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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

企業の使命ー子どもたちへのメッセージー理念を磨き、実践し続ける価値

 理念を掲げ、それに従って行動することは、個人や企業にとって重要な意義を持ちます。特に、社会と未来を担う子どもたちに対しては、単に言葉で教えるのではなく、理念を実践することで具体的な模範を示すことが重要です。この行動は、単に一時的なものではなく、持続的な努力と改善、そして困難に直面しながらも前進し続けることを意味します。このプロセスを通じて、子どもたちは理念の重要性、それを実践する難しさ、そして不断の努力による成果を学びます。  人事の立場から見ると、企業文化や倫理観の醸成

ヒエラルキーからアジャイルへーアフラックのDX成功事例

 Aoba-BBTの番組、DXライブ08は「ヒエラルキー組織」でした。ビジネスブレイクスルー大学大学院の今枝昌宏教授とアフラック生命保険株式会社のアジャイル推進室長である吉田政史氏が、日本企業におけるDXの課題と、アフラックが実践するアジャイル型の組織モデルについて議論しました。以下アフラックのホームページにもにも詳細に記載されています。 日本企業におけるDXの課題階層型組織の弊害  従来の日本の大企業に多く見られる階層型組織は、意思決定のスピードが遅く、新しいビジネスモデ

採用の先を見据えるー組織成長のための人材管理戦略

 経営者や人事担当者が陥りがちな一つの大きな落とし穴として、採用プロセスを完了した時点で満足し、その後の人材の成長と発展に十分な注意を払わないことです。採用は、個々のキャリアと組織の進化において、単なる始まりに過ぎません。目標人数を達成し、才能ある人材を確保した後も、その人材が組織内でその能力を最大限に発揮し、目に見える成果を生み出せるようにするための継続的なサポートと投資が不可欠です。 採用後の人材管理の重要性 採用プロセスの成功は、新しい従業員が組織に加わることによる即

日本人が苦手な伝えるコミュニケーションの克服法ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #11 伝えるコミュニケーション」というテーマでした。今回は、日本人が苦手とする「伝えるコミュニケーション」について、その原因を深く掘り下げ、具体的な改善策を紹介しました。このテーマは、ビジネスシーンだけでなく、日常生活における人間関係にも深く関わる重要なものです。 日本人が伝えるのが苦手な理由 教育の影響  日本では「よく聞きなさい」という教育が重視され、「自分の意見を伝えなさい」という教育は後回し

女性リーダーの前進: システマティックな障害を乗り越える

 女性リーダーが直面する悩みは多岐にわたり、個人的な課題から職場でのシステマティックな問題まで様々な形で存在します。これらの悩みは、女性リーダーのキャリアや個人的な生活に大きな影響を与えるだけでなく、組織全体のパフォーマンスや生産性にも影響を及ぼす可能性があります。以下では、私が感じた、女性リーダーが直面する主な悩みを解説し、それに対処するためのアプローチについても検討していきます。 1. ジェンダーバイアスとステレオタイプ  女性リーダーは、性別に基づく偏見やステレオタ

自立を阻害するリーダーシップー組織とメンバー成長への影響

 何でも自分で進めてしまうリーダーの行動は、短期的には効率的に見えるかもしれませんが、長期的な視点で考えると組織とメンバーの成長に多くの悪影響を及ぼします。これは、私がこれまで人事として携わってきた組織開発、タレントマネジメントの業務で何度も目にしてきた問題です。このようなリーダーシップスタイルは、組織内のイノベーションの阻害、従業員のモチベーションの低下、そして将来のリーダー育成の機会の喪失につながります。 組織文化への影響イノベーションの抑制  イノベーションが抑制さ

執念と諦めの狭間でービジネスと人生における持続可能な成功の追求

 執念と諦めのバランスは、ビジネスと人生の両面で極めて重要な概念です。このバランスが成功への道を切り開くと同時に、個人と組織の両方において、長期的な持続可能性を保証する要素です。これらの概念がビジネスの様々な側面にどのように関連しているかを詳細に探求してみます。 執念ー目標への不屈の精神  執念は、困難に直面しても目標に向かって努力を続ける力です。この力は、特に起業家精神において顕著です。新しい事業を立ち上げる際、無数の挑戦と失敗に直面しますが、成功した起業家はこれらの挑

