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スキマにご用心

昨日に続き二日続けて植物ネタになる。

別に何かを意識しているわけではないが、
この時期は緑が目に付くいてしまうらしい。

昨日仕事帰りに自宅の近くのある家を
通りがかったとき、
その家の庭先が気になった。

その家は昨年の夏ごろに建った新築であるが、
家が建って人が住み始めてしばらくしてから
外構工事を始めていた。

ちょうど私の通勤路にその家はあるので
外構工事が進む様子を私は見ていたのだが、
先日それがようやく完成したらしく、
コンクリートの間に直径50㎝程の
植物を植えるスペースが作られており、
そこに寄せ植えで植物が植えられていた。
(ズバリではないが下記のようなイメージ)

ハンワホームズHPより引用(https://www.hanwa-ex.com/service/094-2/)

その寄せ植えを見ていると、
まさに今からの時期花が咲くような
種類の花が植えられており、
直径50㎝のスペースにはかなり余裕があった。

確かにこのようにスキマを作りながら
寄せ植えするとオシャレであるし、
その様子はまだ新しいその家にバッチリ合っている。

そう思っていたのだが、
私は過去にこの発想で痛い目にあっていることを
ふと思い出した。

我が家にも花壇がある。

私は昆虫ほどではないものの
植物にも興味があるし、
植物を観察すること自体は嫌いではないが、
植物のメンテナンスを小まめにするのは
どちらかというと苦手である。

既に我が家には多くの観葉植物が
家の中にあるし、
庭には妻の希望で天然芝を植えたので
その手入れもしなくてはならないので
正直花壇を作るのはあまり気が進まなかった。

だが、これも芝生同様妻の意向で
花壇を作ることになった。

家の正面にある花壇なので
あまりいい加減な感じにもできない。

だが案の定、花壇に花を植えたり
水やりや追肥などの手入れをするのは
全て私の仕事になった。

そんな我が家の花壇は基本的に
年に1回ゴロっと花の入れ替えをする。

夏仕様と冬仕様に花を切り替えるのである。

どうしても冬は咲く花が限られるので、
パンジーやビオラ、そしてシクラメンなど
無難なチョイスになってしまうが、
夏仕様は色んな花を選ぶことができるので
毎年少しずつテイストを変えながら
ベストな花を探している。

今から2年ほど前のこと。

夏仕様の花を植えようと考えていた時に
とある方からアドバイスをもらい
トロピカル調にチャレンジしてみることにした。

近隣に植物関連の仕事をされている方がいるので
その人に少し珍しい植物を調達してもらう約束をし、
次の週末にその人がトラックの荷台に
その花を持ってきてくれた。

事前に写真は送ってもらっていたので
イメージはつかんでいたのだが、
実際我が家にやってきたその植物は
明らかに私が想像していたよりも小さかったのである。

とはいえ、人に頼んだ手前「小さいですね」
とも言いにくく、
私はこれから夏がやってくる際に
この植物が広がるだろうと言い聞かせて
納得することにした。

思ったよりも小さかったならば
そのスペースに別のものを植えればいいと
思われるかもしれないが、
寄せ植えをするときには植物同士の相性のようなものが
良くないとどちらかが根付かないこともある。

今回調達したのは少し珍しい植物だったので
そいつと他の植物の相性が良くわからない。

なので迂闊に他の植物を植えるのはやめておこうと
いうことにした。

だが、いざ植えはじめてみると
私の心配は杞憂に終わった。

なぜなら、スキマを開けて植えた感じが
思ったよりもオシャレでよかったからである。

トロピカルージュプリキュアの主人公
夏海まなつなら「トロピカってるぅ」と
声を上げそうな仕上がりに満足した私は
そのままの状態が維持されることを想定して
作業を終えた。

ところがである。

毎日水やりをしていると
困ったことが判明した。

土が露出しているがゆえに、水分の蒸発が早く
とても小まめに水やりをしなくてはならないのである。

私は仕事から帰ったら毎日水やりをするのだが、
日差しの強い暑い日には
花壇の花は若干しおれかかっている状態であった。

なので、そのスキマにひろがるまでは
朝も水やりをしなくてはならなくなった。

たかだか水やりと言えども朝に数分間を
毎日奪われるのは辛い。

だが、問題はそれだけではなかったのだ。

次はスキマに次々と雑草の芽が生えてきたのである。

冬仕様の花を植えていた時には
ビオラが広がって土が露出することはなく、
外気温が低かったこともあってそれほど
雑草は気にならなかったのに、
土にスキマができた途端どこからか雑草の種子が
飛散してきて芽が出始めたのだ。

こうなると小まめに雑草の除去もしてやらなくては
ならない。

ただでさえ1日2回の水やりにウンザリしていたのに
それに加えてこまめに雑草抜きまでするのは
とても面倒であるが、
これをサボってしまうと花壇は台無しになる。

とは言え、今からスキマに何か植えるわけにもいかず、
かといってなかなか植えた植物は広がってくれない。

結局このシーズンは10月後半まで
1日2回の水やりと雑草抜きをやり続ける羽目になった。

最初はトロピカルな雰囲気に喜んでいたものの
妻をはじめ家主は途中から飽きてしまい、
後半はテンションが低下。

テンションの高いキュアサマーから
テンションの低いキュアパパイア(一之瀬みのり)に
変化してしまった。

今回外構工事が完了した家の家主の方は
スキマの多いその仕上がりに
とても満足されているであろう。

だが、これから始まる暑いシーズンに
このスキマが吉と出るか凶と出るかは
家主の方次第である。

他人事ながら、私の経験をアドバイスしたくて
ウズウズする暖かい夕方であった。

ちなみにそれだけ雑草の種子が
知らないうちにあちこちに飛び交っているということは、
私達も知らぬ間に雑草の種子を吸い込んでいる
可能性が高いということでもある。

自動車のフロントガラスが黄砂で汚れて
「これを私たちは吸っているのか」と
テンションが下がる日々であるが、
実は植物の種子や花粉なども侮れない量を
私達は吸いこんでいるのかもしれない。

そう思うと、コロナ禍は開けたものの
マスクをしながら外出するのも悪くない気が
するのは私だけではないだろう。

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