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"選択的子なし"と輪廻転生

noteをはじめてから、選択的子なしやDINKSというスタイルについて発信する人たちの文章をよく読むようになった。もちろん理由は自分が同じ境遇だから。 そこで、枕詞のようによく書かれているのが「自分の代で子孫が途絶えてしまうのは先祖に申し訳ない」という言葉。 確かに、歴史を知れば知るほど「困難な時代でも命を紡いできた先祖は偉大だな」と思うし、膨大な血の歴史を自分が断ち切ってしまうことへの罪悪感は、まあ、私もわからんでもない。 中には途中で子供を持つという考えに変わる人も

    • おなかの歩幅

      今日は義父と3人で岐阜県にお出かけ。 目的地に向かう途中、高速のSAで休憩したとき、私が唐揚げを買おうかどうか迷っていると「お昼も向こうで食べるでしょ?おなかの歩幅合わせようよ」と言われた。 昼食に向けてお腹の空き具合を調整しておくことを"おなかの歩幅"と表現する夫のセンスが好き。 結局、唐揚げは食べてしまったし、昼食では半分を食べ終わる前からお腹いっぱいになって「唐揚げ食べなきゃよかった…」と思った。 「ほおば」という言葉に馴染みがなかった私は何度も「ホハバ焼き」と間

      • 結婚4年目がスタート、3年間の一部を振り返り。

        私が生活のなかで大切にしたいのは、相手からもらった言葉や、そこにある体温くらいだと思う。 私の幸せはこれだな、というのを書き残しておきたい。 私がお好み焼きのバラ肉を買い忘れたとき、「夫はあんまり肉に執着がないから肉なしでもいけるな」と思い、そのまま肉なしのお好み焼きを出した。夫が歯の治療後だったこともあり「歯に詰まらないからいいね」「ハズレなしだからいいね」と食べてくれた。 肉なし→アタリなし→アタリがないということはハズレもない という発想が面白い。 夫は1ヶ月以上先

        • 神道はなぜ教えがないのか【読書感想】

          神道と仏教の違いや、なぜ日本で神仏習合が成立したのか、などが簡潔に書かれている。 「日本人は無宗教(或いは多神教)で初詣もクリスマスもなんでもあり」というイメージを持っていたが、そのなかでも仏教と神道は、2つの特徴の違いから自然と役割分担がなされていると知った。確かに「お宮参りや七五三は神社で、葬式やお墓の管理はお寺だな」とすっと腑に落ちた。 「島崎藤村の『夜明け前』の副読本として良いかも」と思って選んだ本だったので、本文中に『夜明け前』が紹介されていて、嬉しくなった。

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          耳に入った会話

          図書館に併設されているカフェで本を読んでいたら、高齢の男女がテーブルについた。 おそらく夫婦でも友達でもない。 女性が、男性になにかを説明をする立場みたいだった。 「仕事ぶり」「名称が」「就業規則」など断片的に聞こえてくる。 2人が席につくとき「◯◯さんも忙しいでしょう」と女性を労うような言葉を男性がかけた。 すると女性はフフッと笑いながら「もっと時間の使い方を上手にしないといけないんだけどね」と答えて、さらっと本題に入っていった。 忙しいという事実は否定せず、「忙

          耳に入った会話

          いらない体/ミレーナ/「女性の視点カフェ」があればいいのに

          5月20日 きっかけはささいで、タイミングも悪くて、自分の体がそぐわなくて、なんだか辛いなと思って自殺について考えていた。 自分の体がそぐわない、気持ち悪い、いらない。 トマトを壁に投げつけるように死んでしまいたい。 5月21日 生理が来ていた。 私はミレーナを装着済みなので生理は2〜3ヶ月に1回、極少量の出血だけ。 今回は生理痛も出血も多めで、昨日の体への違和感や希死念慮は生理前日特有の感情だったようだ。 ミレーナはPMSの改善にはつながらないらしい。 直接的に改善されな

          いらない体/ミレーナ/「女性の視点カフェ」があればいいのに

          半袖とキャンディー

          芸能人が年の差婚をするたびに、やっぱり気になってネットニュースに飛びついてしまう。 そしてやっぱり気になってコメント欄も見てしまう。 そのニュースのコメント欄やアカウントを見ると、年の差婚に対する解像度の低いままにコメントしている人がほとんどだ。 【同年代に相手にされずに若い女に手を出した男】と【社会を知らない未熟な女】という組み合わせを想像して語っている人が多い。 女側の主体性を完全に無視して【搾取されている側】だと断定して憤る人もなかにはいる。 インターネット上に乱

          半袖とキャンディー

          限界を知る、そしてパーティーへ。

          私はもともと友達がすくない。 「私はAちゃんとBちゃんとも仲がいいけど、AちゃんとBちゃんは最近気まずそう」とか「CちゃんがいるときはAちゃんがあんまり楽しくなさそう」とか、そういうことに気を配るのが煩わしいので1対1での交友関係が基本だ。 大阪に住んでいた頃はそれで問題なかったのだが、愛知に引っ越してきてからは、大阪の友達と会う回数がさらに減ってしまって、口だけの約束が増えていっている。 「一人一人と会うために時間を取るのはそろそろ限界かもしれない、体力もない。そうだ