『求人のAmazon』へ進化する新プラットフォーム発表 にどう対応するか

 日経オンライン2024/04/15の記事に『インディード「求人のAmazon」に 求職者と企業を集結』が掲載されていました。求人のAmazonとは、求人情報サービスにおいて、米アマゾン・ドット・コムが展開するEコマースプラットフォームのような、ワンストップの求人マーケットプレイスを構築する動きを指しています。  リクルートHD傘下の米Indeedは、求人業界に新たな風を吹き込むべく、従来の求人検索エンジンから、求職者と企業が集う包括的なマーケットプレイスへと進化を遂げよう

中小企業の人事制度において、社長が最終決定権を持つことの意義と課題

 中小企業において、社長が人事制度の最終決定権を持つことは、企業の成長と安定に対して大きな影響を与える重要な要素です。この決定は企業の規模、業種、社風、そして経営理念に応じて多角的な視点から検討する必要があります。以下にその具体的な意義と課題について詳述します。 1. 社長が決めることの重要性:迅速性と責任  中小企業は大企業に比べて意思決定のスピードが求められる場面が多くあります。市場の変化や競合の動向に迅速に対応することが求められるため、社長が最終決定権を持つことはそ

採用と離職防止のシナジーー持続可能な人材戦略の構築

 「採用と離職防止を一緒にして考える」というのは単純そうですが、実はとても重要な戦略です。求める人材を正確に理解し、彼らが魅力を感じる職場環境を作ることが大切です。これは、従業員が会社の文化や働き方に惹かれるようにするためです。長く働き続ける環境は、採用成功にもつながり、組織の成長と安定に寄与します。結果、離職防止にも寄与するでしょう。 採用基準と離職防止戦略  採用においては、候補者の経験やスキルが重要視されますが、離職を防ぐためには、安定した職場環境や昇進の機会の提供

従業員エンゲージメントの向上ーSNSで繋がるロールモデルの力

 昨今、「ロールモデル」(他の従業員の手本となる人物)を見つけることが難しいと言われています。一方WebやSNSを通じてロールモデルを見つけることは、現代のキャリア形成において革新的な変化をもたらしています。このアプローチは、従業員が自らのキャリアパスを形成し、個人の成長と発展を促進するための豊富な情報源とインスピレーションを提供します。人事の立場から見ると、このプロセスは従業員のエンゲージメントと満足度を高め、組織のパフォーマンス向上にもつながるため、非常に価値が高いと言え

前野隆司教授のスペシャルセッション「AI時代の働き方とコミュニケーション」振り返りと考察ー「Zoom Experience Day Spring」(2024/4/12)

 「Zoom Experience Day Spring」(2024年4月12日)の中で、慶應義塾大学と武蔵野大学で教鞭をとられている前野隆司教授のスペシャルセッション「AI時代の働き方とコミュニケーション」とは を振り返り、考察したいと思います。大変考えさせられる内容でした。 前野教授の講演の要旨 我々が現在生きているのは、まさに混沌とした時代だと言えます。AI(人工知能)をはじめとする目覚ましい技術革新によって、社会のあらゆる側面が劇的に変化しつつあるのです。このように

中小企業の人事制度ーシンプル化で成功を掴む戦略と具体的事例

 中小企業における人事制度は、企業の成長と従業員のモチベーションに直結する重要な要素です。しかし、大企業の複雑な制度をそのまま導入することは、かえって逆効果になる可能性があります。限られたリソースの中で最大限の効果を発揮するためには、中小企業ならではの特性を活かしたシンプルな人事制度の構築が不可欠です。  私も多くの中小企業の人事制度構築の支援を行ってきましたが、多くの企業の人事制度は複雑で、運用が難しくなっている状況を見てきました。 シンプルな人事制度がもたらすメリット