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RBA(責任ある企業同盟)関連記事

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RBA(責任ある企業同盟(Responsible Business Alliance))関連の記事です。
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RBA基準の実践ー企業の持続可能性と競争力を高める

 レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)は、企業のサプライチェーン全体での責任あるビジネス実践を促進することを目的とした重要なイニシアチブです。この基準の導入は、労働、健康、安全、環境という各面において、企業の責任を具体化し、特にグローバルなコンテキストにおいて多国籍企業の信頼性と競争力を確保するためのガイドラインとなっています。私は以下の記事で、RBAについて記載していますが、特に人事の観点で、もう少し広く考察してみたいと思います。 メリット  人事の観点から

RBAにおける「自社の対応程度」をどのように自己評価していくか

 Responsible Business Alliance(RBA:責任ある企業同盟)において、その基準の「自社の対応程度」はどのようにしていけばよいでしょうか。最終的には検証済み評価プログラム (Validated Assessment Program (VAP))を受審することによって点数化はされ、一応は判明します。検証済み評価プログラムの関連記事は以下です。 とはいえ、最初からVAP受審ができるかというと、そうはいかないでしょう。ではどうすれば良いのかということを考

企業において「匿名の相談窓口」を設置する理由とその注意点-設置は求められる方向に

 企業において「匿名の相談窓口」を設置する理由とメリット、注意点は何でしょうか。考えてみたいと思います。 設置する理由とメリット 匿名の相談窓口は、組織内の懸念や問題の早期発見と解決、従業員の声を尊重し組織を改善する手段として非常に重要です。 従業員の安心感と信頼構築  従業員が安心して様々な問題や懸念を報告できる場を提供します。個人情報や身元が明かされることなく、自由かつ率直な意見や苦情を述べることができるため、従業員はよりオープンになり、組織に対する信頼を築くことが

RBAにおけるVAP(検証済み評価プログラム)について

 Responsible Business Alliance(RBA:責任ある企業同盟)におけるプログラムの 1 つに検証済み評価プログラム (Validated Assessment Program (VAP))があります。これは、RBA基準におけるコンプライアンス検証です。すなわち、RBAの基準を満たしているかどうかの監査になります。ポイントは以下の通りです(詳細は下記サイトを参照)。 監査はRBA自身が実施するのではなく、独立した第三者機関が実施。 総合評価程度によ

RBA行動規範「すべての労働は自発的なものでなければならない」を考える

 Responsible Business Alliance(RBA:責任ある企業同盟)では、「すべての労働は自発的なものでなくてはなりません」という規定が定められています。労働者の自由と尊厳を保護し、強制労働を禁止するための重要な基準です。この規定により、労働者は自分の意志で仕事を選び、自由に離職する権利が保証されています。また、雇用者や人材斡旋会社は、労働者の身分証明書やパスポートを不当に保持したり、就職斡旋手数料を請求したりすることが禁じられています。このようなことは、

RBAから学ぶ、児童労働問題への包括的対応ー企業の社会的責任

 児童労働は、世界中で発生している深刻な問題です。多くの国と地域では、経済的な必要性、文化的な背景、教育へのアクセスの欠如など、さまざまな要因により子どもたちが労働に従事することがあります。しかし、児童労働は子どもたちの健康、安全、教育の権利を侵害し、彼らの将来に長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。このため、多くの国際組織やNGO、ビジネス団体が児童労働の撲滅に向けて活動しています。レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA:責任ある企業同盟)の行動規範は、このような

インクルーシブな未来へ向けてー令和6年障害者差別解消法改正の深い意味、RBA対応も

 本日、令和6年4月1日から施行される障害者差別解消法の改正は、事業者にとって、新たな時代の始まりを告げるものです。この重要な法改正により、障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化され、社会全体の包摂性が大きく強化されることになります。これは単に法的要件を満たすだけでなく、障害のある人もない人も、お互いの個性や人らしさを尊重し合い、対等に生きられる共生社会を目指す上で極めて重要な一歩なのです。  詳細は、以下のリーフレットも参照ください。 合理的配慮  合理的配慮の