          限界を知る、そしてパーティーへ。

          あまのじゃく(とはいえ当然の)

          「高齢の義父をなるべく近くで見守れるように」という理由で、私たち夫婦は愛知に引っ越してきている。 引っ越しに伴い、夫婦揃って転職。義実家から近いところに賃貸を借りた。 この私たち夫婦の行動を「優しい」と表現してくれる人が周囲にはちらほらいる。もちろんそれは悪い言葉ではないのだが、私はその言葉にムズっとする。 子供に対して穏やかな声掛けをするお母さんに対して「優しいね」と言うことはあっても、子育てという行為そのものにわざわざ「子供を育てるなんて優しいね」と声をかける人は少な

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          歯磨きするゾウ

          私がベッドでスマホをいじっていて、夫が風呂上がりに歯磨きをしているという場面。 夫はわざわざ洗面所から寝室に来て、シャカシャカと音を立てながら私の枕元のあたりにボスっと座る。 そこで私の頭を撫でるとか、私の顔を愛おしそうに見ることは一切しない。 ただ正面を向いて歯を磨いている。 シャカシャカシャカ 「…この人、懐いている!!」と、私はすこしテンションがあがる。 "人間の庇護がなくても生きていける野生のゾウとのふれあいを試みた結果、ゾウの方からそっと寄ってくるようにな

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          自分の代わりに弟が新婚旅行に行った話

          やんわりと話していた夫の地元への引っ越しの予定と、やんわりと話していた「新婚旅行に行くなら香川でうどんを食べよう」という予定が、なぜか一気にふりかかってきた2年前の3月。 私はそもそも夫の地元への引越しには積極的で、「引っ越しちゃおうぜ」と渋る夫を後押しするほどだった。 2月はじめに夫から「もしかしたら4月に引っ越しするかも」という相談をされ「職場にも伝える必要があるから早めに教えてね」と私は言っていた。 夫が引っ越しへの意思を固めたのかどうかよくわからず、確認しても「

          自分の代わりに弟が新婚旅行に行った話

          業務用洗濯機・食洗機への憧れ

          介護施設や飲食店でバイトをしていたときに出会った業務用の洗濯乾燥機や、食洗機のことを今でも忘れられない。 私はあれを自分のものにしたい。 所有するだけではなく、自分の采配で稼動させたい。 有料老人ホームで働いていたとき、入居者の洗濯物をまとめて台車に乗せ、洗濯機のある部屋におろし、乾燥が終わればまた台車に乗せて運ぶという業務があった。 業務用の洗濯機のパワフルな洗浄力と、火傷するんじゃないかと思うくらいの高温で仕上げる乾燥力にいつも魅了されていた。 飲食店の食洗機も、

          業務用洗濯機・食洗機への憧れ

          言葉はドアスコープ

          他人が見ている、生きている世界を覗くことができるドアスコープのような役割が、言葉にはある。 最近話題の『無痛おねだり』というワード。 わざわざ調べなくても、おねだりの意味が【立場の弱い人間が立場の強い人間に"請う"行為】ということはわかるはずだ。 私はおねだりという言葉をざっくり分けて 「子供が親にゲーム機をねだる」 「恋人に洋服やカバンをねだる」 くらいでしか見たことがない。 他には、小遣い制のサラリーマンが妻に何かをねだるような場面も想像できるかもしれない。 あの

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          高齢の義父から学ぶこと

          今日は義父と夫と私の3人で、ショッピングモールに行って食事をした。 私の夫は飲食店でのタブレット注文に慣れていないのか、年下の私にそっと操作を委ねてくることが多い。 今回も1番年少の私が率先して注文を打ちこんでいると、義父から「俺にも触らせて。やらないとわからないから。」と言われた。 "高齢の義父にはできない、今後1人で飲食店を訪れることなんてないだろうから覚えなくていい"と決めつけて、義父の学びの機会を奪ってしまっていたことを反省し、タブレットを義父に差し出して3人で

          高齢の義父から学ぶこと

          母の日〜ママに届け〜

          私が幼稚園の年長になった年に、母は再就職している。 新しい就職先は、結婚前に働いていた職種とは全く違う分野だった。 子供4人を育てながら、約10年のブランクを抱えいるなかで、資格をいかすことのできる職種を選んだ母親の先見性に、ただただ尊敬する。 今から私が振り返る幼少期の思い出の中には、もしかしたら共働きになる前のエピソードもあるかもしれない。どちらにせよ私が物心つく頃には、すでに4人姉弟が完成していたので、どのエピソードに関しても「子供4人を育てて大忙しのはずの母」だとい

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          副交感神経によろしく

          夫が風邪をひきはじめて2週間になる。 高熱こそ出ないものの咳は止まらない。 病院には2回かかっているのに。 今日は土曜日。 昨日の夜に比べて症状が穏やかに見えたので、「体調どう?ましになった?」と訊ねると「いやぁ、昼間はあんまり咳が出ないんだよ、夜がなぁ…それで調べてみたんだけど、」と夫が言う。 すかさず私は「副交感神経でしょ?」と返した。 会話をクイズゲームのように捉えて、相手の言葉を奪ってしまうのは私の悪い癖だ。 夫は私のそんな悪癖を気にする様子もない。 夫は「

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