古川節子

タイ北部チェンマイで綴っています。📕 My​ book|古都チェンマイのとっておき 執…

古川節子

タイ北部チェンマイで綴っています。📕 My​ book|古都チェンマイのとっておき 執筆・撮影のご依頼は、yunkaosあっとgmail.com(あっと→@)までお願いします。

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  • チェンマイ俳句毎日

    チェンマイで季語を体験したいと思っています。なるべく毎日投稿を目指しています。

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    古川のエッセイをまとめました。

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コボリ

 コボリという名前の友人がいる。 友人といっても、ごくたまに、しかも偶然会った時に少し話をする程度だから、向こうにしてみればただの知り合いなだけかもしれないが、私の方では、勝手に友達だと思っている。  コボリはチェンマイ生まれのチェンマイ育ち。生粋のタイ人だ。それなのに、「コボリ」という日本人の名前で呼ばれているのには、理由がある。 それは、彼がいつも日本兵の格好をしているからだ。 チェンマイ市内で行われる伝統行事などに、彼は必ず日本兵の扮装で

    • 線香花火 * チェンマイ俳句毎日

      【チェンマイ俳句毎日】2024年6月2日 季寄せより線香花火の栞落つ 去年だったか、チェンマイ在住の方から日本の線香花火をニ本いただいた。白くて持つところだけが青く染めてある。きれいな紙縒りはきっと手作業なのだと思う。 ごく素朴なものだが、下さった方は日本の線香花火が持つ風情を大切にしているのだろう。そこから貴重なニ本を分けてくれたのだと思うと、なんだか特別なもののような気がして、灯さずに歳時記の栞にして眺めている。 ✍️線香花火 花火線香 手花火 夏

      • オクラ * チェンマイ俳句毎日

        【チェンマイ俳句毎日】2024年6月1日 タイで飲む味噌汁オクラの星あまた 今日は朝市が混んでいて、一緒に買い物していた友人が機転を利かせて、私の分のオクラまでゲットしてくれたおかげで、今晩はお味噌汁に新鮮なオクラを入れることができた。輪切りにしたオクラは星のかたち。 ✍️オクラは秋の季語ですが、タイでは今(もう少し前から)出回っています。 そういえば、日本帰国時にスーパーで緑のネットに入ったオクラを買ったら、メイドインタイランドだったので、なんだか親近感が湧きました。

        • 夏空 * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月30日 夏空や小さき飛行機雲に入る 夕方、ウォーキングをしていると、夫が、「今、飛行機が雲の中に入っていったよ」と言った。たったそれだけのことなのだが、チェンマイは3月から煙害が酷かったし、やっと雨季に入った最近は、夕方に雨が降りがちでなかなか運動に出られない。今日のような、夕方の晴れ渡った空の美しさはとても染みるのだった。

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        • チェンマイ俳句毎日
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          風薫る * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月29日 風薫る園脱走のカンガルー 星涼し迷子の迷子のカンガルー 昨日の朝、チェンマイ動物園から一頭のカンガルーが逃げたというニュースがSNSで話題になっていた。チェンマイ動物園は、ドーイステープという山の裾野に作られた、自然の地形を活かした広大な面積を誇る動物園で、今回逃げ出したのは、2歳6ヶ月のまだ若いメスのアカカンガルーとのこと。 目撃者が撮影した動画が拡散されていて、私も見たけれど、車道をぴょーんぴょーんと元気に跳ねている様子

          風薫る * チェンマイ俳句毎日

          夏の雲 * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月28日 夏の雲家族と一匹乗るバイク バイクの3人乗り、4人乗りをたまに見かける。たいてい は家族で乗っていて、小さな子供が親にぴったりくっついているのがなんともいえず可愛らしい。運動ができる広場の道路なんかでは、籠やステップに犬を載せている人もいる。風を受けて、嬉しそうな犬の顔もいい。晴れた日ならではの光景。

          夏の雲 * チェンマイ俳句毎日

          ハンモック * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月28日 店番の夢覗きたきハンモック 暑いタイでは、ハンモックがいろんな所で活躍している。客待ちの乗り合いタクシーの運転手さんなんかは、よく車内に吊って爆睡している(笑) この後、スイカ屋台の店番さんが目を覚ましてくれたので、無事に1玉買うことができました。 ✍️ハンモック 三夏

          ハンモック * チェンマイ俳句毎日

          ツチグリ * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月27日 ツチグリを買うて宝くじ買わず 一日中、雨が降ったり止んだりだったが、夕方に晴れたので近くの市場に行くと、いつもより開いている店が少なかった。聞けば、みんなキノコ、それもヘット・トープ(ツチグリ)を採りに行っているらしい。 雨期のタイはキノコの季節だ。特に北タイでは、雨期のはじめの頃に採れるヘット・トープ を、みんな心待ちにしている。 このキノコは山焼きをした地中に育つといわれ、採るのが大変なのでかなりの高値になる。写真の量で