RBA行動規範に基づく「宗教的配慮」の推進の検討

 レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)の行動規範に基づく宗教上の配慮を進めることについて、考えてみたいと思います。  RBAの行動規範は、労働者が安全で健康的な労働環境で働くことができるように、そして彼らが尊厳と敬意を持って扱われることを保証するための基準を提供しています。これには、労働者の人権が尊重され、倫理的なビジネス慣行が促進されることが含まれます。宗教上の配慮については、RBAの行動規範でも直接言及されており、労働者の尊厳を尊重し、彼らの多様性を認めるこ

RBA基準の自社への浸透ー企業文化の変革と社会的責任の実現への道

 レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)は、企業のサプライチェーン全体での責任あるビジネス実践を促進することを目的とした重要なイニシアチブです。この基準の導入は、労働、健康、安全、環境という各面において、企業の責任を具体化し、特にグローバルなコンテキストにおいて多国籍企業の信頼性と競争力を確保するためのガイドラインとなっています。今後、多くの企業がこの基準に適合するようにしていくことが考えられます。とはいえ、自社に対しどのように適合させていくのかを考えて行けば良いの

今後の人事業務の重要な一つになるかも知れない「RBA(責任ある企業同盟)」について

RBAとは何か Responsible Business Alliance(RBA:責任ある企業同盟)をご存知でしょうか。RBAは、グローバルなサプライチェーンにおける責任あるビジネスを促進することを目的とする非営利団体です。かつては、Electronic Industry Citizenship Coalition(EICC)とよばれていましたが、2017年に現在の名称に変更されました。  RBAは、世界中の企業やサプライヤーと協力し、人権、労働権、環境保護などの重要な問

RBAによる労働時間規制(週60時間勤務など)ーグローバルサプライチェーンにおける健康と生産性の確保

 Responsible Business Alliance(RBA:責任ある企業同盟)が、グローバルなサプライチェーンにおける責任あるビジネスを促進することを目的とする非営利団体であり、今後の人事業務の重要な一つになるかも知れない点については、以下にて共有しました。  その中で、1つ取り上げたいと思います。RBAでは、以下が禁止されています。労働時間や休日は、国内の法律では見かけない基準、あるいは、少し違った表現ではあります。また、時間外労働が「自発的」ということについて

RBAにおいては、なぜ「減給」が嫌われるのか

 Responsible Business Alliance(RBA:責任ある企業同盟)が、グローバルなサプライチェーンにおける責任あるビジネスを促進することを目的とする非営利団体であり、今後の人事業務の重要な一つになるかも知れない点については、以下にて共有しました。  その中で、1つ取り上げたいと思います。RBAのガイドラインでは、給料やボーナスの減額を懲戒処分として用いることが認められていません。  多くの企業では、懲戒の種類として、懲戒解雇-諭旨解雇-降格・降級-出勤

≪コラム≫ 減給の制裁は人権侵害?

少し驚いた相談事例がありましたのでご紹介させて頂きます。 RBA(Responsible Business Alliance)行動規範とは、電子機器業界中心に、安全な労働環境、労働者の保護、環境負荷に対する責任を促進するために示した基準であり、2004年にHP, IBM, DELLなどが中心となって作成したEICC (Electronics Industry Code of Conduct)が業界の枠を広げるために改称し制定されたものです。 近年、サプライヤーに対してRB

総務/RBA(レスポンシブル・ビジネス・アライアンス)とはなに?

レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)とは? レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(Responsible Business Alliance)は、企業の社会的責任(CSR)を推進することを目的とした国際的な非営利団体です。2004年にエレクトロニクス産業の代表的な企業によって設立されたこの団体は、現在では様々な業界の企業が参加しており、グローバルサプライチェーンにおける労働、健康、安全、環境、倫理的な問題への取り組みを主導しています。 RBAのミッションと