【感想文】聞く習慣
「わたし、どんなことができますかね…?」
いま思い出しても、最低な質問だったと思う。
わたしはその日、会場の片隅でぼけえっと座っていた。
メモを取りながら話を聞いていたわたしは休憩時間のあいだ、誰かとうまく話すことができなかった。
今思えば「メモを取る」というインプットをしながら、休憩時間に上手くおしゃべりをするなんて、そんな器用なことはできない。
ちかさんは、しんだ魚みたいな顔をしていたわたしに、にこにこと近づいてきてくれた(女神)
そして、出てきてしまった質問がこれだ。
「ねるさんは、文章がすごくお上手だから」と褒めていただいた、そのあとのせりふがこれなので、本当にひどい。もう、文章が上手な人の発言じゃない。
ってゆーか、聞き方っていうモンがあるだろう。
ちかさんとはネットを介して何度かお話させていただいたけれど、初対面だし
頼むよ、アタシ……
内心はそんな感じで、「やばいひどい質問をしてしまった」と焦っていたのだけれど、ちかさんは微笑んだまま答えてくれた。
「インタビューとか、いいんじゃないですか?」
インタビュー。
実は、ずっと興味があって、やってみたいことで、でもなかなか機会を作れない弱いわたしがいて、前に進めなかった。
「やってみます」
自分の弱さよりも、目の前の人の優しさのほうが、百倍の価値がある。信じるに値する。
だから迷わなかった。
そして思い出したのが、この本。
いしかわゆきさん(ゆぴさん)の新刊!
これはね、頼りになると思ったんです。
Amazonの紹介文をご覧ください!
人の集まりのときに、しんだ魚みたいな顔をしてしまうわたしも、この本なら救ってくれるかもしれない。
インタビューライターゆぴさんの頭の中、知りたい!
ということで、「聞く習慣」の感想文です。
※付箋を貼った大切な部分をピックアップしてお話します!
引用部分も含めて8000字越えの超大作になってしまったので、適宜飛ばしながら読んでください(斜め読み推奨)
1.軽いノリで相談や報告する習慣をつくる
実はね、内緒にしていたことがあったんですが…
大学を出たばかり、周りはみんな大人だと信じて疑わなかった22歳のわたし。
今では「前後10まではタメ!」と言ってくれた、5歳上の友達のノリを採用しているわたしですが、当時はひとつの年齢差が大きかった。
ライブハウスは暗く、みんながおとなに見えた。
そんな中、どうしても、どうしても仲良くなりたい人がいた。
自分のライブに出て欲しくて、この人の作る世界が本当に好きだった。
この人の内側に入り込みたい、
そう思ったときにね、起こした行動をいまでも覚えているんです。
なかなか狡猾でしょう?? 22歳だったのに!!
この関係が功を奏して、わたしはこの人にとって「何でも話せる相手」に昇格したのです。めでたし!
といっても、そんなに急に重めの恋愛相談とかしたわけじゃないですよ?
これは、ゆぴさんのおっしゃる通り。
まさしく、これ!!
会話に困ってしまったとき、わたしは相手に質問するようにしていました。
これがね、ちょっと突っ込んだ質問だとしても、多くの場合は快く回答してもらえるんです。
もちろん、相手のリアクションを見てから、っていうのが大事ですが…
質問って、「好きだよ」って意味だと、今でも思っています。
だからわたしはいまでも、スタバのことはスタバ勤めの親友に尋ねる。
いまさら、関係値を向上させる目的ではないけれど、あなたを頼ることで、あなたにも「わたしに頼ってね」って伝えたい。
そしてネットで調べるより、10倍早く、10倍わかりやすい答えが返ってきたりするんです。
2.ミーハーになって「流行りもの」を受け入れる
会話に困ったら「質問をする」というのは有効手段ですが、
そもろも「何を聞いていいかわからない」ってことが多い。
万人の悩みである、仕事やお金のことは急に尋ねづらかったり
個人的には「休みの日には何をしてる?」っていう質問も、ちょっと苦手。
わたし自身が「寝てるか……家事してる?」と、曖昧な回答になってしまうから。
「趣味がないから」と、相談されたこともあります。
でも、趣味がないって人でも、深く話し込んでいけば”何か”を持っている。
本人は自覚していないだけ。
最近、相談してくれたお友達は「散歩が好き」っていう答えを見つけました。
じゃあ、「簡単に質問する方法」「会話を長続きさせる方法」っていうのがきっと、「ミーハーになって、流行りものを受け入れる」なんだよなァ。
共通言語が多いって、すごい武器ですよね!
