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【経営者】破産すれば、楽になれるか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
中小、零細問わず、会社経営において、資金繰りがうまくいかない、大型クライアントからの仕事を失ったなど、さまざまなトラブルや困難にも立ち向かい、できることはすべてやった、万策尽きた……。そんなとき、経営者なら、倒産や自己破産を考えてしまうものです。
 
そんなとき、大半の銀行や弁護士は、自己破産を勧めてきます。
 
しかし……。

自らも140億円の負債から自立再生を成し遂げ、1500社以上の中小零細企業の社長を救ってきた経営アドバイザーとして知られる三條慶八さんは、

「何があってもあきらめるな。きっと道が見つかる」
「借金で殺されるわけではないから心配するな」

と、多くの相談者にアドバイスしていると言います。
 
自己破産をしてしまうと、借金の取り立てがなくなり一見ラクになるものの、日本の現行の破産制度だと、それこそ破産前より厳しい状況が待っているからです。
 
銀行や弁護士が自己破産を勧めてくるには、それなりの理由があります。
 
今回は、三條さんの新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』の中から、「銀行や弁護士が自己破産を勧めてくる理由」「破産後の状況」について詳しく解説している該当箇所を全文公開します。

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倒産後に何が起こるのか?

 社長として一番、難しくてつらい判断。それは、会社の倒産を迫られたときです。できることをすべて行ない、万策尽きた、と観念したとき、「倒産」の二文字が頭をよぎることもあるでしょう。
 そんなとき、私がお伝えするアドバイスは、「何があってもあきらめるな。きっと道が見つかる」です。
 そして、「借金で殺されるわけではないから心配するな。元気を出せ!」と言っています。
 もしも、倒産して破産してしまったら、その後の人生は真っ暗闇です。家を取られ、財産を取られ、行き場がなくなってしまいます。会社をつぶした社長をいい条件で雇ってくれるところなどありません。社長には社長業しかできないのです。
 再チャレンジしようにも、まず、自己破産すると約10年間、銀行からお金を借りられません。お金を借りることができなければ、再出発も再チャレンジもありません。やりたいことがあっても挑戦できないもどかしさは、社長を経験した人には耐えられないはずです。
 そして、クレジットカードを持つこともできません。今の時代にカードを持たずにまともな生活を送ることは無理です。「それくらい我慢できる」と思うかもしれませんが、とても惨めなものです。
 今の日本の破産制度では、破産してしまったら復活はできない。そう肝に銘じてください。先進国で最悪の自己破産制度です。
 逆に一生懸命に頑張れば、多少の借金など、どうにか返せるものです。
 私も父親が作った140億円の借金を抱えてスタートしましたが、死ぬ気で頑張って全額を返済処理しました。本当に倒産の道を選ばなくて良かったと思っています。
「めげない・あきらめない・くじけない」
 これが必須の精神です。
 もしも、迷ったときは、どうぞこの言葉を思い出してください。

銀行や弁護士が自己破産を勧める理由

 それなのに、世の中には倒産する中小企業がたくさんあります。
 コロナ禍を境に、その数は急増しました。
 なぜこんなにつらい思いをするのに、倒産する会社が多いのでしょうか。
 それは、倒産したほうが楽に思えるからです。
 毎日、頭を抱えてマイナスの数字を見ていると、心がくじけそうになります。紙切れにサインをすれば、不愉快なお金の悩みがすべてご破算にできる。そう考えたら、「自己破産」が甘い誘惑に感じるでしょう。
 しかも、銀行や弁護士は、暗に自己破産を進めてきます。耳元で、「自己破産したらどうですか。楽になりますよ」と囁いてくるのです。
 銀行にしてみれば、いつまでも粘られると、ずっと報告書をつくり続けなければいけません。破産してくれれば、書類一枚で面倒な案件を片づけることができるのです。家を売って財産を処分してもらい、少しでも回収できれば御の字というわけです。
「中小企業経営のための信用保証協会」と言いながら、その信用保証協会が、何もしてくれないことに問題がある、と私は思っています。経済対策と言いながら、銀行を助ける仕組みになっています。つまり、銀行保護のための信用保証協会になっています。これが倒産数を増やしている元凶とも言えます。本当に困ったものです。

