マガジンのカバー画像

もふもふ図書館

11
おすすめの動物小説、漫画、絵本をまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

クマネズミに、思いを馳せる 「川の光」を読んで

先日、食パンに、クマネズミの一部が混入していたニュースをみた。私としては、毎朝食べているパンだったことに加えて、ついネズミ側にも気持ちが行ってしまい、色んな意味でショッキングなニュースでした〔苦笑〕 さて、うちの近所には、たくさんのマンション、大きな公園があり、クマネズミをよく見かけます。 実は、引っ越してくるまで、街中で、茶色いネズミを見たことがありませんでした。 山に行くと、茶色で小さな、野ネズミを見ることはあるのですが、クマネズミと言うのは、調べて初めて知りました。

「お江戸けもの医 毛玉堂」ネタバレ注意

この本は、たまたま見つけました。きっかけは忘れましたが、私が一緒に暮らしている小動物のチンチラの名前が、「けだま」なので、買わずにはいられません。 表紙の円山応挙的な?絵も可愛くてストーリーも良さそうだったので、即購入しました。 そして、みなさまお気づきのとおり、私、けだま堂は、この小説からインスパイアされています。 いつか、紹介しなくては!と、思っていましたが、満を持して?今回、紹介させていただきます。 まずは、内容紹介 犬、猫、馬、兎にまつわる話が5話収録されてお

「おやすみ、リリー」を読んで~ネタバレ注意~

人によっては読みにくいと言われますが、私は、あまりに号泣しすぎて、ぐったりしてしまうほど、物語の中に入り込んでしまった。 そして、SNSでも、自らコメントを書く事など殆ど無い私が、この本を紹介していた方へ、メッセージを送ってしまうほど、どうしようもなく、感情移入してしまったのだ。 ペットを見送る本は何冊か読んでいるが、「おやすみ、リリー」は、一味違う。(数年前に読んだのだが、いつか紹介したいと思っていた) 妄想の中で、愛犬の病魔と闘い続ける飼い主 闘病中のペットの苦しい

おすすめ書籍「よい獣医さんはどこにいる」

先日、ウサギの「しろ」手術で死ぬ、病院側に賠償命令判決「家族の一員」という、記事を読んで、だいぶ昔に購入した、書籍を思い出し、思ったことを書いてみました。 まずは記事の紹介  獣医師から十分な説明がないまま受けた手術でペットのウサギが死んだとして、飼い主夫妻が660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁(中山裕貴裁判官)は、京都府内の動物病院の獣医師2人と病院の運営会社(奈良市)に慰謝料など66万円の支払いを命じた。判決は3月26日付。  中山裁判官は、獣医師が手

覚醒した蟹!命を頂くこと

先日、スーパーで、割引されていた紅ズワイガニを買ったところ、なんと、生きていました! スーパー入って、割とすぐに、カゴに入れ、しばらく買い物していたのですが、全く生きている気配は無く… 蟹は、手足を折り畳み、トレーに乗せられ、上からラップをしてありました。 購入後、エコバッグが、カニ臭くなるのが嫌で、ビニール袋に入れ密閉。 帰宅後、5時間は、冷蔵庫に入れていました。 そしていざ、茹でようと冷蔵庫から出し、ビニール袋を開け、ラップを剥がそうとした時… 微かに一本の足先が動い

絵本「おもいでで いっぱいになったら」グリーフ(ペットロス)視点でみる。

※ネタバレがあります。 ※私自身、違和感を感じていますが、便宜上、ペットという表現を使います 白黒のはちわれ猫 絵本の主人公である「ぼく」は、白黒のはちわれ猫ちゃん。 わたしも、少しの間だったが、白黒のはちわれちゃんと暮らしたことがある。まあ、そんな思い入れを差し引いても、作者の「はしもと みお」さんの描く絵は、暖かく愛らしくきれい。ねこの猫らしいポーズに癒されるのは、わたしだけでは無いはず。 みの虫の「かみさま」 はちわれ猫のぼくは、みのむしを、何故か「かみさま」と

【ペットロス いつか来る「その日」のために】を読んで。私の体験も交えた感想。

ペットロスや、グリーフについての本は、色々と読んでいますが、先日noteで、この本の存在を知り読んでみました。私の経験や、ペットロスカウンセラーとしての考え、思いと合わせて、いくつかのトピックを紹介したいと思います。 ペットロスは、お別れ前から始まっている いわゆる「分離不安」「予期悲嘆」愛するペットとお別れするかもしれない。と思った時に感じる不安や悲しみ恐怖。私は、一緒に暮らすチンチラの「けだま」の闘病生活中、毎晩泣いていました。夫と二人、重苦しく長い夜を過ごし、万が一

子どものトラウマ治療のための絵本シリーズ「さよなら、ねずみちゃん」 とても解りかりやすいグリーフワークの絵本でした!

あらすじ 主人公のぼく(小さな子供)が、ある朝おきると、ペットのねずみちゃんが突然亡くなっていた。昨日まで元気だったのに。。。 ぼくは、パパやママのサポートを受けながら、グリーフワークを上手に行い、悲しみながらも、徐々に気持ちが落ち着き、死を受け入れる。 短い話の中に、怒る、泣く、否認、食欲減退、思慕、セレモニーを行うなどのグリーフ反応や、否認から受容までのプロセスが表現されています。 ねずみちゃんを、お庭に埋める(セレモニー)の準備を、ぼくが納得いくよう取り組むことで、

「うちの子じゃ無いけど、うちの子なの」世界中で愛されている猫文学!「猫の客」ネタバレ注意?

私は、よくジャケ買いをする。当然、この本もジャケ買いしたのだが、さすが!海外22か国で翻訳されているだけあって、心に残る作品でした。みなさんは、この小説ご存じでしたか?私は全く知りませんでした。 ちなみに、ジャケットの絵は、藤田嗣治の「テーラーの猫 / The Tailor's Cat」でした。これも、たまたま知り(いきさつは忘れたが)藤田嗣治の猫の本も購入。これについては、また次回紹介します。 正直、この小説を読んだのは、コロナ第一波の自宅待機になるころで、読み終えてす

「老犬を看取るまで」を生々しく描く、ドキュメンタリー漫画!「犬を飼う」

私が、「犬を飼う」に初めて出会ったのは、まだ20代で、うちの犬が生きている頃だったと思う。あまりの生々しさに、立ち読みをして号泣しそうになり、若かった私には、本を購入することすら苦痛に感じ、買わずに長い年月が過ぎた。 長い年月の間も、この名作を手元に置いておきたいと、何度も願ったのだが、残念なことに本のタイトルを「犬の一生」と思い込んでしまったこと、作者の谷口ジローさんの名前を忘れてしまい、中学生頃に愛読していた、もふもふギャグマンガ「勝手にシロクマ」の相原コージさん(字ず

犬は吠えるが、猫は寄り添う「俺 つしま」 第一話ネタバレ?

「飼い主に不測の事態が起こった場合、犬は吠えて助けを呼ぶが、猫は飼い主のそばから離れず一緒にいてくれる。」という、話を聞いた記憶がある。 確かに、むかし知人の父親が亡くなったときに、愛猫が倒れている父親の上に乗っていたそうだ。第一発見者であった、母親は慌てて愛猫をどかし、「そばにいないで、近所の人でも呼んでくれればよかったのに。犬だったら誰か呼びに行ってくれたかもしれないけど、猫ちゃんはだめなのね」と、言ったそうだ。 お父さまを一人にせず、愛猫が寄り添ってくれていたことに