マガジンのカバー画像

それでも、ファッションの魔法にかかりたい。

31
2017年、「誰がアパレルを殺すのか」というタイトルの書籍が話題になったように現在のアパレル業界は 「沈む船」と表現されるような現状。91年には15兆円あった市場規模は17年には… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

積み重ねていく時間が普遍を作る

僕たちfoufouの新しい拠点、国立でのポップアップにお越しいただきありがとうございました。 東京にはお店もあるので、即売的なイベントは需要ないかなと思いつつ、、 お客さんからもご要望をいただいていたので開催できて良かったです。 (親会社のクラシコムの皆様、ありがとうございました) 久しぶりのイベントということもあり、僕も二日間立って接客させていただきました。 突然話しかけてすみません。笑 ずけずけと質問したり、色々とお薦めしたりと楽しい時間でした。 「私の人生で一番最

the boutiqueの1周年、長い歴史の最初の1年になりますように。

8/22 お店ができて1年が経ちました。 振り返れば去年、怖がりながらフルスイングをして作ったお店が1年続き、さらに「あったよかったなぁ」とさまざまな場面で思えたこと。それだけでも大きな成果でした。 元々、「このお店のために作った什器の木材が朽ち果てるまで続けたい」と思っているのでこの1年は長い歴史の最初の1年。それでも実際に1年が無事に終わるとなんだか感慨深い物です。 僕らのお店は決して「革新的で驚きのあるスタイル」ではないです。 サンプルを置いてネットで注文できるわけ

"10年続いたら、100年が目指せるかもしれない。" foufouについての大事なお知らせ。

いつもご覧いただきありがとうございます。 大切なお知らせです。長くなりますが、お時間ある時に一読ください。 この度foufouは、株式会社ステイト・オブ・マインド(以下ステイト社)から独立して私が代表となる新会社を設立します。 また2023年8月から「北欧、暮らしの道具店」を営む株式会社クラシコムの子会社としてジョインすることが決まりました。 これまでのfoufouを支えてくださったお客様を含め全ての方へ、感謝を述べるとともに次のステージに進むfoufouをどうか暖かく見

熱狂を生まない。

foufouのデザイナー、マールです。インスタグラムでものづくりの話をストーリーでしたらすごくいい反響をたくさんもらいました。ありがとう、最近あまりこういう話を出していなかったからかな、嬉しいです。 とはいえSNSで語れることは文脈を繋げて伝えたいことを汲み取ってもらうのは難しくて(特に最近は切り抜きによってどんどん加速してる)どうしても切り取られた「パンチライン」と「言い切り」が多くなってしまう。 その方がバズると思う。 そんな言葉たちは見ている人のエモーションを掻き立

カテゴリなんてなんでもいいよ

インターネットで服を直接カスタマーに売っている、これはdirect to consumerだ。流行りのD2Cね。D2Cと呼ばれたくないというお店も多いらしいがカテゴリなんてなんでもいいよ、そんなものにこだわるな。誇らしくやろうぜ、ちゃんとお客さんは見てくれてるぞ?そして自分が自分をどう思うかが大事なんだぜ? 試着会というのを頻繁にやっているけれど、メインはECだ。試着もできない、画像と動画で見るしかない、それでも月に1000人以上の方がfoufouの服を求め、販売日はライブ

「買いたいのに買えないから疲れました」というメッセージが届いた時。

「売れ残り」とは恐ろしいことだ。需要がないとみなされた商品たちは「売れ残り」とされ「セールになり」最後には廃棄されていく。一つ一つ丁寧に作られた商品は誰の袖も通らずに灰になる。 考えてみると、服における「売れ残り」ってなんだろうか。食料品などの期限があるなら「売れ残り」はわかるが(物としての限界はあるとはいえ)服に「賞着期限」なんてない。"流行"という極めて曖昧な指標における「期限」はあるのかもしれない。 ということは「売れ残り」とは売る側が期限を決めているから「残る」の

僕はファッションデザイナー 2020年

#僕はファッションデザイナー 2018年から毎年年末に書いている「僕はファッションデザイナー」 年が経つごとに変わる社会状況や自分の仕事について振り返りながら考えています。 バックナンバー 2018年 2019年 2020年 [ 心臓 ] 「foufouさんがやっている"新しい"販売の方法が〜」「お客さんとの"新しい"コミュニケーションの仕方が〜」「コウサカさんが自然体でいられるのはこれまでにない〜」などとひたすら言われ続けた2020年だった。 自分たちが当たり