いやでも流行りものを一通りチェックするのって大変すぎる〜!と思うわたしもいて
いやでもでも、わたしにもあるんです。流行りものをチェックしている分野が
わたしは、dアニメのランキングから放映中アニメを5本〜10本くらい毎シーズン見てる。アニメ好きな人ならば、ひとつくらい共通して見ているアニメがあるかも。
最近は、クリスマスコフレのチェックをしています。
すごく詳しいわけじゃないけれど、「今年のシュウはジョジョコラボか〜」とか、「去年のジルもかわいいかったけど(買った)、今年のもかわいいな〜〜〜」なんて言いながら見ています。
スタバの次の新作は「チョコレートムースラテ」で、フラペチーノは新作なし(おさつバターフラペチーノが継続するんだろうな)
スヌーピーとのコラボグッツが気になるけど、オンライン限定らしい
とか、
あんまり自覚できていなくても、自分の好きなものってきっとある。
わたしもどこかで、追いかけている流行りがある。
わたしより詳しい人はきっといるけれど、だからって、わたしの「好き」が打ち消されるわけじゃない。
「流行りもの」を毛嫌いしないという心持ちも大切にしながら、
自分が好きなものを棚卸しして理解するっていうのも、忘れずにいたいなあと思ったのでした。
3.「雑な質問」には、「雑な回答」がセットになる
これは、「オススメ」を聞いて、その場でポチるの章に書かれている名言なんですが、
そのため、好きなものについて聞くときは「カテゴリを絞ってオススメを聞く」
これは、ゆぴさんの例がすごくわかりやすかったので、もう少し引用させてください。
そう、これ! これですよ!
わたしだって、「オススメのポケモン教えて」って言われたら困ります。
ポケモンをあまり知らない人に、最新作の話をしてもわかってもらえないだろうし、そもそもポケモンの何を?なんで?知りたいんだ?と思う。
それが「グッズ買いたいから、かわいいポケモン教えて」って言われたら、答えは絞れていきます。
かわいくて、グッズが買えるんだったらーーー最近流行りだと、パモとか? 可愛いし、最新作のポケモンだからグッズも多い。あとは、定番だけどニャオハだね、なんて言える。
大切なことなので、もう一度言います。
これは質問に限らずですが、「言いたいだけ」をぶつけられると、会話が進まない。
このあいだ、家族LINEに花火の写真を送ったんです。きれいに撮れたのが嬉しくて
送っただけで満足だったので、返信は特に不要だったんですが「ここは花火の音はよく聞こえるけれど、何も見えない」って実家の母親から返ってきたんです。
「そっか〜〜〜」って感じですよね。
以上、終了。
別に、親子のLINEだからこれでも問題ないんですけど、もし「会話を続けたい」と思っているのであれば、良い答えではない気がします。
「そこまで考えるのはしんどい」って思われちゃうかもしれないけれど、
めちゃくちゃ親しい相手を除いて、「この質問をしたら、どんなふうに返ってくるのかな」っていうのを、ある程度予期するっていうのも、わたしは大事かなァ。って思います。
4.「それ、聞いてどうするん?」と思わせない
これは本当に、本当に気をつけたいことで
ほんとに、これ!!!
いやいや、そんなに警戒することってあります?と思う人もいるかもしれないですけれど、身に覚えないですか?
「今度、空いてる日ありませんか?」っていうLINE
これね〜〜〜〜〜できるだけやめて欲しい。
シンプルに答えづらい。
「要件を述べよ」って思う。
(せめて、そっちの予定を先に教えろ)
悩み事があるとかなら、なんとか日程空けたいし
話したいだけならば、いまは気分じゃないし、こっちの都合もあるのだけれど
まさしく、「意図がわからずに警戒する」ってやつ。
「雑な質問には、雑な回答がセットになる」っていうのにも共通するんですが、「空いてる日ある?」って聞かれたら、「なくもないけど」になりません??
そんな親切に、「日曜日は空いてるよ!」って言います?
わたしは言いません!(相手によります)
あ、これただの愚痴になっちゃった…
「警戒させない」っていうのは、めちゃくちゃ気をつけています。なぜなら、わたしが警戒するタイプだから…
5.1%でも知ると、ちょっぴり「興味」が湧いてくる」
物語は冒頭に戻って、とあるイベント会場で、しんだ魚みたいな目をしていたわたし。
周りの人と話せなかった理由って、これじゃないかな〜と思いました。
今まで散々「聞く習慣」で大切なことをピックアップしてお話していたんですが、根本的な問題として「質問する内容」や「共通の話題」がないっていうのは、相手のことを知らないってことです。
ゆぴさんが挙げてくれた人たち、めっちゃおもしろくないですか?
