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人間とは何か?~自己啓発の劇薬:マーク・トウェインの教え(2022/3/3)【読書ノート】


『トム・ソーヤの冒険』のマーク・トウェインが「匿名」で遺した名著を漫画化
人間は機械である――過激な主張が、生きづらさを抱える現代人を救う!
妹尾武治(九州大学准教授)が最新科学で解説。「人間は本当に機械ですか?」
東京大学教授 石原剛が監修、『漫画 バビロン大富豪の教え』の大橋弘祐が企画、脚本。最強のビジネス漫画が誕生!

100年前、匿名で出版するしかなかった名著は、生きづらさを抱える現代人に必要な劇薬だった! !
『トムソーヤの冒険』『ハックルベリーフィンの冒険』世界的文豪マーク・トウェインが「匿名」で遺した名著がついに漫画化
「人間は機械である」だからこそ、自由に生きられる
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マーク・トウェインの「人間とは何か」は、1906年に出版され、その時代を象徴する作品とされています。この本は、前世紀の変わり目に存在した一般的な考えを非常によく示していると評価されています。
老人と若者という2人のキャラクター間の対話という形を取っています。この対話を通じて、人間の性質に関するさまざまな議論が展開されています。

本作はまた、マーク・トウェインがヴォルテールのような19世紀アメリカの独特の存在として時折描かれることから、その鋭利で不敬なエッセイが収められています。トウェインの作品は、社会や人間性に対する深い洞察と、それらを風刺する独特のユーモアで知られており、「人間とは何か」もその傾向を反映したものとなっています。

マーク・トウェインが自身の時代の社会と人間性に対する考察を展開する場となっている。特に、老人と若者の対話を通じて、人間の自由意志や運命、さらには心理的エゴイズムについての考察が描かれています。また、トウェインの独特の風刺とユーモアが、読者に深い洞察と共に笑いを提供し、同時に社会の矛盾や人間の本質に対する批判的な視点を提示することで、読者に思索を促しています。

他の作品と同様に、その時代の社会的・哲学的な問題を掘り下げ、読者に重要な問いを投げかけるものとなっています。そして、独自の視点と風刺のセンスが、今でも読者に新しい洞察と共に楽しい読書体験を提供することで、その価値を保っています。

マーク・トウェインが人間の本質について深く掘り下げています。彼は人間を単なる「機械」に例え、私たちの思考や行動は外部からの刺激によって決定されると主張しています。シェイクスピアのような天才でさえも、彼の時代や環境、教育に恵まれていたために卓越した作品を残すことができたと説明しています。
老人は、人間の行動や思考は外部からの刺激によって形成され、それに応じてアウトプットされると説明しています。これは、人間が自らの意志で行動するのではなく、外部からの影響を受けて動く「機械」であるという彼の見解を補強しています。
また、人間の行動や選択が自己満足のためであるとも指摘しています。例えば、他者を助ける行為も、自分自身の精神的満足を得るための手段であり、本質的には自己中心的な行動であると説明しています。
老人はさらに、人間の一生は外部からの刺激と鍛錬によって形成されると述べています。しかし、人間には変えられない「気質」があり、これが人間の行動や思考に影響を与えているとも指摘しています。
最終的に、老人は人間には自由な意志がなく、私たちの行動や選択は外部からの影響と生まれ持った気質によって決定されると結論づけています。これは非常に挑戦的な見解であり、多くの人々が反発するかもしれませんが、マーク・トウェインは私たちに人間の本質について深く考えるきっかけを提供しています。

CHAPTER1:人間は機械である
人間は自己満足の奴隷か?
CHAPTER2:人間が持つたった一つの衝動
家族愛も社会的称賛も自己満足か?
CHAPTER3:証明
自己犠牲は誰のための行為か?
CHAPTER4:訓練
人間は生まれで決まるか?育ちで決まるか?
CHAPTER5:再掲 人間機械論
人間は思い通りに思考することができるか?
CHAPTER6:本能と思想
人間は動物より「上」か?「わたし」を動かすのは誰か?
CHAPTER7:結論
人間とは何か?
解説:石原剛(東京大学教授)



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