破産しないで社長の人生再生を果たす究極の再生がある

 しかし、「このままでは会社をやっていけない」という場合には究極の再生方法があります。
 詳しくは別の項目で解説しますが、法的処理などはさせないので、計画倒産ではありません。なんとか家族が食べていけて、再チャレンジの可能性を残す方法。これにはかなりのテクニックが必要です。そのためには正しい方法で、正しい順番ですべきです。わからない人がやると必ず地雷を踏んで、破産に追い込まれます。

 別の項目で詳しくお伝えするので、ここでは簡単に流れをざっくりお伝えします。
 まず、最終的に身内の後継者を代表にして会社をつくり、時間をかけてそこに取り引き先を移します。
 銀行には「そこまで社長は頑張ったんだからしょうがない」とあきらめさせるように持っていかないといけません。そして、不動産・設備資産などの資産も競売されない(取られない)ようにうまく逃しておきます。
 とにかく肝心なのは、裏で動きながら、銀行には一生懸命に立て直そうとしている姿を見せることです。銀行に誠意を見せて、最後には絞り出した(ように見える)お金を払って納得させるのです。

 この作戦を実行するとき、私は言います。
「誠意には2種類ある。心のある誠意と見せかけの誠意。銀行に見せるのは、見せかけの誠意でいい。心ある誠意を貫くと丸裸にされてしまう」
 究極的再生を成功させるには、約3年の時間が必要です。用意周到に準備をして、正しい方法と順番で実行しなければいけません。
 法的な処理倒産し、破産してしまうと、帝国データバンクや東京商工リサーチに掲載されてまわりに知られてしまいます。地方など狭いコミュニティで過ごしてきた経営者は、地元に住めなくなります。
 そんなプライドもボロボロになる、むごい人生を経営者に送ってほしくありません。だから、究極の再生方法で社長の人生の再生を図りたいと思っています。

【著者プロフィール】
三條慶八(さんじょう・けいや)
1960年、神戸市生まれ。“会社と家族を守る"経営アドバイザー。株式会社Jライフサポート代表取締役。負債140億円を背負った会社を自らの力で再生し、完全復活させた経験に基づき、悩める中小企業経営者に真の会社経営、会社再生法を伝授している。机上の空論ではなく、自らの体験から得た実践的な手法は多くの経営者から信頼を得ており、特に対金融機関との交渉法が、多くの顧客から評価されている。「もっと早く出会いたかった」「今すぐ指導してもらいたい」などの声が全国から寄せられている。これまで1500社以上の社長を救ってきた。中小企業経営者とともに、最後まであきらめることなく懸命に闘う姿勢が共感を得ている。今の中小企業制度では、失敗すると再チャレンジできない現状がある。そんな中小企業の再チャレンジ制度を改革するのが人生のミッション。

いかがでしたか?
 
今回紹介した新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』の著者・三條慶八さんは言います。
 
「失敗する社長ほど、この基本を軽視する」
 
そもそも経営の基本を知らない社長もいれば、知っているふりをしている社長、知っていても実践していない社長が失敗したり、再生できないと言います。
 
同書では、中小零細企業の社長なら絶対知っておきたい101の項目に対して、自らも140億円の負債から自立再生を成し遂げ、1500社以上の中小零細企業の社長を救ってきた経営アドバイザーとして培った経験・知識・知恵・テクニックから導き出した全ノウハウを【Q&A形式】でズバリ答えています。
 
どんなに厳しい状況でも、中小企業の経営者が生き残るために必要不可欠な「経営の極意」を厳選して詰め込んだ新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』は、好評発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。

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