創作します 映画と人生についてたまに呟きます

創作します 映画と人生についてたまに呟きます

最近の記事

[映画]ベーグルとニヒリズム

前回に引き続き、映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の魅力を語ります。 さて、一つ前の投稿にも記した通り、私がエブエブにおいて最も触れたいのは、ニヒリズムについてだ。この映画の最も核となる部分に、ニヒリズムという思想がある。ニヒリズムというのは、日本語で虚無主義と言って、簡潔にいうと、人生に意味や価値はない、とする立場のことを指す。それを視覚化したのが、主人公エヴリンの娘、ジョイと、彼女が作り出した、ベーグルである。 私自身は、自分を虚無主義者だとは

    • [映画]エブエブの魅力

      第95回アカデミー賞で作品賞を受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。多くの人から高い評価を得ている一方で、批判の声が目立っている作品でもある。私は、この映画を観た後、簡単に言うと、「すごい映画に出会ってしまった!天才だ!」と感動というより感心してしまって、興奮しまくりだった。人を選ぶ映画であることも、批判が出ることも納得できたが、それでも私はこの映画を見て、本当に今までにないほどテンションがぶち上がった。エンドロールが終わっても、余韻で立ち上がれない

      • [映画]カニバリストを用いて人間の孤独に寄り添う

        2023年2月17日に公開された、「ボーンズ・アンド・オール」。「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督×ティモシーシャラメの再タッグ。これは絶対に観なければと公開初日に映画館へ足を運んだ。観終わったあと、なんとも言えない感情が奥から押し上がり、立てずに放心状態。とんでもない映画を観てしまったような気がしたがあまりそれがなぜなのかよく分からなかった。(以下ネタバレを含みます。) 観終わった後、頭の中はこの映画のことでいっぱいになった。サウンドトラックを聴きながら映画

        • 18歳、私なりの生き方

          どうしようもなく人生が退屈で、辛くて、苦しくて、消えてしまいたい。 15、6歳頃の私の頭の中はそんな考えでいっぱいだった。学校に行く途中は激しい吐き気や頭痛に襲われ、放課後学校から出た瞬間にその症状は治る。それが毎日。明らかに学校に対する嫌悪が身体に現れていたのに、私は成績や学歴というレッテルに縛られて、学校を休むという選択肢を自ら捨ててしまっていた。不登校になってもおかしくないであろう精神状態の中、死に物狂いで学校に通った。不登校と言われない程度に休みもしたが、その度に先生

        [映画]ベーグルとニヒリズム