自分自身では「普通」と思っていることが、相手にとっては面白いことだったりする。
わたしの場合は、周りがバンドマンだらけなので「バンドやってた」とか「ライブハウスで働いていた」っていうと、よくある話なんですが
美容院に行くと「ライブハウス?すごいね」って言われる。
わたしも「美容師?えっ?国家資格?だっけ?すごいね!」ってなる。
誰かの人生の話ほど、おもしろいものはない。とわたしは思います。
それってものすごく、宝の宝庫で。だって、生きる伝記ってことでしょ?
徳川家康が大阪城を築いたって言われても「へ〜」って感じですけど、前の前のあなたが乗り越えた人生ってすごくリアルで、
その、掛け替えのない経験を、話すことで「分けて」もらえるんです。
こんなに楽しいことってないですよね。
誰かと話す機会があったら、「オモシロイ」のチャンス。
まずは1%でも知ろうとして、相手の「普通」に触れられたらいいな。と思います。
それと同時に、「わたしの人生なんて」と、自分の生き様を否定しすぎないこと。これも覚えておいて欲しい。
あなたの普通は、どこかで普通じゃないです。
目の前の人とは、絶対違うんです。
だから、何でもいいから話して欲しいな。って思います。
6.ポップな相手にはポップに返そう
わたし、今の仕事が不動産系で、電話する相手の多くが「街の仲介会社のお兄さん、お姉さん」なんです。
初めて電話を受けたとき、そりゃ〜〜〜びっくりしました。
前職は自社サービスのカスタマーサポートの仕事で、クレーム対応も多かったので「ゆっくり、丁寧に」が基本だったんですが
今では、「○☓アパートって空室ありますか?」「ございます」「ありがとうございます〜」ガチャッ
って感じなんです。いや、これが全部じゃないんですけど。
あ、これゆっくり話すと、相手にイライラさせるやつ…と察しました。
電話をかけてきている人は、目の前にお客さんがいたり、確認件数のノルマをこなしていることもあるでしょう。とにかく、急いでいる人が多い。
「早口の人には、早めに答える」を徹底しました。
今では、電話口で「まじっすか〜〜〜」と砕けた口調で話すこともあります。
それは、相手が砕けて話してくれるから。
こうやって仲良くなった人は、また次の契約に繋がったりもします。
これだ〜〜〜〜〜
最近何でも話せる友達って、このテンションやリズムが同じだから。
そして、同じテンションで話せるってことは「会話がキャッチボールできる」ってことで、「聞くこと」と「話すこと」が両立するんです。
聞くことと話すことの両立って、会話してると当たり前なんじゃ??と思う人もいるかもしれません。
本当に悪口じゃないのでハッキリ言いますが、わたしは酔っ払った人との会話があんまり得意ではないです。
わたし自身がほとんどお酒を飲めず、飲むと眠くなってしまうので、外ではあんまり飲まない(酔っ払うほどは飲まない)ようにしています。
酔っ払うと眠くなるっていうのもあるんですが、「言葉の取捨選択の能力が落ちる」と思います。
だから、ペラペラしゃべって「言いたいだけ」になっちゃう。
で、酔っ払った相手がペラペラしゃべっている隣で、こっちは「あれを話そうかな」とか「この質問って迷惑じゃないかな?」って思っているうちに、どんどん話題が次に行って、取り残されてしまう…
お酒の席に限らずですが、「今日は聞き役」とか「今日は話したい気分」っていうのは絶対あると思います。
でも、おとなになったわたしが、いつでも会いたいと思える人って「”聞く”と”話す”のバランスが、ちょうどよく取れる人」のような気がしています。
7.「考えているだけの沈黙」を頑張って埋めない
沈黙って苦手ですか?