君は君の好きな服を選ぶべきだし、その時にこそ"ファッション"が楽しめる。

お洒落は難しいと思われがち。「お洒落になる方法」や「コーデの組み方」などと行った方法論は山のように溢れている。それも誰かの救いになっているなら否定はしない、ただ僕は参考にすることはない。「お前は服のプロだろ!」と言われたらそうだけど昔からそうだよ。そして服を提供する側である僕からしてみれば「そんなもの気にせず好きな服を着っチャイナ!」である。(これは個人の意見です) もちろん「自分が自分で似合わないと思ってしまう」と感じてしまうこともあるだろう。それは確かにどうしようもない

そこに愛はあるのか。ファッションと社会をつなぐ服屋の話|ユナイテッドアローズ上級顧問 栗野宏文さん【出版記念企画 第四回】

出版記念対談の4回目は、ユナイテッドアローズ創設者の一人で上級顧問を務める栗野宏文さん。栗野さんは、僕が高校生の頃から憧れる存在で、ファッションを志すきっかけとなった方でもあります。 これまで40年にわたってファッション業界を牽引してきた栗野さんは、今年8月に刊行された著書「モード後の世界」で「いかにして社会潮流を読むのか」というテーマを扱いました。ファッションビジネスと社会は切っても切り離せない関係にあり、また、ファッションを通じて社会に対して何らかの影響を生み出そうとい

【お知らせ】 初の著書『すこやかな服』 9/1よりweb予約はじまりました 【冒頭公開】

私、マールコウサカが本を書きました(まじ大変だったけど出来上がり超感動しました) タイトルは『すこやかな服』です。 そして早速9/1からweb予約が始まりました。 foufouのこれまで、そしてこれからのこと、僕がファッションメーカーをやる上でずっと大切にしていてこれからも変わらない姿勢の話を書きました。 こちら全国の書店さんでの販売もございます。9/29頃から店頭で販売開始です(お取り扱いについては直接お店へお問い合わせください) 『すこやかな服』についてこの本はビ

【お知らせ】生産管理を経て未来のブランドマネージャーへ。【ステイトオブマインド求人】

現在、株式会社ステイト・オブ・マインドでは、teshioniの生産管理を担当し、将来的にはブランドマネージャーという立場でteshioniブランドの成長を職人、デザイナーと共に担っていただける方を正社員で募集しております。 募集内容はこちらをご覧ください。 アパレルの商慣習にとらわれない teshioniの『生産管理』募集!! 求人職種:生産管理 業務内容詳細: 生産管理(当社規定職位2等級「コントローラー」)業務。生産スケジュールの設定と調整実務、資材のリストアップと発

1番遠い距離にある、1番近い服屋 #01

たった数ヶ月で世界的な未曾有の危機となった新型コロナウイルス感染症。1人のファッションデザイナーとして、1つのインターネット服屋としてこの歴史的な事態に直面しどう考え、どう行動しどう未来を考えているのかを残していきます。 4/7 19:00頃 数日前からニュースになっていた予定通りに緊急事態宣言が発令された。 以前から続く「外出自粛」などを受けて試着会は半年間一時休止、5月にオープンを予定していた”常設で予約して入れる無人の試着部屋”も延期を早くから決めていた。 試着会の

ファストファッションは本当に「悪者」だったのか

かつて一世を風靡したファストファッションブランドが大量閉店をしたことで「ファストファッション時代は終わり」「消費者は質を求めている」というニュースを見かけるが、日本でのGU(ユニクロ)や韓国セレクト系D2Cの伸びや勢いを見るとそうとは思えない。 国内でユニクロはGUも含め8000億以上も売っている。ユニクロのお店を見れば、品質は悪くなく「ベター」。接客も陳列の丁寧さも「ベター」。それに加えて確実にコスパがよく在庫をしっかり積んで「行けばある安心感」があるのだからまさに「最高

「服で"ファッション"しなくてもいい」時代に、「服で"ファッション"したい」と思わせるブランドでありたい

もう「 服 = ファッション 」ではないと思う。まるでSNSはストリート。自分の個性をかつてのストリートファッションのようにインターネット上で表現できる。きっとみんな心当たりがあると思う。絵が描ける人、歌が唄える人、喋りが上手い人、動画の編集ができる人、これまではある程度、誰かに見てもらうためには時間がかかった自分の特技を簡単に自分の知らない、でも自分と近しい価値観を持つ人に知ってもらうことができる。(良くも悪くもではある) SNSだけじゃない。ソーシャルゲームに課金をすれ