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一行詩、短詩も含めてこのマガジンには、今までの詩作品が保管されています。 お時間のある時にご覧になってください。 ありがとう💐
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記事一覧

『スイッチ』ー詩ー

『スイッチ』ー詩ー

スイッチを入れないと
動かない
テレビからも
ラジオからも
情報は入らない
洗濯物は増えるばかり
スイッチを入れないと
スイッチを入れないと

よし!
    ハァ…
 勘弁……
 … … 仕方ない
あー
       なんで…?
スイッチを入れないと
動けない、動けない

この感情も全自動なら
どんなに便利だろう

気づいてよ

能動的に
自分のスイッチは
自分で押してよ

…。

✴︎

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『永遠なんてさ』ー詩ー

『永遠なんてさ』ー詩ー

晴れた空は
突然雨を降らし
大粒の雨粒は
夏の暑さが重なる
アスファルトを冷やす

立ち止まったり
振り返ったり
頬杖ついたり
まるで見えない
明日を躊躇う

夕陽を手のひらに集めたら
あなたに届けよう
必ず物語には
終わりが来るから
痛みは永遠じゃない

✴︎✴︎✴︎

深夜の二時間作詩のお題「永遠」をもとに、詩を書きました。
#詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『レトルト』ー詩ー

『レトルト』ー詩ー

もう高校生になったんだから
◯◯しなさい
◯◯はダメよー
◯◯の数が増えてゆく

社会人になったら
◯◯しなさい
◯◯はダメよー
◯◯なんだから
またしても
◯◯の数が増えてゆく

社会では
このくらいできなくて
どうするの?
こんな事もできないの?
その程度なら誰でもできる!
もう、あなたには頼まないわー
と、それまでと
ニュアンスが大きく変わってくる

テレビをつけると
“あなたが食べたいとい

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「不時着」ー詩ー

「不時着」ー詩ー

パラシュートの大きさが
適切ではなかったのだろうか
風向きの読み間違いだろうか
完璧にひとりぼっちの地上には
大きな石があるだけだ

どこまでも飛んでやる
誰の声も届かない所へ
逃げるわけじゃない
自分の意思が選んだ

ちっぽけとは思わない
ダサイとも思わない
エグイことなんかない
だけど チガウ

無計画な計画だった
衝動的な計画

東西南北だけが方角じゃないんだ
潜ってもいいんだ
飛んでもいい

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『last question』ー詩ー

『last question』ー詩ー

重い頭には
たいしたものは入ってはいない
忘れていいようなことが
所狭しと乱雑に置かれている

あの時代は良かったかい
どの時代も覚えてはいない
この時代さえ
この頭は馴染めないでいる

欲しい情報は手に入る
ジェームズディーンは
なぜ死んだのか
人間の細胞の数はいくつか
アラスカは明日晴れているか

過去とは何だ?
過去を花束に生きることはできるのか?
俺は誰だ? 神の子か?
それなら、そろそろ

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「なめらかに」ー詩ー

「なめらかに」ー詩ー

手当てをする
腕が痛むたびにさする
指も時々痛む
曲がり具合を確認しながらさする
頭が痛む時は
首や肩を揉んでみる
固さを感じながら
生き方も寝違えたかなと
ふと思う

