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長編『旅客機からの緊急脱出』より GW特別企画【毎日2分の重大情報②】

1. 「絶対に安全」は存在しない

飛行機に乗って緊急事態に出会う確率はとてもとても低いものです。宝くじ1等に当選するよりはるかに低いのです。ほとんどの乗務員(CA・パイロット)が危険な目にあうことなくキャリアを終えます。それが理想ですし、そうあるべきです。しかし飛行機が飛ぶという限り、危険はつきものです。

A ship in harbor is safe, but that is not what ships are built for.

「船は港に停まってる時が一番安全。でも海に浮かべるために作られたのではない。」

なんて言葉があります。
「安全」の勉強をする時には必ず出てくる、と言っていいほど有名な格言。僕もアメリカの大学の授業で習いましたし、その後もちょこちょこいろんな文献やセミナーで目にする言葉です。

「絶対な安全」というものは存在しません。車の運転もそうです。絶対に事故にあわないようにするには、車に乗らないことしかありません。

空の世界で絶対な安全を守るためには、飛ばないことしかありません。飛ぶ限り危険はつきもの。危険な目に合わないように組織をあげて全力で安全運航を目指すしかないのです。一つ何かが起こっても 次にカバーするシステムがちゃんとあって、飛行機に搭載されているシステムも二重、三重に守られているのが標準です。それでも人間の作った機械は壊れますし、事故は起こります。

だからこそ人間が最後の砦になるのです。これだけ安全を目指しているのにも関わらず事故が起こってしまった場合、CAやパイロットが皆さんをできるだけ安全に脱出させようとしますし、そのために厳しい訓練を重ねています。

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