          ツチグリ * チェンマイ俳句毎日

          コロン * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月26日 参道や甘きコロンとすれ違ふ 近所にある山の上の寺までの参道を、時々、運動がてらに登っている。車で上る人の方が断然多く、普段は混んでいないが、仏教の日と重なると、参道を歩いてお詣りに行く人たちと一緒になる。外国人観光客の後になった時は、参道にコロンの香りが残っていたりする。 お隣ミャンマーから出稼ぎに来ているタイヤイ(シャン族)の人たちは、敬虔な仏教徒が多くて、このお寺にもたくさんお詣りに来ているが、上から降りてきたタイヤイの民

          コロン * チェンマイ俳句毎日

          涼し * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月25日 胃薬の溶けて涼しき胃のありか この頃、少し胃が痛む。日本で買った飲むとスーッとする胃薬が全然効かないので、クリニックに行くことにした。昔からお世話になっている年配のベテランの先生で、顔を見ただけでなんだかほっとする。 今日は患者さんが少ないようで、先生の膝の上には読みかけの本が乗っていた。 今日はどうしたの? 胃が痛いんです。 何で痛いの? えーと、苦笑 こんなゆるい感じで先生の問診は続き、1日の内でいつ頃痛むか、胃が痛く

          涼し * チェンマイ俳句毎日

          ながし * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月24日 青年の夢やラップのながし唄 お粥の食堂で晩ごはんを食べていたら、高校生くらいの青年がやってきた。 タイではよく、屋台や食堂で食事をしていると、お菓子や花、宝くじなどを手売りする売り子さんが席を回ってくる。 青年はおせんべいを売っているが、肩にはピカピカ光る小型のスピーカーを下げている。なんでも希望者には、即興のラップを歌ってくれるというのでお願いしてみたら、すごく上手だった。 「お食事中にお菓子の宣伝してごめんなさい!Yo!」っ

          ながし * チェンマイ俳句毎日

          日覆 * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月23日 日覆の内の家族の野菜売り 普通の市場も楽しいが、郊外で開かれる定期市場も、旬の地物が並んでいておもしろい。今の旬はヘット・トープ( 和名ツチグリ)。まん丸なきのこで、コリッとした皮の中はとろりとクリーミー。塩で茹でるだけでも、すごくいい出汁が出る。地中に育つため収穫するのが大変なのでかなりの高級品だが、それでもよく売れている。 定期市には食品だけでなく、格安の雑貨や衣料品、下着、化粧品なんかも並んでいる。 我が家の近所で開かれる

          日覆 * チェンマイ俳句毎日

          茉莉花 ✴ チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月22日 釈迦仏のあまたなるかな茉莉花 今日はウィサーカブーチャー(仏誕節)で、タイは祝日だった。毎年、陰暦6月の満月の日がこの仏誕節にあたり、今年は今日5月22日。この日は、お釈迦様が誕生した日と悟りを開いた日、そして入滅した日とが重なった、仏教的に最も重要な日として儀式が行われる。お寺に詣でる家族連れも多い。 チェンマイでは前日の夜にステープ山に歩いて登り(片道2時間強くらい)、この仏誕節を迎えると大きな徳が積めるとされ、たくさんの

          茉莉花 ✴ チェンマイ俳句毎日

          慈雨 * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月21日 ワイパーに潰れる羽虫慈雨あがる タイは正式に雨季に入ったという発表があった。このところ毎日のように夕方に雨が降り、いよいよ雨季に入った実感がある。空気も綺麗だ。 雨季に入ると、待ってましたとばかりに現れるのが、羽虫。タイ語ではマレンマオというこの時期の風物詩だ。シロアリの一種で、乾期が終わる頃の雨あがりの夜に一斉に羽化し、明かりを目指して地面から飛び立つ。その数はおびただしく、外灯には羽虫の柱ができるほど。そして翌朝には大量の羽

          慈雨 * チェンマイ俳句毎日

          捕虫網 * チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月20日 捕虫網の旗高々に二人乗り 捕虫網ゆく農学部試験場 近所にある農学部のキャンバスにはいろいろな試験場があり、かなり広い。時々、ウォーキングに出かけると、捕虫網を持った農学部の学生さんたちが試験場の田んぼの畔をうろうろしていることがある。きっと遊んでいるのではなくて、害虫かなにかの調査なのだろう。 日が暮れる頃には、バイクで2人乗り、時には3人乗りで、網を旗のようにはためかせながら帰ってゆく。 ✍️捕虫網(ほちゅうあみ・ほちゅう

          捕虫網 * チェンマイ俳句毎日

          夏暁 ✴ チェンマイ俳句毎日

          【チェンマイ俳句毎日】2024年5月19日 夏暁や月橘の香の白白と 早朝、庭に出ると花の香りがする。庭のドークゲーオ(和名:月橘 ゲッキツ)の花かと思ったが、もっと濃厚で清々しい。蜂の羽音がする方を見ると、隣の家の庭の植木が白い花をいっぱいに咲かせている。 あんまりきれいなので写真を撮って隣人に送ったら、ドークゲーオ・ヒマーライ(和名:ナガミゲッキツ) という植物で、一般的なドークゲーオよりも葉や花が少し大きいのだと教えてくれた。植物好きの隣人の庭には、ちょっと珍しい植

          夏暁 ✴ チェンマイ俳句毎日