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なぜAI時代で「問題発見力」がビジネスマンにとって不可欠になるのか?


フォレスト出版編集部の山田です。

昨今では、AI時代を生きるビジネスパーソンにとって必要なスキルとして「問題を発見する力」が注目を集めています。いままでは問題をいかに速く正確に解決できるかがビジネスパーソンに求められていました。しかし、人間の多くの仕事をAIが代替していくことが予想されるなかで、AIにはできない問題を発見する力が今後問われるといわれています。

一方、そんな時代のシフトを感じつつも、そもそも問題発見とは何で、問題解決とはどう違い、なぜ重要なのかについて、まだいまいち腹落ちできていないという方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、『問題発見力を鍛える』(細谷功 著、講談社)から、問題発見とは何で、今後ビジネスパーソンにとってなぜ重要なのかについてご紹介させていただきます。

まず問題解決とはどのようなことかについて見ていきたいと思います。
著者によると、問題発見とは「身の回りの具体的な事象の観察から解決すべき問題を見つけ出すことで、それを実際に解くべき問題として定義する」ところまでを指します。

一方、問題解決とは、「問題発見で問題が明確に定義されたポイントからその後のプロセスのこと」を指すそうです。つまり、一連の思考工程でいうと、川上側が問題発見、川下側が問題解決となり、両者は全く逆の思考回路になるわけです。

そして、いままでは会社や上司から「与えられた問題を解く」ことが求められていましたが、AIの発展に伴って、「自ら問題を能動的に発見する」ことへとその重要性がシフトしてきています。そのため、今後は従来の問題解決型の思考回路を、正反対に転換しないと問題発見できないと著者は言っています。

とは言っても、「私の仕事は与えられた仕事をこなすことで、あとはいかに成果物の品質を上げるかだから、あまり関係なさそうだな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、問題発見する力はどんな人にも重要になってくる、と著者はいいます。なぜなら、どんな状況にも問題を発見することが必要になる場面は出てくるからだそうです。これに関して、著者は以下のように述べています。

 比較的時代が安定している時には、ビジネスにおいても仕事の流れがある程度定型化されているために、だまっていれば仕事が流れてきます。そのような場合に重要なことは、決められた仕事をいかに効率的に数多くさばくかになります。
ところが変化が激しく、不確実性が高い環境下においては、否定形な仕事も多くなり、なにより仕事そのものがだまっていても降ってくるわけではなく、自分なりに探しに行く必要が出てくるのです。
 ここで本節冒頭の問いにもどりましょう。
 顧客との関係も、定常的な関係においては毎年毎月同じような発注がくるような環境から、ビジネス環境が大きく変わることで変化が生じています。顧客自身も何をどうやって頼んでよいのかがわからないために、だまっていても注文が自動的に入ってくることはありません。

つまり、ビジネス環境の変化が少なかった時代は自動的に仕事は入ってきていました。しかし、いまは変化が激しいために顧客自身も何をどう解決したらいいかわからなくなってきています。そのため、そもそも顧客は何について悩んでいるのか、まず考えなければなりません。だから、AI時代では自分から問題を見つけ、仕事そのものを発掘する必要があるというわけです。

以上、AI時代に問題発見力が重要である理由についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

もしかしたらAI技術の発展により、問題発見もAIができるようになるかもしれません。しかし、いまのところはAIに問題を与えるのは人間であり、「解くべき問題」を探すのは今後も人間の役割となりそうです。そのため、今から意識的に「問題を発見する力」を鍛えていくことは重要であると考えられます。本書には、問題発見力の高め方についても解説されているので、もしご興味がありましたら、ご参考になさってください。


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