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ココロが揺れた映画感想文

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もう一度観たい映画の感想を書いてゆきます。
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林遣都「バッテリー」

林遣都「バッテリー」

私が林遣都くんを初めて知ったのは、
彼のデビュー作、映画「バッテリー」の、
新聞広告だったと思う。(2007年度、公開)
何新聞か忘れたけれど、マウンドに立ち、
グローブを持ち、構えている彼には、すでにスターとしてのオーラが十分にあった。
何という、美少年なんだろう!
年甲斐も無く、一目惚れしてしまった私😆

映画を観に行きたかったのですが、当時、
私には5歳の娘がおりました。やんちゃで、
まだ

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映画「こちら、あみこ」

映画「こちら、あみこ」

今村夏子原作の映画「こちら、あみこ」を見た。
あみこは、字が読めない。
人の気持ちも読めない。
(と、家族やみんなから思われている)

あみこのお父さん哲郎(井浦新)は再婚して、新しいお母さん(尾野真千子)が出来たが、自宅で習字教室を開いて、あみこには、あまり、かまってくれない。
あみこも習いたいと習字教室をのぞくと、
継母から「あみこさんは学校に行ってないからダメ!」と、ピシッと言われてしまう。

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『空気人形』是枝裕和監督

『空気人形』是枝裕和監督

 最近、見た映画で心に残っているのは是枝裕和監督の「空気人形」です。(2009年度公開)
「空気人形」とは、ラブドール。等身大の女性の柔らかい感じの人形で、恋人のいない男の人がそれを抱いて寝る感じでしょうか。

このラブドールには「のぞみ」(ぺ・ドゥナ)という名前があり、ある日突然、人間のように魂が宿ってしまいます。しかし、のぞみを買った主人(板尾創路)はすぐに彼女に飽きてしまい、のぞみは押入れ

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映画ドライブマイカー 

映画ドライブマイカー 

 年の初めに「ドライブマイカー」を観た。
 俳優兼舞台演出の家福(西島秀俊)は、ある芸術祭に呼ばれ愛車で現地まで行くが、主催者側から、二十代のみさき、という運転手を付けてもらうことになった。

 愛車の中で家福(カフク)はチエホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」のテープを回し、ワーニャ伯父さんのセリフだけを練習する。ワーニャ伯父さん以外のセリフは全部、脚本家である彼の妻が読んでいたが、ある日突然、自宅で

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映画「茜色に焼かれる」

映画「茜色に焼かれる」

2021年に公開された不思議なタイトルの映画「茜色に焼かれる」この映画のポスターでは、主人公の良子(尾野真千子)が、洪水のように溢れんばかりの涙を寸手のところでダムのように堰き止めている。この刹那的でありながら、どこか力強さを秘めた良子の瞳は、映画を観る前から観る者に情動的な感情を駆り立ててくる。良子は、ここでもう、観客に問いかけているのだ。生きる、ということの根源的な意味、を。

良子は7年前に

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