンで進化しています。「そんな機能ついてるの?いいなぁ」なんて会話もパイロット同士であります。新しいスマホが、古い世代のものより性能が良いのと同じです。

ではなぜジェットエンジンがついているのに、プロペラがついているのか。それは短い滑走路で止まる必要があるからです。国際線が飛んでいない小規模の空港では、滑走路も短いのです。中・大型ジェット機で運ぶほどではない数の乗客を地方へ飛ばすことを考えて下さい。運航する路線によって、採算の合う客席数の飛行機を選んで航空会社は飛行機を購入しているのです。会社が社運をかけて選択する飛行機に危ないものなんてあるはずがありません。ジェット機に比べはるかに燃費も良く、世界中の航空会社でターボプロップ機は運航されています。アメリカのような飛行機社会ではもっといろんな種類のターボプロップ機が運航されているので、乗客にとっても馴染みがあり社会に広く受け入れられています。日本の航空界はまだまだ発展途上、この現状は仕方ないことかもしれません。各航空会社はもっと誤解が生まれないように上手にアピールしていけば良いと思うのですが。
ブランドイメージ命の航空会社がそのロゴをつけて飛ばしているジェット機とプロペラ機。安全性に相違はありません。ある訳がないのです。

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