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将来の夢を職業名で答えるのって変じゃね?


2024年4月30日(火)朝の6:00になりました。

僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえてやることなんだ。

どうも、高倉大希です。




「将来の夢は、お医者さんになることです」

将来の夢を職業名で答えることに、ずっと違和感がありました。


お医者さんになればそれで終わりなのか?という話です。

大切なのは、お医者さんになった上で何を実現したいかです。


進学も就職も、あくまでもひとつの手段でしかありません。

将来の夢は本来、名詞ではなく動詞で語られるはずです。


僕のおすすめは、夢を職業名ではなく「したいこと」として言葉にする。言い換えると、夢は「名詞」ではなく「動詞」で捉える、というやりかたです。

小林賢太郎(2024)「表現を仕事にするということ」幻冬舎


一体、何がしたいのか。

一体、なぜしたいのか。


この二点が整って、ようやく手段の話に入ります。

夢を叶える手段として、進学したり就職したりするわけです。


もちろん、既存の進路に進まなくてもかまいません。

新たな枠組みを自らつくり出すことだって、立派なひとつの手段です。


抽象の世界での「単純化」は、短絡的思考とはまったく対極のもので、対象が複雑であればあるほどよく、それをいかにシンプルにするか、まさに「具体と抽象とのギャップの大きさ」を追求することです。一方の「短絡的な思考」は、具体の世界だけで一つのサンプルを見て、「〇〇人は××だ」というような結論を簡単に出してしまうようなことを指します。

細谷巧(2014)「具体と抽象 世界がわかって見える知性の仕組み」dZERO


多くの場合において、進学先や就職先の決定を急ぎすぎているような気がします。

はじめから並んでいる選択肢を見て、どれにしようかなと考えがちです。


だからこそ、「何がしたいの?」と聞かれたときに慌てます。

だからこそ、「なぜそれがしたいの?」と聞かれたときに慌てます。


取り繕った理由なんて、簡単にバレてしまいます。

そもそもの考える順番が、大きく違っているからです。


思考がもっとも大きな目的、つまりここに挙げたすべてに共通する目的に資するために進化したのはまちがいない。その目的とは「行動」だ。思考は、有効な行動をとる能力の延長として進化した。目的を達成するために必要なことを、より的確にできるようになるために進化した。

スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック(2021)「知ってるつもり」早川書房


「将来の夢は、お医者さんになることです」

こう答える子どもを大人が褒めるから、ややこしいことになってしまいます。


末端にある手段だけを、ふるいにかけても仕方がありません。

根本にある思いの解像度を上げない限り、手段ともマッチするわけがないのです。


こうして、大量の夢迷子が発生します。

やっぱり、将来の夢を職業名で答えるのって変じゃね?






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