30分前に淹れたフレーバーティー
ひとくち、またひとくち
不思議
冷めても好きでいられる
恋は覚めたら苦いだけ

時々思い出す
乱暴に畳まれる雨傘の水滴が
顔にかかるような出来事を
今でもぎゅっと口を結んでしまう

さすることので

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『窓拭き』ー詩ー

『窓拭き』ー詩ー

窓を拭いた
雑巾で拭けば拭くほど
濁りが増す

ハンドタオルで拭いた
毛羽だったそれは
幼虫になり
はーはーと吐く息で
茜色の小さな虫になって
飛んで、いった

大人になるために
必要なもの
どれとどれとどれ?
 あっ…温もり

窓は
 はっ…冷たい
人さらいのように鳴く風
守られている
額の熱もとっておくれ 
 ーーー。

✴︎✴︎✴︎

X投稿一部修正 #詩 #poetry #lyric

『一糸の眩暈』ー詩ー 

『一糸の眩暈』ー詩ー 

痛みを覚えた心は
裸になることを嫌う
ひと布まとい
夢の端をつまんでる

払いきれない雨粒
拭いきれない不安
身を任せるには
不安定な夕陽

物語の終わりを
決めるにはまだ早い
癒しかたを間違えると
傷は深くなるだけ
ひきつる頬を
ピシャリと叩く
人差し指が空を求める

ゆらり ゆらり
壊れた時計の針は
回ることをせずに
ゆらり ゆらり と

軽い眩暈を感じながらも
細き道をすすむ

✴︎✴︎✴︎

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『バルーニング』ー詩ー

『バルーニング』ー詩ー

私には名前がない。
私には、いばらの道を歩くための
サンダルもない
私には、花に水をあげる
ジョウロもない

私は忘れられた小鳥。
私は葉の裏のカタツムリ
私は子蜘蛛の様に
バルーニングをしながら旅に出る
私には名前がない。

私には名前はない。

✴︎✴︎✴︎
#詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『モードチェンジ』ー詩ー

『モードチェンジ』ー詩ー

自分でも
わからなくなってしまう
あなたが
理由もなく渡すプレゼント

“今夜もありがとう
また連絡する。“
そんな軽い言葉は
朝には消える
イルミネーションのよう

髪の毛を束えながら
ざわつく胸の奥にピンを留める

“また会いたい“
その言葉を飲み込んで
あなたより先に部屋を出る
あなたに絡まったままの
心を置き去りに

✴︎✴︎✴︎

X投稿 一部修正 #詩 #poetry #lyric

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『never say goodbye』ー詩ー

『never say goodbye』ー詩ー

飛ぶことを忘れた鳥は
海を知らない

神への祈りの時間に
東の空からやってきたミサイルは
容赦なく家族の愛を粉々にした

死とは何かを知らない少女は
今日もママを探す

そして

戦うことを忘れた兵士は
愛する者のために
今日もバラを摘む

X投稿 一部修正、絵からイメージして書きました😊 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『5センチの勇気』ー詩ー

『5センチの勇気』ー詩ー

キスした後に
あやまらないで
「ごめん」と言わないで

5センチ 背伸びをして
あなたの肩に手を触れる
心は限界

押し寄せる波から
何度も逃げて
もう疲れたの

波に砕けて
沈んで行く 私を
救えるのは
あなた だけ

✴︎✴︎✴︎

X投稿、ストレートな恋愛詩 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

「妻の呼び鈴」ー詩ー

「妻の呼び鈴」ー詩ー

半月の今夜が視界を朧にするように
あなたが失いかけていることが
一体何なのか
明かりをあてても見えはしない

結婚という言葉に
憧れをもっていたあなたと
ひとつ屋根の下で
愛する人と毎日新しい朝を
迎えたかった私は
きっと自然だったはず

バラの棘が刺さったような
痛みなら受け入れよう
体をつきぬけるほどの感情なら
私は自分に失望しながら、
惑いながらも
言葉の持ち主があなたなら
受け入れよう

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「気のせい」ー詩ー

「気のせい」ー詩ー

小さな棘が
心の端っこに
刺さってしまって
前に進むことさえできない

  ヒューヒューとどこからか
  ヤカンが鳴いてる声が聞こえる
  誰にも必要とされない虚しさだ

赤い希望は
太陽を嫌い
星のない夜を好んだ

  夜風に吹かれながら
  庭を履く人は
  誰にも気付かれないように
  星屑を拾い集めてる

口に含んだ手指の爪は
吹くと音符になって
宇宙に飛んでった

グラグラになった足の爪

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