わたしはあんまり苦手じゃないんですが、相手が黙っているときに「もっと聞いて」とか、「悩んでるならこういう言い方もできるよ」と、ポンポン話しかけてしまうときがあります。
これ、テストに出ます!どうかノートに書いといてください…
で、わたしが何も考えずにポンポンしゃべっていたら「今ちょっと考えてるから」って叱ってください。
わたしは、この「考えているだけの沈黙」っていうものに気づくまで、ずいぶん時間がかかりました…
昔は今よりも百倍くらいおしゃべりだったので、何も考えず、ずうっとしゃべっていられた。
でも、自分より思考速度が速い人や、難しい問題を投げかけてくる相手に会って初めて「考えているだけの沈黙」の存在に気づいたんです。
今でも、仲の良い相手だと「聞いて聞いて!」ってしゃべり続けちゃうんですが、好きな相手こそ「聞くこと・話すこと」を両立したい。
わたしはいつでも、あなたの答えを待てる人でありたいのです。
8.誰かの話を聞くだけで「自己肯定感」が上がる
人生のツライとき
もうダメだってどん底なとき。
残酷だけどそれは時折、絶対に訪れる。
誰もが平等だとは言わないけれど、それぞれのフェーズで悩みっていうのは消えなくて
ツライとき、わたしは「誰かと話すこと」で息を吹き返します。
もちろん、最底辺どん底期で、誰にも会いたくないってときは会いません。
でも、少し浮上できたら、信頼できる人に会う。
そのときに「話を聞いてもらう」っていうのもあるんですが、「話を聞く」ということも、わたしを元気にさせます。
それは、わたしの悩みとは全然べつの話でもいいんです。
家の猫の話でも、新作のコーヒーの話でも、あなたが話して、笑ってくれていれば。
そうしたら帰り際に「ちょっと悩んでてね」なんて話たりする。
あなたは一緒に怒ってくれたり、励ましてくれたりする。
悩みや、適量の愚痴を聞くというのは、実はあんまり負担にならないんです(適量に限る)
わたしのどん底みたいな悩みも、友達からしたら笑い話になっちゃったりする。
人を励ますと、元気になる。
だから、励まさせてあげる。
この歌詞を初めて聞いたときは、すごく感動して
ああ、そうだなァって。今でもときどき思い出します。
誰かと比べることで落ち込んで
親愛なる人の存在と言葉で立ち上がることを
これからわたしは、何度も繰り返してゆくのでしょう。
(さいごに) 自分にとっての新発見は、誰かにとっても新発見
最後に、このページを引用させてください。
悩んでいることを話すと、「実はわたしも…」と返されることがあります。
それも、ある程度の頻度で起こり得るのです。
あなたの「新発見」は必ず誰かの役に立てる。
わたしはそれを信じて、今日もインターネットの広い海に、言葉を投じ続けています。
あのとき、言って欲しかった言葉。
あのとき、伝えたかった言葉。
大丈夫だよって、肩を叩きたい。
わたしが知っていることならば話すし、それであなたが近道したり、ラクができるならば是非そうして欲しい。
そんなふうに願っています。
それは、わたしが良いヤツだからじゃなくて
同じ思いを託されて、わたし自身が健やかに生き長らえることができたからです。
たまたまわたしは書くことが好きなので、こうして書いて、
あなたからもらった知識や優しさを、次の誰かに繋いでゆくのです。
この本が「インタビューをやってみたいわたし」の、どれほど参考になったかをお伝えすることは難しいんですが、
優しさとか礼儀、気遣いを以て相手と接してゆくこと
そしてわたしが、そんな思いで相対してきたことは、決して間違っていなかったと、後押ししていただけたことには違いありません。
この本の内容について詳しく知りたいかたは、Amazonページを覗いてください。めちゃくちゃわかりやすいです。
わたしは、主観たっぷりの「副音声感想文」をお届けさせていただきました。
ところどころ、愚痴っぽくなってごめんね!
好きな相手とは、本当は同じテンションとかリズムで話したいんだよ〜〜〜でもそれが上手くできないときもあって、ついつい相手に「気をつけろよ」って思っちゃうわたしがいて
でも、相手を変えることって難しいから、わたしが変わらなきゃいけないんだよね。
で、わたしが変われない、折れないってなっちゃったら、その人とは距離を置かなきゃいけなくて
それでも構わないって相手なら、それでもいいんだけど
気の合う人を好きになれたらいいのに
好きになった人と、ずっと気が合えばいいのに。
なかなか、そうもいかないね。(愚痴でした)
この本を、「なぜだかおしゃべりがうまく続かない」と悩んでいる人に捧げます。
2023年9月24日 ねる
ゆぴさん(いしかわゆきさん)のページへ▼
ちかさん、お世話になりました!
あのとき、お声掛けいただいたうえに見捨てないでくださったこと、本当に感謝しています。
ちかさんのプロフィール▼
ゆぴさんの御本、#ポンコツ本 もオススメです◎
こちらのお悩み相談でも”聞く習慣”、オススメさせていただきました。
”聞く習慣”から学んだテクニックを実際に使った話を紹介しました!
大成功だったんですよ〜〜〜!!!
しんだ魚みたいな顔をしていたイベントのこと
ぜんぶ書ききれなかったけれど、このイベントと共通した話題もあったので、併せて読んでいただけると◎
対人関係で大切にしていること
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