【短編小説】酵素ドリンクのようなキミ
第一印象は
たっぷりの栄養と
いっぱいの才能に満ち溢れた
[いいとこ取りの存在]
だと思ってた
何も努力しなくても
みっともなく足掻(あが)いたりせず
涼しい顔で なんなくこなす
ぎゅっと栄養と才能が詰まった
凝縮された存在
そう、まるで酵素ドリンクのような…
だから凡人の私には合わない
敵わない そう思っていた
それは 夕日が綺麗な日
キミは 走っていた
黒みがかったピンクと紫とオレンジの
背景を纏(まと)い
キミは、ひたすらに前だけを見つめ
走っていた
陰ながら